そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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天保異聞 妖奇士#22「帰ってこないヨッパライ」

http://www.ayakashiayashi.com/
今回のサブタイ、変(笑)いつも通りの漢文風じゃないのはなぜ?
打ち切りのせい?いつもなら2話かけてやるだろう話を1話に詰め込んじゃってるから、どうにもセリフや展開がストレートすぎて、ややもすると説教臭く感じるかも。演出もセリフの被せが多くてかなり切り詰めてる気が。(なのにまた男の裸だよ!笑)
でも妖夷退治の話と切腹の話をちゃんと最後で絡ませてるわりには詰め込み感もなく(少々強引な部分もあるけど)、話のまとまりとしては自然な成り行き。やっぱり會川昇は上手いなあ。*1

今回は妖夷退治そのものには重きが置かれてないし、ネタ的にも酒=ヨッパライで結構ギャグっぽくもあるせいか全体にドタバタ調の話になってて取っつきやすいよ。こういう話を4話に1回くらい入れててくれれば視聴率も悪くなかったんではないかと思うけど、今更仕方ないか。會川濃度が濃すぎたんだよな(苦笑)
話が短くなったせいだと思うけどアトルの動かし方が強引で、最初彼女が何をしようとしてるのかよく判らなかった。(この話のメインは明らかにこっちだから余計にね)
お役目のためにしたことで切腹を言いつけられた岡田を助けるために、アトルが往壓たちが追ってる妖夷の出所を見つけて異界を出現させようっていう話。それに協力するふりをして一口乗ったのが稲荷の狐、ってことだね。もともとそういうつもりでアトルに協力、その狐の口車に乗せられて、誰かを助けるために他の誰かを犠牲にしようとするアトル・・・が見えなくなってたものを、往壓がアッサリ解決。


アトルは岡田が切腹しなければいけない理不尽や、その大本の鳥居の大義に納得出来なくて奔走するんだけど、結局そういう目先のことをちょっとばかりいじっても仕方がない、大局の正義のために個人が犠牲になることもやむなしというオチ。
だけど往壓のやったことは、逃げたってしょうがないし、かといって現実を見ても結局先の事は判らない。でも今の現実を認めなければそこから先は始まらないという、それはそれで大人な結論。往壓が異界を呼び出すことは、もうない。アトルは危うく道を踏み外しそうになったんだけど、留まった。それで良し。いいけど狐コワイ。
アトルはもう異界を求めないという雪輪に稲荷狐の捨てゼリフ、『この世にいる理由なんて、何にもないもんさ』
切腹する岡田の最後のセリフは『面白かったな、あの馬鹿騒ぎは』
空を見上げ涙を流すアトルの『面白いか、この世は』
それを聞く享楽主義者の狂斎。
今回は不覚にも岡田の最後のセリフで涙ポロリ。絵がキレイな回でよかった。


今回の笑い所。新兵器「清正」での妖夷退治中、必死な小笠原殿とやけに呑気な往壓さん。妖夷の降らす酒の雨でびしょ濡れな宰蔵に『おい宰蔵、透けてるぞ』『いいから舞え!』『嫁入り前の娘だぞ!』『嫁入り先は探してやる!』ちょっと笑った(笑)

*1:マジメな話、某特撮モノでもこのレベルの作劇が見たいのです。