そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

252 -生存者あり-

http://wwws.warnerbros.co.jp/252/

満を持して見にいったわけですが、なんつーか‥‥
オレの感想も含めて、期待して見に行く人は見ない方がいいので隠します。(このテンションでバレとるけど、そんなもんじゃないです)
客観的な事実が二つ、隣のカップルは結構泣いてた。たまたま一緒に見に行った妹は「お前がそこまで言うほどじゃないだろ!」と言った。主観的な感想として、違うタイプの話だとしてもこないだのSPドラマ(episode.ZERO)の方が面白かったと思う。
 
ひとことで言って、期待してたのも含めてオレ的クソ映画。何か凄いものを見られると思ってる人は見に行かなくていいです。もう一回大きな文字で言っとくよ、この映画は見なくていいです。TVでやってても見なくていいです
看板に偽りありかと言われたらそういうわけでもないような気がするけど、こういう映画だと知ってたら全然見なかったよってくらい、オレ的には貶す気持ちも起こらないくらいの映画でしたよ。ただひたすら退屈。
ハリウッド方式のストーリー構成って、やっぱり計算されてて凄いんだなあと改めて実感。この映画のスタッフは何がやりたかったのかなあ?親子の愛情の物語ならそれでもいいんだけど、(つか明らかにそれがメインだけど、無理やり感ありすぎ!)それでも128分もあればもうちょっとマシなこと出来ると思うよ?監督も脚本の人も一度「バックドラフト」(というよりは「タワーリング・インフェルノ」かな)と「ディープインパクト」と「デイ・アフター・トゥモロー」を見てみちゃどうだろうか?見たことないでしょ?
確かに「ディープ〜」も「デイ・アフター〜」も「え?、それだけ」って部分はあるけど(オレはストーリーに関しては少なくともそう思った)、デザスタームービーとしてちゃんともう一つのテーマである「家族の絆と愛情」を描くための舞台装置としての裏付けはしてると思うの。そういう未曾有(みぞゆうではない)の危機の中で家族が一つになることの素晴らしさとそのための試練が描かれるから。(といいつつ両方とももう話はうろ覚えなんですが、別にそういう大作デザスター映画ならなんでもってことで)
つことでこの「252-生存者あり-」なんですが、とにかく説明なさすぎ。
伊藤くんの篠原弟がレスキューをやめた理由はおいおいエピソードとして説明されるとしても、内野聖陽と兄弟だってこと最初に説明くらいしてくれてもいいんじゃないか?みんなこの映画見るの初めてなんだよ?キャラも多少は説明して欲しいですよ。なんでレスキュー辞めて(どれくらい前に辞めたの?)自動車ディーラーに勤めてんのかとかさ。
デザスター映画って、セオリーとして最初に登場人物の日常を描くところから始まって、その変わらない日常が突然災害で失われてパニックになって、そこからどうするかっていう話なわけ。それと平行してもう一方の主役である一部の専門家たちがその危機に気付いて状況を(観客に)説明、その災害が起こったらどうなるのか?と言うシミュレーションをして見せることで、そのあとのパニックの大きさが実感出来るし、一部の人たちしか映ってなくても見てる観客はそれ以外の各地のパニックなども想像出来るようになってるわけですよ、映画の構造として。その上で一家族の話としてそこに感情移入するように映画は展開してるわけだから。
この映画が最初、冒頭ですでに閉じこめられてる篠原弟@伊藤くんたちから始まってるのはまあいいよ。でもそのあと、2日前に戻って"すでに地震が起きた"という状況での調査チームや巨大台風を予測した海野@香椎たち気象庁の人間を映しておきながら、この人たち何の対策もしないんだもん。観客に何の説明もないまま、銀座に雹が降ってくるんだもん。いきなり高潮で新橋が壊滅するんだもん。銀座や新橋が水浸しになるくらいならお台場も品川も横浜も壊滅してんでしょー。あちこち大変なはずよ?ちなみに新橋より海側の汐留にある日テレ本社ビルはどうして平気なんだ?フジテレビは壊滅してるのに。(あそこにいた芸能人ってどうなったのさ!)
も一つ言うと、東京の人間には新橋や銀座がどういうところかある程度判ってるけど、地方の人間には判んないよね?地図さえ出ないんだもんなー。なんて不親切。せめて救助隊が地図広げて、被害状況の説明くらいしてもいいんじゃないか?カメラは篠原家族しか追ってないし、何が起こってんのか見てる方も判りませんよ。それとも「何か災害が起ってるらしい」って描写だけでみなさんOKなんでしょうか?そういうライト頭層にしか向けてないの?冒頭の水没シーンはこれでもかってくらいに力入ってるけど、状況が分からないまま同じ描写ばかりで飽きます。
とにかく舞台が新橋の地下なんだけど(日テレがあるから?)、むしろ銀座の地下街の方が大きいんだからとんでもなくなってるんじゃないかなあ?新橋に地下なんてあったっけ?とか思っちゃうよ?大体地下降りたらホームって、それ変でしょーが。まず地下通路でしょ。そういう部分はまず最初に観客に説明しなくてどうすんだって思うんだけどさー。ホント時々思うんだけど、邦画って東京に住んでる人間の視点でしか作ってないよね。
それに最初の雹から地下で高潮の鉄砲水で流されててもどういうパニックなのか全く判らないし、そもそもどうして地下鉄通路から鉄砲水なのか判らんでしょーよ。それで言ったら高潮もよく判らんのだけど。地震なの、台風なの?オレ台風だと思ってたけど、違うの?冒頭の海底の温度上昇ってそもそも何に影響したの?メタンハイドレートの説明もないんだけど。オレ細かいこと言いすぎ?(たぶん、地震で海底の地割れからメタンガスが出てきて海水温が上昇して、その気温差で高潮と巨大台風発生‥‥なんだと思うけど、劇中で誰か説明して下さいよ。学者呼んでよ)
そして生存者少なすぎ。というか他の生存者の描写も殆どないし。地上はどうなってるのさ。途中で被害状況は出すべきだと思うよ。死傷者じゃなくて、今の状況をさー。劇中で起ってるのは地震じゃないんだよね?台風なんだよね?地下の崩落シーンが多いからよく判らんよ。
もうこの冒頭の方でオレちゃん、見る気かなり無くしたんだけどさ。
以下あり得ない描写の数々。ネタバレとかもうそういう問題でもない。
 
