そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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風林火山#16「運命の出会い」

http://www3.nhk.or.jp/taiga/
前回、あれだけはっきりと身の振り方を迫られた諏訪殿は、意外と往生際が悪かった。とはいってもそれは遺児・寅王丸の行く末を案じてのこと・・・というのが、戦国の世で「如何に生きるか」という教えに繋がってたんですな。つまりは諏訪殿の往生際の悪さに「生きること」の価値を見せつけられた感じ。
諏訪殿は自分で言うほどだから余程いい領主だったのか?真面目ないい領主だったから晴信のことを額面通りに受け取って、侮ってしまったってことか?そして晴信と勘助に嵌められたことを感づいていたけど、そんな小賢しい領主ではなかった自分を責めてはいるけど、子供にはそうなっては欲しくないというのは寅王丸が大きくなるころにはそうでなくても生きていける世の中になってて欲しいってことだろか。この寅王丸への遺言を託す相手が「兵は詭道なり」の勘助というのも何かの皮肉か。
このドラマにおいての戦国クオリティの身の振り方というのが、死ぬこと生きること含め、節目節目で誰かの思い描く筋書きで世の中の流れが作られていく・・・と、そういう展開だからこそ、とりあえずのところその筋書きを作る側に回っている勘助のやることがハマるかハマらないかが、ドラマとしていちいちドラマティックで面白いっつーことか。
そして武田の城内では、勘助と板垣がいない間にまた家臣たちは勘助を語る会開催(笑)いろんな角度から勘助談義。みんなそんなに勘助が好きか、勘助が気になるか(笑)あ、いつの間にか教来石が復帰。


そして勘助の運命の相手、由布姫。諏訪殿の娘だけあって往生際の悪いことこの上なし。
普通ならとうに自害しているだろうという勘助たちの筋書きをまるっきり外してきた揚げ句、側女の言うことも聞かず「死にたくない、生きてこの世の生き地獄を見ていきたい!」という激しい姫さまに心奪われる勘助さん。予想外の展開に弱いんか。
城を攻められれば辱めを受ける前に命を絶って当然という常識、でも戦国って違うよな?真田幸隆だって命さえあれば再起できるといって恥を忍んで他国に落ち延びてるし、何が何でも生き延びて何かを成すっていうのはありなんだよな。勘助だって平蔵だってそうして生き延びてきたんだよな?単にいろいろ状況によりけりなのか?
とは言え、あれだけ憎んでる武田の武将に「死にたくない」という姫さまが凄いのか。
それにしても勘助を語る会で勘助の素性とともにミツのことが語られてたのはここへの伏線だったか。由布姫が禰々から託された摩利支天の飾りが、勘助にミツのことを思いださせて、「生きたい」という由布姫を連れ帰ってしまうことになるとは、脚本相変わらず上手い。
そしてなかなか思い描いた筋書き通りにはならんもんだね、あんなにきっぱりと武田の血筋も入ってる寅王丸以外は殺すって言ってた勘助なのに、ああ、それなのに。
とにかく世の中の筋書きなんぞに振り回されず、自分の身の振り方は自分が決めたい、という現代っ子由布姫の余りの意志の強さに勘助ノックアウトの巻。連れ帰っちゃた姫さまをどうするのか?晴信たちにどう釈明するのか?以下次回!