そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

GSワンダーランド

http://www.gs-w.jp/

池袋シネリーブルで開始前舞台挨拶付きの回。
いやまあダッサイ話ですが、少々寝坊したので焦って出かけたんですが、今日は新宿駅が工事のため中央線も総武線も特別ダイヤで混乱してて(オレも混乱した)普通なら間に合うところが遅れてしまって、今まででたぶん一番ヒロたんに近いポジションで見られるはずの座席を棒に振ってしまいました。ばかーオレー!..._| ̄|○ |||
さすがに場所が場所だけに開始後に席に入るわけにもいかず、後ろで立ち見ましたよ。まあ何話したか聞ければOKなんですけどね。ダッセー、というかそのテンションの低さがどうよ。
ヒロたんはちょっとおとなしめな気がしたよ。共演者たちはみんな仲良さそうで、素な感じでいちいち突っ込み入れあったりしてたです。まあやっぱりメインは栗山千秋なんだけどさ。ヒロたんもソツなくこなしてた気がする。
そいや帰り間際、ヒロたんだけタイツメンのポーズ?(胸に手をやるヤツ)やってたけど、他の人はやってなかった。ヒロたんだけか!(笑)
それにしてもあの小規模なとこがなかなか埋まらなかったのかーと思うとヒロたん効果はあまりなかったのかな?でも結構若くない人は多かったです。男の人(つかおじさん)もいたし。
ってことで映画です。舞台挨拶に最適な座席は映画をみるにはかなり苦しかったです(^_^;)
 
思ったよりは面白かったけど、あえて点数付けるなら60点かなあ。キャストの分もう10点くらい上乗せして、ね。もちろん若いキャストでなく岸部一徳とか大杉漣とかもろもろ大人キャスト連れて来た分ね。(でもパンフで彼らにコメントをもらってないのはどうなのか?)
セリフの掛け合いとかギャグっぽい部分で笑わせてるのはテンポもあって面白かった。キャストもみんなハマってるしね。
良かったのは杉本哲太武田真治の二人、岸部一徳、あと栗山千秋‥‥って言っちゃうと話終っちゃうんだけどさ。武田真治は何やらせても(というかああいう役だと特に)最高だよね!そこで哲太とのやりとりが妙にしみじみしてて良かったりするし。栗山千秋は家出してきましたって出てきたときからもう超カッコいいって感じ!60年代サイケでレトロなドールライクな格好させるために存在する女優さんだよな。スンバらしいです。雰囲気もよく判ってるからホントハマりすぎなくらい。
タイツメンの人たちはあの浮きっぷりというかそれひっくるめてわけも判らず流されてなんかやらされてるって感じが出てたんでよし。なんか一番馴染んでたのは浅利くんな気がする。ヒロたんも悪くはなかったな。思ったより良かったというべきか。やっぱスタイルいいし細いからあの頃のモッズファッション?ああいうの似合うよ。頭マッシュルームでなければ今でも大丈夫じゃね?(笑)ヒロたんはイヤだろうけどさw タイツメンの衣装はカワイクていいと思うけどなー(笑)まあハズカシイのは確かだけど。(劇中的にも)
そうそう、高岡くんが歌上手すぎです。デビューすればいいのに(笑)ヒロたんは‥‥ちょっと音痴だということが判りました(苦笑)ま、まあ突っ込むところじゃないよね、きっと。
 