太平洋沿岸から日本海沿岸を覆うよな巨大台風の発生が分かるのが何と二日前。しかも巨大で上陸するって判ってるのに一般に情報公開しないまま。被害状況のシュミレーションしたんなら見せてくれよ。そもそも中心気圧790hPaなんぼの台風が気象衛星に写らないわけないだろー。お天気お姉さんだって気がつくぜ。
どうもすでに地震が起ったあと(被害状況分からず)で、劇中で起ってるのはあくまで台風の直接被害と二次被害らしいけど、全く判りません。(どうも地震が起ったから地盤が緩んでる?新橋だけ?)何の予兆もないまま、銀座に雹が降るの。見てる方のドキドキ感も何もあったもんじゃねー。巨大台風と巨大雹の因果関係は説明すべき。そのあと現実に雹がふってきたってのを見せるべき。
新橋で未曾有の大被害が起きてるのに、汐留にある日テレは通常営業。あのパニックの中電車動いてるし。つかホテルもそうだけどなんで電気来てるの?(銀座付近は電線は地中化してるから余計に)どっちにしても電気が来てるのが納得いかない。緊急避難所兼レスキュー対策本部のホテルのロビーにずっとデカい生け花があるのが納得いかない。メイドがウロウロしてるのが目障り。なんでホテルのちゃんとした制服じゃないんだ?どういうホテルだ?
最初の雹で地下に逃れた人間たち、なんで目の前のデパートの中に入らないでわざわざ狭い地下に入るのか、意味不明。それなら最初から主人公は地下街にいたでいいじゃん。他のモブの人の描写として建物に入る描写は必要だろー。
巨大台風が来てるのに気象庁を離れてホテルにいる海野@香椎、ノートパソコンで状況を把握とか、暴風雨の中飛び出してく篠原兄@内野と篠原弟の奥さん@桜井幸子、危険だから外に出すなよ。更にその様子を見に来る"ストールを羽織った"海野@香椎‥‥(暴風雨だっていう危機感なさすぎ!)彼らが外に出るたび看板とか倒木が飛んでくるんじゃないかと思ってヒヤヒヤした!
雹は局地的なものだとしてもあの辺のビル群、かなり壊滅してんじゃないのか?それより新橋のことしかやってないけど巨大台風上陸の被害って、日本全国で相当な被害な気がするよ?あそこだけにレスキュー固まってていいんですか?(もうすでに突っ込むところではない‥‥)
いやまだまだ突っ込みたいところはいっぱいあるんですがキリがないので。最終的にはハイパーレスキューは家族優先ってことで。他の場所にも生存者いるかも知れないじゃん!
とにかく篠原弟家族のDQNぶりに納得いかんというよりムカついたし、飛ばしたくなった。リモコンください。
篠原弟の不死身っぷりはともかく、五体満足な奥さん@桜井が聾唖の娘とはぐれたからってパニックになって隊員たちにつかみかかったり、救急隊員の制止も聞かないで飛び出すとか、意味もなくホテル内うろついてるとか、関係者のところになぜかいるとか(弟発見以前から)、なんでみんなが奥さんを特別扱いなのか分からない。五体満足ならちったあ手伝えよ。瀕死の人たちが運び込まれてんでしょ?
地下に閉じこめられたのは篠原弟@伊藤、研修医@山田様、大坂商人キム兄、韓国人ホステス@MINJI、弟の聾唖の娘なんだけど(つか少なすぎ、せめて10人は‥‥)、何やってるかというと、この人たち、外がどんな状況なのか("巨大台風で"壊滅状態になってること)を全く知らずに助けを求めるために「2・5・2」コールをしてるだけ。普通そういう情報って入るようにしない?追加の被害者とか、ラジオとかさー。だから中の人間は緊迫感ないんだよね。レスキューがホテルで待機なのはともかくさー。そういややたら携帯見てたけど、水没したら使えないのは常識でしょ。(早く普通の携帯も防水にして下さい)
