そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

馬車と王城

自分で買ってきた本じゃないけど面白かったんで。

ブラッドハーレーの馬車

ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS)

ブラッドハーレーの馬車 (Fx COMICS)

絵の傾向は似てると思うんだけど、高橋ツトムの漫画は読むのに沙村広明は読まない相方が職場で面白いと薦められて買ってきたよ。オレも「無限の住人」の作者ってことしか知らないのは、特にこういうタイプの漫画には興味ないからですが。面白いと思うけど特に好きじゃないよ。
だからこれを読んでも、少女たちの運命の凄惨さに何か思うと言うよりは、ただただこういう漫画に対して「上手いなあ」と思うだけ。ホントに上手いよな。こういうオムニバス風に持っていって、最後にああいうオチをつけるという構成が。構成も話も見せ方も何もかも。
あとがきでものすごくさらっと何てことないように、赤毛のアンがやりたかったはずなのにとか、もっとエロシーンを描くつもりだったのにとか、何がしたいのか判らなくなった・・・などといってるけど、こういう作家のそう言う言葉がどれだけ信用ならんかいう・・・いい意味でね。そんな訳ないだろうと(苦笑)
他の作品を読んでないからそもそもがこういう芸風なのかどうかも判らんのだけど、感情を排して淡々と話の流れだけを描くからまだマシなのかなぁ、そうじゃなかったら別のモノになるよな。というかこういう距離の取り方が、こういう物語には唯一正しい方法だよなーと思う。でなきゃさすがにオレも読めんよ。だから単に「上手い」という感想しか出てこないんだよね。オレはドラマやアニメみたいな集合芸術(エンタメ)も好きだけど、一人の作家の作品としては漫画というメディアが一番優れてると思うんで、そういう意味でこの作品みたいなものがほんの数百円で手に入るというのは素晴らしいことだと思いますよ。好きかどうかと言われると最初に言ったように別に好きな作品じゃないけど。
まあ詳しいストーリーは説明する気にならんのでアマのレビューでも何でも見てください。救いのない残酷な物が(作品としては救いはあるんだけど、少女たちに救いはない)大丈夫な人にしか薦められませんね。痛いって言うのも残酷て言うのとも違うんだよな。感情的なところがないから。ウチの相方はこういうのダメなはずなのに、うっかり買ってきちゃうから・・・まあオレはこの漫画、面白かったからいいんだけど。
 

アルカサル王城

アルカサルー王城 第13巻 (プリンセスコミックス)

アルカサルー王城 第13巻 (プリンセスコミックス)

やっと完結。もうそれまでの展開忘れてます(笑)もともとオレはエロイカとかイブとかコメディ寄りの方が好きなので、中断の理由とかその他もろもろ細かい事情はよく判らんよ。漫画は漫画が面白ければいいのです。ただウチの相方はこれが好きでスペインのセビリアまで・・・w
13年間あいてたといってもエロイカ再開の時ほど絵に違和感がないのはやっぱり今の絵に慣れちゃったからかなぁ(笑)
前後編200ページ一挙掲載といういろんな意味でボリューム満載で、読むのにホント時間かかった。途中で歴史書を読んでる気分になってきたよ。これを漫画で描くということ自体がすごい。だって判りやすいんだもん。これ小説で書かれたらたぶん殆ど理解できんだろなー。
これもやっぱり描くべきことの分量が多すぎて登場キャラの述懐でまとめてるのは苦肉の策らしいけど、上手いなぁ。しかも前編の最後でドン・ペドロが死んじゃったという報告だけがあってどうするのかと思ったら、最後でああいうふうにまとめてきて、成程〜と。
全体にはこの判りにくい時代の判りにくい権力争いを判りやすく魅力的に描いてるというところがさすが青池先生!って感じです。だってよく考えたらドン・ペドロって結構酷い人なんだけど、カッコいいんだもん。こういうバランス感覚ってやっぱりスゴイですねー。