でまあ、思ったよりは面白かったけど、前半までね。後半はグダグダ。と言うかこの手の邦画でいつも言ってるんだけど、脚本を監督にやらせるのはやめた方がいいと思うよ。理由もいつも言ってる通り、監督だけが判ってても観客には伝わらないから。
何がかというと、まずその当時の状況を描いてないから若い人には何となくしか伝わらない。そんなGSブームの渦中でロックバンドをやりたかったはずなのに、GSで意にそぐわないデビューをしてしかも人気が出ちゃって、何がやりたかったかを見失っている彼らの何を描きたかったのか?彼らの状況を通して何を訴えたかったのかが判らないような脚本だから。
話が彼らのことしか追っ掛けてないから、その外側から見た、世間のブームがどういう状況で、GSは終ったのかヒッピーなのか、レコード会社的な彼らの価値がどう盛り上がってどう落ちていったのか、ミクが女だとバレそうになったところで世間的にはどうなって、何で解散コンサートもやらないで空中分解的に解散してしまったのか、日劇はどうなったのか等々、それらによって彼らがどう翻弄されたのかが全く判んないんだよ。判らないから彼らの考えも見えないんだよな。売れればいいだったのか、それだと何がやりたいのか判らないからイヤだったのか、その時々での彼らの思いはちゃんと見せてないよね。青春映画としてはそこは外しちゃダメでしょ。
結局タイツメンが終ったあと彼らはどうしたのか、終ることにも葛藤がなかったし、ミクがソロデビューして終わりですって、それはどうかなぁ。と言うか唐突に解散コンサートをやるのも流れとしてよく判らなかった。
オチがフレッシュフォーってのも、そういう世間のブームの移ろいやすさとか終焉をちゃんと見せてないからオチになってないんだよね。つかあれってクールファイブだよね?オチにしちゃっていいのか?劇中的にはオチ扱いだけど、当時の空気としてGSのカウンターじゃないよねえ?
説明はしてないけど何となく判る程度には描いてるかなってのは、あの追っ掛けの子たち(マナカナ)がアイドルに見向きもしなくなった‥‥ってだけなのは弱すぎるよ。単に「自分だけの王子様」を見つけたから「アイドル」を必要としなくなっただけって風にも取れるし。むしろミクがデビューしてどうなったとか、ナックルズの評価とかこそきちんと押さえて欲しいところ。
そういう部分の描写のなさ、演出する監督自身が判ってるから脚本に描かなかったところは、本来映画として必要な部分なんだけど、どうしてもこの手の邦画の監督ってそういうところ判ってないんだよな。だからダメなんだよ。そういう部分で脚本も練れてないから無駄なところが多いし。気持ちも意気込みも判るし雰囲気は伝わってくる(美術関係のおぜん立てが本気くさいのはすごくいい)んだけど、肝心の部分がグダグダだなあってことなんだよ。
 
(ここ、ちょこっと追記)監督の意気込みは判るんだけど特に青春映画ってさー、この映画みたいに「GSの映画を作りました」って言ってるだけじゃダメで、「思いもかけずGSバンドとしてデビューしてしまった彼らの悩みや葛藤とその状況」が"どう面白いのか?"と言うことが大事だと思うんだよ。そこを描いてないんだもん。(というか宣伝ではハッタリでもいいからそういうアピールをするべきだと思うんだけどな)それを描くためには彼らだけを追いかけたってダメだよね、周りの状況と対比して見せないとさ。そういうところでやりたいことの意気込みがどうもイマイチ伝わらないってことなのよ。もっと上手い見せ方はあるはず。それが出来てるのが基本設定はほぼ同じの「デトロイト・メタル・シティ」なんだけどね。 *1
まあもう一回見たら意外と面白いと思うかも知れないけど、見終わってもう一回見たいって気にはならないのがちょっと残念。(>ヒロたんが出てる映画がこうなのが残念ってことね。映画自体はキャスト以外はっきり言ってどうでもいい)
 
あとこれって別にGSブームがどうとかって言うことじゃなくて、梶井や佐々木が言ってることって、今でも同じだと思うんだよね。そこはやっぱりオレは押さえるべきだと思うんだけど、そういうところに目がいかない監督ってのはどうかなぁと思うよ。2008年の今、過去にブームだったものを取り上げるってことの意味ね。モー娘。だって小室だって、いつの時代もブームは勝手に盛り上がっては終り、当事者たちは翻弄されてってのは同じなんだから。たぶん杉本哲太とかはそのつもりでやってたと思うんだけど。(それは伝わった)
でもまあこれだったらDVDは買ってもいいやってくらいには面白かったんで、なんとか。

 
そういや試写会の記事とか、教えてもらったりチェックしてたヤツを張っとこうと思ってたのに忘れてました。

そういやこの映画の撮影って、去年の秋だったんだよねえ。何で公開までこんなに時間かかったんだろ?

*1:ここまで突っ込むこともないかなとも思うけど、例えば「DMC」なら松ケンの名前出さなくても(と言うか一般全世代への知名度ってまだそこまでないと思う)「ポップでオシャレな音楽がやりたくて上京した若者がなぜかデスメタルのカリスマになってる」って聞いたら興味わかないか?もちろん原作の知名度もあるけどさ。キャストアピールが重要だってのは例えば「ハンサムスーツ」で「塚地がハンサムスーツというものを着て谷原になる話」だけでOKでしょ。谷原が「レッツハンサム!」って言ってるビジュアルだけでもちょっと気になるかも?そういうことなんだよね。