そしてなんと怪我をした韓国人ホステスを助けるために研修医の血を輸血させるんだよ?しかもボールペンと水槽ポンプで作った急造輸血装置で。おいおい、研修医が体調悪くしたらどうすんだ?そして崩れそうな小屋から避難したのにパパに貰ったプレゼントを取りに行こうとして聾唖の娘、その下敷き。(自業自得‥‥)ずっと開けないで持ってたプレゼントの箱を(どういう状態か判らないけど潰された廃屋の下で)開けて入ってたのはガラスのプリズム。なぜかそれで娘も「2・5・2」コール。その子を助けようとしてて「18分間の救出活動」の爆破に間に合わなくなりそうに。おいおいおい、「危機的状態」のシチュエーションの作り方が根本的に間違ってますよ!
台風の目に入る18分間だけが救出のチャンスといいながら、悠長に親子の再会とかやってるし!危険な現場に一般人いれんなよ。救助された人はさっさと病院に搬送されて下さい。もう止めろよ誰か。(この映画を)
兄と弟は18分しかないと言いながら、崩落の危険がある穴の中で悠長に思い出話しながら怪我の手当て。救出してからにして下さい、上でヘリ待ってるんですけど。一番肝心なところで緊迫感全くなし。海野@香椎、お前まで現場に出てきてどうする、せめて台風の動きをモニターしてろよ。当然いきなり穴が崩落、3人生き埋め。兄は助かるが弟と隊員@山本太郎今度こそ生き埋め。と思ったら聾唖の娘が呼びかけたら地の底からハイパー篠原弟パパ復活!まさかそんな!ありえねー!(大笑)真面目な映画じゃなかったのか?というか台風の目から抜けたあとの吹き戻しどうしたんだー!?これ、台風が去ったあと‥‥ってことだよね?
重ねて言いますが、隣のカップルはそこら辺(娘と母親の再会、弟=パパ復活)で泣いてましたが、オレはもう爆笑!いきなリテンションMAX!だって、だって、伊藤くんが瀕死の山本太郎を担ぎ上げて地面からガバアッて現れ出てくるんだよ、スローモーションで!(爆笑)さすが海猿の男!(見てないけど)日本でスーパーマンをやるときはクラーク・ケントはぜひ伊藤くんに!こともあろうか、そのシーンで映画終了。ポカーンゲラゲラ!これ、笑いどころだよね?

キャストはみんな素晴らしく熱演してた!テンション高かったから、そこは見るべきところではあったよ。内野も伊藤もカッコよかったし、山田様はふてぶてしくてよかったです。松田悟志も見せ場あったし松田賢二も妙に目立ってた(笑)でもはっきり言って香椎は役に立ってないお飾りだし、温水とキム兄はいりません。なんでこんなキャスティングするんだ?ふざけてんのか?
本気なのか真面目なのか、どうもよく分からない映画でした。貶す気もないとか言いながら結構書いちゃったよ。時間の無駄ー。
そういやこの水田伸生監督の「舞妓Haaaan!!!」(http://d.hatena.ne.jp/korohiti/20070711/p3)もダメだったっけ。花田少年も‥‥見たはずだけど感想書いてないからオレ的にダメだったんだな、たぶん。どうもこの監督とは作劇的な趣味と方向性が全く合わないようです。以上。