そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ROCK YOU!(ロック・ユー!)〔日テレ)

『運命は変えられる』
映画公式 http://www.sonypictures.jp/archive/movie/rockyou/
金曜ロードショー公式 http://www.ntv.co.jp/kinro/20060818/top.html
時代劇にロック!*1
2004年て何言ってんだよオレ、2001年公開です。で、金曜ロードショー版。チョーサーが山ちゃんなら録っときゃよかった!くそっ。(DVDでは江原正士、芸風は同じだけどちょっと違うね)何となく見ちゃったけど売りのはずのダンスシーンは丸々カット。あと細かいとこだと戦場に行ってるアダマー伯爵(金ロー版は"アデマー"だったけど馴染みがないんで公開版で)がウィリアムの快進撃に悔しがるとことか、処刑寸前にやって来てイヤミ言うとこがないのかな。特訓シーンもひょっとして結構削られた?(TVつけたらチョーサーの尻だった)そんな前置きはおいといて。
改めて見たら、オイラよほど運命を自ら変えるものが好きなのねと思った(笑)
始まりはQUEENの「WE WILL ROCK YOU」で終わりは「WE ARE THE CHAMPIONS」で終わるような爽やかな映画。原題は「A Knghit's Tale」。
中世なのに平民達がフェイスペイントをしてQUEENを合唱しながらウェーブをしたり、舞踏会ではデビッド・ボウイで踊ったり、試合前の口上がプロレス(WWEとかさ)のリングトークみたいだったり、時代劇なのに表現が現代風というかそれがまた違和感なくていい。だからといって何もかも現代風ってワケではなくちゃんと上手いこと時代物になってるし。
主人公は騎士の従者をしてた若きウィリアムとその仲間の兄貴分従者の太っちょローランドと赤毛のお調子者ワットに、何となく増えてく仲間たち。途中で拾った裸の詩人、ギャンブル好きのチョーサー(後に「カンタベリー物語」を書くことになるチョーサーのつもりらしい)、未亡人の女鍛冶屋などが加わりいつの間にかチームに。ウィリアムが憧れる貴族の姫さまジョスリンは男前すぎるし、その従者はカワイイんだけどいつの間にかローランドといい仲になってる。ライバルのアダマー伯爵は悪いやつというよりは、もーうホント憎ったらしい感じ。(いや、悪いやつなんだけど、何つーか曲者って感じなのよ)
話は試合中に突然亡くなったエクター卿になりすました従者のウィリアムが槍試合に出て勝ち進んでいくんだけど、その槍試合は貴族しか出場資格がない、ってことで試合に勝って名声が上がっても身分は偽ったまま。どんなに貴族らしく振る舞っても、平民だということがバレれば逮捕される…とそれだけならただの成り上がりモノなんだけど、そうじゃないのが、ウィリアムの「運命は変えられる」という気持ち。
まああんまりネタバレになるから話は説明しませんが、不可能なことを成し遂げてしまうウィリアムの騎士道精神とそれを信じる仲間たち、単なる立身出世だけじゃなくそれが父の願いと息子の望みで平民の希望だったり、ニセ貴族だと知っても愛情が変わらない男前なジョスリンとか、正しさとは人の心を動かすものだということとか(民衆たちはちょっとアレだが…)、何かいろいろいいんですよ。

チョーサーの試合前口上が派手で芝居がかってるのが受けてるから他の人も何となく真似しちゃったり、ウィリアムがラブレターを書くのにみんなで自分の体験談を喋ってそれを盛り込んでったり、女鍛冶屋は新しいやり方で作った鎧に自分のマークとしてナイキのスウォッシュマークみたいなのを入れてみたりとか、黒太子エドワード王子は粋でカッコイイ荒くれ者?だし、いろんな描写がいちいち気が利いてて楽しいです。
もちろん肝心の槍試合がまたカッコよくって、見せ方が上手くて画面で見ててド迫力&ハラハラ感があり、一瞬で勝負がつくという爽快感もあってすごく面白い。というかやっぱり何かが壊れるのって、あれは見ててスカッとするんだよね。
とにかく見終わってすごく爽やかだし、ちょっと泣けるし、いい話見た気分になるよ。
TVでは切られちゃったとこが多いし、EDの最後のオマケ映像がちょっとだけ笑えるんで、どうせならレンタルで借りてきて見ることをお進めします。

*1:ゆうきまさみ時かけのパロディマンガで使ってたネタ。何となく故岡本喜八監督の「ジャズ大名」のことだと思い込んでたけど、たぶん薬師丸ひろ子の「里見八犬伝」ネタ。改めてググってみてゆうきまさみのネタとしてこのネタの有効性にビックリした(笑)