そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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藤子・F・不二雄のパラレル・スペース#2

http://www.wowow.co.jp/drama/fujikof/
「あいつのタイムマシン」 監督:三木孝浩・脚本:大歳倫弘、上田誠ヨーロッパ企画)主演:田畑智子ミムラ
やっぱり普通に考えてこういうのが正しい「ドラマ化」だよな。面白かったー。
これの原作はウチになかったんで確認してないけどうっすら昔読んだ記憶はあるような‥‥原作は男友達同士だよね。藤子でこういう話が女二人が主人公ってことはないからってのもあるけど、男から女に変えるだけで、何となく今的な話になって、なおかつ「男の夢の実現」というよりもなんか「負け組女の呟き」的な切ない話になってるのも今風といえば今風。この辺の脚色は上手いなぁ。画面も最近よく見る感じの若手監督の邦画テイスト。新しくもないけど画面的にスッキリ抜け感があるってだけで見やすいし、ちょっとした映画を見てる気分。
話の方は「ニワトリが先かタマゴが先か」の親殺しのパラドックスを上手く取り入れて、堂々めぐりでしかない理論を逆手に取るという突飛な発想のタイムマシンもの。
ハルカいわく、「その堂々めぐりの中に入るのよ!」「今から未来の私がタイムマシンの作り方を教えに来てくれるの!」
今のハルカに未来のハルカがタイムマシンの作り方を教えに来るのいはいいけど、その未来のハルカは作り方を知らない過去のハルカの未来なはず、でも過去のハルカに未来のハルカが作り方を教えにくるんだから未来のハルカも作り方を知ってるに決まってる‥‥
よく考えなくてもおかしいんだけど、もうちょっと冷静に理論だけ考えてみると、ニワトリとタマゴのパラドックスを考えるとき、頭の中にはニワトリもタマゴも"存在してる"んだから、量子物理学的に言えば確かにありなのかも知れないと思ってしまった。それに気がつく藤子・F先生おそるべし。
ということでタイムマシンを作った"らしい"ハルカがしたことはと言えば‥‥がオチ。
研究室の先輩と結婚してたはずの雑誌編集者ひろ子は、自分が結婚してたという記憶すらなくペットの亀と一人暮らし、先輩と結婚したハルカを羨ましがる‥‥って、可哀想なほどブラックなんだけど。切ないどころじゃないよな、自分の運命が変えられたことすら判らないんだから。
思いは未来を変えられるっていうけどさ、過去すらも変えるのが女の一念といえばそれはそれで。確かにこれで男同士が主人公だと暑苦しいかも。女同士が主人公だと別の意味でコワイけど(苦笑)