そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ジブリの絵職人・男鹿和雄展

http://www.ntv.co.jp/oga/
 
うっかり行きそびれるところだった。慌てて今日行きました。
いや凄かった。いい物見たよ、素晴しかった!
混雑っぷりがすごくて、今日の午後でチケット10分、入場待ち70分かな。土日は2時間くらい並ぶらしい。来てる人もいろいろで、何となく、一背景職人の展覧会なのに・・・と思っちゃうんだけど、やっぱりジブリってことなのかな。会場内がうるさくて(笑)、デパートの展覧会ならともかく、美術館でこんなにみんな喋りまくりって・・・まあいいけど、そういう客層なんだよな。(どこに行っても延々と聞きたくもないジブリ語りとか、見たの見ないのを聞かされるはめにw)

一応の内容は、美術スタッフとして参加した侍ジャイアンツ幻魔大戦あたりからジブリ中心に。それと本の挿し絵関連。映像関係もあるけどそっちは見られなかったんで。
展示点数が多くて、かなりすっ飛ばして回ったけど(並んでゾロゾロなんて見ませんよ、適当なとこに入ってって見るよ>当然)それでも二時間強はかかった。人も多いから一苦労。*1
この人の持ち味としてはやっぱり街よりも自然物の方が断然いいと思うんで、「となりのトトロ」が一番秀逸でした。本当に素晴しい。
プロなんだから当然、絵が上手くて当たり前、描けて当たり前と思ってんだけど、それにしたってすごいよ、この人の生の背景画は。
オレは一応アニオタで絵も描くので、もちろん背景美術の書き方については知識としてあるんだけど、(普通の作品としての水彩画とはちょっと違うんだよね。「作業」でもあるから>背景画のレクチャーの展示コーナーもある)それでも、というか一応その辺判るからこの緻密さと全体のバランスの上手さ、巧さはスゴいと思った。色の表現や細かなとこが本当に上手いよ。なんていうか、描けるのは当然だけど、センスと技術の問題なのかなー。アーティストじゃなく、あくまでも「職人」って感じ。
基本、美術監督もやるってことは全ての背景を設定しなきゃいけないってことなんだけど、架空の風景や建物のデザインや細かいとこのディテール等の設計の拘りが、なんというか、素晴しい。(としかいいようがない)
美術ボードって普通はスタッフ間でのイメージを伝えるものなのに、背景と同じくらいのクオリティで描かれててビックリ。トトロの一部ともののけ辺りは、美術ボードと実際の背景を見比べられるように並べてあるんだけど、殆ど変わらないんだよね。あれ、たぶん一般の人はあまり気に留めて見てないと思うけど、本編用の背景と美術ボードは用途が違うから。(解説読むともののけ辺りは共用してる物もあるらしい)背景だと思って見てたら美術ボードだとか、ええーって感じ。
同じものを同じようなクオリティで何枚も描けるってのもすごいんだけどさ。職人だから当たり前といえばそうなのかも知れないけど、それにしたってそのクオリティが高すぎる。確かに並べてみると、背景の方がディテールが細かいんだよね。でも色味も構図もほぼ同じ。
まあオレは作品的に好きなのでトトロの仕事が一番好きなんだけど、同じく監督をやってる「思いでぽろぽろ」とか「ぽんぽこ」もよかった。トトロや千尋紅の豚なんかの描き込み系の背景とはコンセプトがちょっと違うから、ぱっと見印象は薄いけどね。
ハウル千尋は背景スタッフとしての参加だけど、オレ的に印象に強い背景のとこは、やっぱりこの人だった。
とにかくトトロは素晴しすぎるんだ。殆どもうアートの域に入ってた。信じられないクオリティ。あれだったら額に入れて部屋に飾っときたいくらいだもん。オレが思う部屋に飾っときたい絵って、ずっと見てても飽きない、何度見ても新しい発見があるってことなんだけど、そういう意味でアートなんだよね。オーラが出てるよ。
最近の挿し絵の仕事の展示も見たんだけど、イラストとしての「作品」なのに、どうしてか惹きつけられるのはトトロの背景の方だったりするんだよね。やっぱり何か違うのかも。
レジがものすごく混んでたんで図録も何もかも買わなかったんだけど、なんかね、印刷されると違うのヨ。もう断然、生の方がいい。迫力が違うもん。背景だからサイズこそ大きくないんだけど(殆どがA4〜A3程度)、密度がすごいんだよ。オイラこれでも一応有名どころの絵画っていろいろ見てるんだけど、(海外の美術館って日本と違ってケースに入ってないからホントに生で見られるんだけど)迫力って点ではそういう絵画にも全く見劣りしないと思ったよ?
ホント見といてよかった。明後日最終日ですが、並んでも見る価値はあるかも。うん、堪能した!素晴しかった!

この辺は記念撮影用のコーナーね。(サイズすごくデカイ)
  

男鹿和雄画集 (ジブリTHE ARTシリーズ)

男鹿和雄画集 (ジブリTHE ARTシリーズ)

男鹿和雄画集II (ジブリTHE ARTシリーズ)

男鹿和雄画集II (ジブリTHE ARTシリーズ)

ちょっと欲しかったけど、まあいつでもいいかと・・・というかやっぱり、印刷されると普通の背景に見えるんだよね。
1はインタビュー多め、2は展示もされてた背景の描き方が。

*1:美術館では万遍なく見てたらいくら時間あっても足りません。もちろん解説もすっ飛ばす。そんなん、あとで図録見りゃいいんだよ