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若冲と江戸絵画展

「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」http://www.jakuchu.jp/
コレクションブログ http://d.hatena.ne.jp/jakuchu/

 
明後日までの絵画展、なんとかギリギリ滑り込みで見に行けたよ。金曜は夜8時まで、ありがたい。
やはりというか当然というか、若冲コーナーは人だかり。といっても若冲はそのワンコーナーだけでこういうコレクションモノにありがちな超メジャーとその他大勢みたいな感じになってるけど、プライスさんは基本的に有名かどうかじゃなくてユーモア溢れるモノが好きみたいですね。でもそういう他の江戸絵画と比べるといかに伊藤若冲が奇抜でモダンかってのが良く判っていいよな。円山応挙もあったけどそんなに面白いものじゃなかったし。
若冲はすごかったね。大胆な構図と細密な書き込み。まさに神は細部に宿るとはこのことか。鶏と鶴が多かったんだけど、鶏の書き込みのリアルさといったらないね。本当にスンバらしい。筋目描きってなんかうっかりマネしそうだよ(笑)
オレが一番好きなのは「紫陽花双鶏図」かな。あれをウチにおいて毎日眺められたらシアワセかも。毎日眺めて暮らすんだ。あとはプライスさんが一番最初に買った「葡萄図」。あれが店先に置いてあったら買うだろうか?その当時いくらで売ってたのか知らんが、確かに見れば見るほど気にはなるかも。それよりあれがNYの古美術商に置いてあることの方が問題だよね。どんだけ海外に流出してたんだ、日本の絵画は。あと構図が大胆なので「旭日雄鶏図」かなー。鶏の羽がホントにリアルでもう。あとは「伏見人形図」はカワイかった。とてもこのリアルな鶏と同じ人が描いてるとは思えないほど(笑)あとはやっぱり「鳥獣花木図屏風」は面白いね。動物がみんな漫画なんだよな(笑)なんだよ黒丸の目って。サイバラの漫画かよ。こないだ若冲巡りをした妹によれば静岡県立美術館のやつの方が状態がキレイだったって言ってたけど。まあヘンテコだよな。人が一杯いて全然全体図が見られなかった…
しかしさ、若冲に限ったことじゃないけどなんで日本画はリアルで上手い絵が描ける人ほどデザイン的に様式化してって、漫画チックになるんだろうね。リアルな描写の動物の目や表情が漫画チックだったり、背景の描き方がどんどんデザイン的になってったり。若冲は様式的な部分とリアルな部分が上手く組み合わさってて全体にダイナミックで迫力あり。
しかしホントに日本人て魂の底から漫画DNAが組み込まれてるんだなあ…と(笑)表現が漫画なんだもんな。
あと「達磨図」が良かった。若冲以外ではこれがサイコー!生がありがたい絵でしたね。これはイイよ。
光の加減が変わる特別展示のは「紅白梅図屏風」がよかったな。日本画はちょっと薄暗いほうがいいみたいね。前に田舎に帰ったときに地元の近くだからと思って「絵金蔵」に行ったんだけど、絵金て夕方の闇の中で見るものだからっていって、展示室が真っ暗で行灯持って回るようになってんだよね。こういう見せ方にこだわる美術館もだいぶ浸透してきたのかな。
うっかり日本の収集家に仕舞い込まれるよりこういう海外のセンスのあるお金持ちにコレクションしてもらってときどき見せてもらえるんなら、絶対その方がいいよなあ。


会場限定オリジナルグッズ まんじゅうは当然としても(当然なのか)ルービックキューブも買ってしまった。升目描きでRCってのが、なんかオブジェみたいでイイ。オレがインチキクリエーターならアロハ買ったね(笑)何となくオッサンに着て欲しいね、これ。
ところで混んでるから仕方ないんだけど、やっぱり絵画ってあんまり近くで見るもんじゃないと思うんだよな。みんなガラスに添って行列してたけど、そんなに近寄って見なくてもねぇ。まあ若冲は別だけどそれだとガラスが邪魔なんだよね。逆に何人かオペラグラス持って来てる人がいて、あれはいいなと思った。特に若冲みたいな細部を見たいタイプの絵はね。遠目で見ながら細部も見られるなんて。貸し出ししてたのかなー、それとも美術館巡りの通の人達?