そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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ライラの冒険 黄金の羅針盤

http://lyra.gyao.jp/
監督・脚本:クリス・ワイツ 原作:フィリップ・プルマン

 
うーん、画面的には素晴らしかったけど、話は非常に退屈でした。途中から飽きちゃってさー。
この世界とちょっとだけ違う世界、ダイモンという存在があるせいでか、魔法とかスピリチュアルなことが日常にあって、そのせいで科学体系がちょっとだけ違う方向に進化した世界‥‥ってのはここ20年くらいのファンタジー小説やマンガでは非常によくある設定ですが、オレは好きな世界観なので単純にこのビジュアルは楽しかったです。VFXもキレイだったし。
でも話‥‥というか、この映画の脚本はさっぱり判りませんでした。原作はもうちょっと違うんだろか?
全体的にはまあいろいろ似た物はあるけど、「ハウル」っぽいなあと言っとこうかなー。メタでなく、現実世界と違う世界が舞台で、でも現実の世界も存在してて行き来が出来る‥‥っていうとこもそうかも。(ハウルは映画ではそういう描写はないけど、原作にはある)
とにかくその場その場で何が起こってるかは判るし、すごく安手のRPGのイベントが起こる感じで話が展開していくのは、それはそれでいいよ。でもそれぞれの話がものすごく「簡単」なのが詰まらないんだ。
この世界が「教権」によって支配されてて、ライラたちの「学園」は教権が隠そうとしている「ダスト」を調べようとしてるから対立しつつある、ってのが話のメインだってのも判る。それになんだか判らないけど「ゴブラー」っていう組織が絡んでて、子供をさらってダイモンの切り離し実験をしてるってのも判る。
‥‥なんだけど、ライラが特別だってことやどうしてゴブラーのボスであるコールター夫人のところに連れていかれるのかとか、子供をさらってダイモンを切り離すことの意味とか(どうして大人はダストに汚染されてるのに、子供はピュアなままでいなければいけないと考えるのか。そもそもダストは秘密なのに)、大体「教権」の説明が何もないし、なんかいろんなことがよく判らないまま話が進んでて、イベントだけは何のカタルシスもないまま起こる‥‥って展開に退屈しちゃってさー。ホントしょーもないRPGゲームみたいだよ。
一応体裁として、ライラがさらわれた子供たちを助けにいくって話なのは判ってるけどさ。でもライラは子供たちがさらわれたから助けに行かなきゃ!で行動してるわけじゃないんだよな。コールター夫人から逃げたところを、子供を助けに行こうとしてたジプシャンに助けられた‥‥から行動を共にしてるんだよな。
たぶんここ10年くらいの出版だろうと思ったら案の定だし(苦笑)もうTVゲームに汚染され過ぎ。
まあそんなことも家に帰って相方と話して何とか辻褄は合ってる気がする‥‥って思っただけなんで。(しかも相方はそこそこ面白かったらしい)
あと細かいけど脚本として意味が解んないのが、ライラとヨロイグマが敵の秘密基地に行くときに、氷の橋が二人じゃ渡れないからライラだけ先に行かせたくせに、渡りきって橋が崩れて落ちたらクマがみんなを呼んでくるから待ってろって言うとこ。じゃあライラだけ渡らせんなよ‥‥なんか脚本変だよ?ヘタ?
その後も秘密基地に、貿易商のお父さんとの旅の途中ではぐれたって言ったら簡単に入れたり、その場その場過ぎて全然話に乗れないよ。ヨロイグマの国で戦うくだりも、どうしてそんなことになるのかさっぱり。
あ、あと判んないのが子供のダイモンは形が定まってなくてって言ってたけど、常に変化してるのはライラのダイモンくらいで他の子のダイモンは特に変化してなかったよなあ?ライラのダイモンが特殊って言い方じゃなかったと思ったけど‥‥何でだ?
まああんまり揚げ足とっても仕方ないのでこの辺で。オレはどちらかというと話ならまだハリポタの方がマシだと思うかなあ。画面と世界観的には断然ライラの方が好きなんだけど。でも次のを見るかどうかというと、ちと微妙。
あー、ニコール・キッドマンはすごく美しかったです。素晴らしい。ライラの子も顔が可愛いわけじゃないけど、なんか良かった。わりと好きかな、こういうタイプ。