そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

スラムドッグ$ミリオネア

http://slumdog.gyao.jp/

文句なしに、大変面白かったです。
絶賛する声が多いのは、たぶん今この世相にちょうどハマってるけどその悲惨さをメインにしてるわけでなく、スラム出身の学があるわけではない、単に「答えを知っていた」青年が「運命によって」ミリオネアになり、初恋の彼女と再会するラブストーリーだから、かなぁ。
予告で殆どネタバレしてるようなもんだけど、それを実際ああいう形で見せられると確かに彼が勝つのは運命としか言いようないなあ‥‥という説得力は何となくある‥‥かな。
アカデミー賞取るほどいい映画かと言えばそこまではって感じなんだけど、アカデミーってそういう物でもないし(^_^;)まあちょうどよかったってことなんでしょうね。いや映画は面白いです。マジに。
エンドテロップが流れるまで監督がダニー・ボイルだってことも忘れてたけど、この監督って「トレインスポッティング」にしても「ザ・ビーチ」にしても、いつだってその時の世相を映した映画作ってたじゃん。 *1 そのネタが今回は「クイズ$ミリオネア」をネタにした判りやすいアメリカンドリーム(インドでもアメリカン〜なのかな?)で、「いい話」で、貧困や宗教や犯罪なんかの「社会問題」を考えるに十分な物で、でもだからといって社会派ってわけじゃない、そういう境遇の悲惨さを楽しく見られるような映画だったからってことだと思うよ。
そういや脚本は「フルモンティ」のサイモン・ビューフォイだっていうから、そりゃ面白くないわけないよなって話で。
なんか冷静に突っ込んでるけど、面白くなかったわけじゃないですから。すごく面白かったんですが、単にオレの好みとしてレックリみたいにテンション上がって絶賛するような傾向の映画じゃないってだけで、ダニー・ボイルの映画も、フルモンティも、面白いと思ってるし、好きです。
ひと昔前にインドに行って自分探しをするってのが流行ってたけど(今もか)、それと同じくらい、この映画が描いてるインドの状況が見る人にとってカルチャーショックなんだろうなあ。監督がそういう状況をリアルに描いてるからなんかそういうことを考えなきゃいけない気になるし、反面、青年のラブストーリーと億万長者になることのファンタジーがバランスとれてるというか。
一応ジャマールの恋が実ることの代償は、彼はまだ気がついてないけど支払われてるわけだし、クイズに正解して億万長者になったこと自体は今までのつらい経験の代償だからねぇ。まあ彼女と再会して億万長者になったところで終ってるけど、ハッピーエンドで終ったわけじゃないと思うんだよね。彼はミリオネアになっても司会者に転身することが出来るくらい学があるわけじゃないし、有名人になっても彼女といる限り状況としてヤバいことには変わらないし。
まあその辺ひっくるめて最後はインド映画的な締めってのも、すごくらしいような気がする。なんかそういうことどうでもよくなると言うか(笑)
それにしたって驚くのは、主人公のジャマールがどこへ行っても何をやってもそれなりにこなしてるんだけど、そういう適応力の高さと頭の良さはあるわけで、まあそれでミリオネアになったのは運命だって言われたら、そうですねとしか‥‥(笑)話の構成としては秀逸で、最初こそちょっと判りにくいかなと思ったけど、全然許容範囲内かな。
音楽も演出も話もいいし、気楽に見ていい映画だと思いますよ。小難しいこと考えたい人は考えればよろし。
いいけどこのクイズの質問はインド人的にそんなにも難しいのか?知的階級の人が誰も正解出来なかったって、嘘だろよ(^_^;)インド人は世界一の頭脳じゃないのかよw
それにしてもインドへは絶対に行かねーと思った。あんな、ちょっと油断したら身ぐるみはがされそうなとこは絶対ヤですよw

*1:世間では不評らしい「ザ・ビーチ」が結構好きなんですが‥‥最後のオチ、主人公(ディカプリオ)の心無さに爆笑しましたよ。(家で見てたから)スゲー話だと思うよ?w