そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

サンキュー・スモーキング

http://www.foxjapan.com/movies/thankyouforsmoking/

オレはこういう映画を借りてくるタイプではないですが、相方が借りてきてて面白そうだったんで見ました。
派手な映画じゃないけど、これは面白かったです。日本でいうなら周防監督とかがやりそうなネタで撮りそうな映画だという印象。
オレはタバコは吸わないし煙にも弱いんで周りの人間にも出来れば吸って欲しくないんですが、吸ってる友達はTPOに気をつけつつ吸わない人にも当たり前に気を使って吸う人ばかりなので、その辺は本人の自由ってことで吸いたければどうぞという仕方ないから容認派です。昨今の風潮関係なく、吸わない人間からしたら吸わせてやってるんだくらいの気持ちなのは吸わないので当たり前だと思ってくださいヨ。銘柄にもよるけど、ホントに煙と臭いに弱いんだ。家族も親族も誰も吸ってないしな。(自分とこも相方んとこも)
 
この映画って基本的にはアメリカ社会に対する皮肉なんだろうけど、それだけじゃないのは結局オチが「個人の自由」ってとこ。
主人公がタバコPR組織のロビイストなので、つまりはタバコを大いに吸いましょうという立場の人間。アンチ意見を弁舌だけでやり込める仕事なんですが(この理屈がまた可笑しいし、日常的にも参考になるよw)、これを"子供を殺した死刑囚の弁護と同じ"と自分の子供に言ったりする。どんな非道な犯罪を犯した人間でも弁護される権利はあるということなんだけど、まあそれはちょっと微妙に違う気もするけれどw しかも何が正しいかではなく、相手の間違いを指摘すれば勝ちって、子供にそんなこと教えていいのかと(笑)まあ主人公の仕事に対するモチベーションはそんなとこってことで、やり甲斐ってのは仕事の内容が多くの人々にとって善いか悪いかってことじゃないよな。「ローンのために働く」んだし。それもまた真理だし、正しい。
タバコ業界の話だけど、主人公のお友達は酒関係と銃関係で、最後に出てくるのが携帯電話の電磁波問題なので、そういうものが"必要悪"ってことでもない。悪いのはタバコでも、タバコを吸う人でもなく、結局は個人の自由の問題であるという結論は、それはそれでアメリカらしいよ。(訴訟と個人の自由の国の、って意味のね)だから良い悪いは親や他人が決めるのではなく、あくまでも自分で考えた上で本人が決めるものだということで、それが個人の自由ってことだと。
でもこの映画オチはそういうテーマ以上に、親が子供に対してどう教育してどう振る舞うべきか、何が正義なのかってことを教える映画でもあるってことでした。何が正しいとかいいながら、世の中お金で動くってことや社会の裏表を含めた大人の世界の事情をあからさまに見せすぎてますが(笑)正しいのはパパの態度ってことで。
タバコよりもニコチンパッチで命を落としそうになる主人公が(敵対する議員の差し金!)、喫煙者だったおかげでニコチンに免疫があり命を取り留めたことで、それを更なるタバコのPRに使おうとするとこや、死ななかったから被害者になったと憤慨する議員側の秘書のくだりが笑い事じゃないけど笑うよ。さらっとやるから重くないんだけど。