そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ハチミツとクローバーII・最終回

忘れてた(笑)
アニメ版を見てから原作を読んだ。そのつもりはなかったけど両方とも思わず泣けたよ。竹本くんがはぐの作ったハチミツと四つ葉のクローバーサンドイッチに気がつくところで。順当だね。
原作と比べるとアニメの方が終わり方はいいと思う。内容は同じなんだけど、アニメ的(映像作品として)演出が出来る分、音楽とかその後のみんなとかの構成がいい感じに余韻があっていいね。それと比べると原作はちょっと残念(これはアニメを見ちゃったからだと…)通常のギャグ描写ではアニメはくどいなあと思うところが結構あったんだけど。
原作、実は意外とあっさりしてるなーと思った以上にアレっ?と思ったのは、竹本くんが旅立つところで終わってるから。番外編はあるんだけど、作品としてはあそこで終わってるのは最初ちょっと物足りないように思ったよ。
なぜかっつーと、もともと竹本くんで始まった話なのであそこで終わらせるのは作劇法としては正しいんだけど(物語の転換期、アニメ版1シーズン目の最終回も竹本くんの自分探しで終わったけど)、竹本くんとはぐの恋愛はもうとっくに終わってて、竹本くんの自分探し以降、はぐがくっつくのは森田さんかどうか(花本先生は数に入ってなかったんだけど…)だったんで、花本先生とくっついて森田さんですらなかった、竹本くんはいくらなんでもないだろう…という現状との認識差の問題なんだよな。
とはいえ、はぐが竹本くんのために探してきた四つ葉のクローバー入りサンドイッチが、あの最後の見開きそのまま、もう手の届かない楽しかった日々を思い起こさせるという点では、あの最終回はもっとも妥当というか、まさにこの話が竹本くんとはぐの話だったんだなあってことでいいんだと思う。竹本くんが一目ぼれして失恋する話なんだよな(苦笑)そしてその理由を探すのが竹本くんの自分探しだったってことか。
みんなが片思いだから切ないんじゃなくて、そういう「願っても叶わないこと」がある、それを知ってしまうというのが何となくハチクロかなーと。
そういや映画かなんかのフレーズで、人生はメリーゴーランドのように回り続ける…ってのがあったけど、ハチクロでずっと観覧車が象徴的に出てきてたのは、過去の楽しかったことは観覧車のようにいつまでもそこで回り続けるってことだったんだなー。なんか深いなあ。
これ、改めて全部読み返すと結構きそうだな。

ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

ところで、はぐが竹本先生を選んでしまうってのは、オレはすごく納得するんだけど同年代の若い人たちはどうなんだろな、やっぱり山田さんみたいに納得できないんだろか。何故かってのはちゃんと描写はされてるんだけど、あれはやっぱり多少なりとも年くってて、それなり創作活動の何かが判ってないと理解できないのかもしれんなあ。
ここで問題なのははぐに本当に才能があるかどうかでなく(一応そういう描写はされてますがそんなの判らんもんな)、生き方の問題だからな。はぐはなんとなくフリーダ・カーロがモデルかなあと思うんだけど、森田さんは弱音を吐いた時点でダメだったんだよな。はぐはそれを良しとしなかったから、花本先生の人生を犠牲にしようと思ったんで、恋愛ってことでもないと思うんだよ。単に自分をずっと見てて、一緒にいてくれる人を望んでたんだよね。だから挫折者である花本先生であって、他にやりたいことのある森田さんや竹本くんはダメだったんだよな。
そういう意味でははぐはすごく我儘なんだけど、これってかなり最初から感じてたんであまり違和感なかったというか、ああそうだろうなあーと思ったというか、その辺で納得したんだけどな。