そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

GOEMON

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佐藤健があまりにも大沢たかおに似すぎです(笑)でもって小平太役の深澤嵐くん、最近すごくどっかで見たはずなのに思い出せねー‥‥って思ってたんだけど、何のこたーない、ディケイドのキバ世界のワタルくんじゃん!何で気がつかなかったんだオレ。これで変身ヒーローが4人いるってことになりますよw
映画自体も大変カッコよかったんだけど相当好みの問題なので、まあなんというか江口洋介カッコイー!って映画でいいんじゃないかなぁ(笑)
映像関連は「CASSHERN」のほうがもうちょっと色味として統一感があったような。今回はざらついた画面といい色味といい相当微妙。好き嫌い激しそう。嫌いじゃないしカッコいいとは思うけど、今一つ好みではないかなあ。色味がキタナイのが一番もったいないかな。せっかくのキワモノなセットやケレン味だらけの映像なのに、ちょっといじりすぎ。いじっててもキレイじゃないのが見ててちょいツライんだ。しかもすごくキレイなところとキレイじゃないところが中途半端に混じってて疲れるんだ。全体的にあのキワモノ感とか衣装とかセットはすごく好みなのになぁ。
画面の雰囲気をはじめCGの動きがあんななのはそれこそもう完全に好みの問題ってことで。
あれってたぶん確信犯というか、紀里谷監督がああいうタイミングが好きってことなんだよね。だからいいとか悪いとかじゃなくて、なんていうか、ルーカスのCGが好きかどうかってくらいの好みの問題?(オレは大嫌い)
ひと昔前のCGアニメにセンスのない監督がよくやりがちだった軽い動きのCGじゃなく、ちゃんと重さを感じるようなタイミングははかってるのに、アニメでいうと中割が均等割というかわざとタメのない動きにしてあって、無機物的な動きっていうか動き自体に加速度とか重力は感じさせないで、ポイントポイントでちょっとだけ重さの描写としてのリアクションは入れるって感じかなぁ。そういう手法の結果がセンスいいとは思えないから、カッコよくないのは判っててやってみたかったのかしらん?もしくはアクションの早さと手数の多さのアイデアは動きとして面白いから、それを見せたいゆえの、あえて単調な動きなのかもね。要するに動きのタイミングとして違和感を感じても、動き自体を見せるのが優先というかカンフーアクション的な手数の多さだったりするのは面白かったけどね。
 
それよりも話がイマイチよく判らんというか、才蔵の釜ゆでまではちゃんと判ってたんだけど、それ以降「???」なんですよ。
そもそも秀吉対他キャラ、三成は日和見‥‥っていう人間関係がイマイチ判りにくいというか説明されてないよね。家康があの中では信長寄りだってことが判らないから、全体に信用していいのかどうかってのもあるし、五右衛門が忍びを辞めて気ままに暮らしてることの理由、パンドラの箱になぞらえた「希望がなかったから」にしても、それがあの生き方と繋がらないんだよ。信長が暗殺されたことで希望を失ったってことなんだろうけど、その信長の目的は天下統一でいいんだろうけど、それが民衆のためかどうかは別の話でしょ。五右衛門が義賊なんかやってることと方向性は同じだけど本質としてはそうじゃないよね。信長が信義があってカッコいい大人物だって描写はされてるけど、民衆のための統治をしてたかどうかってのは描かれてないし。この映画では総じて統治=平和って論法になってるけど、戦がなけりゃいいのかってことだけだよね。そこら辺を深く突っ込んでないのは、全体に紀里谷監督の思想的に世の中が簡単・単純に出来てるってことだろかね。ああだから五右衛門の生き方は薄っぺらいんだよな。

結局五右衛門は信長の仇も友の仇も取らないけど、民衆の平和という希望のために自分を犠牲にする話‥‥ってことでいいのかな。そう考えると才蔵が五右衛門の名を名乗って釜ゆでにされたのは、民衆の夢を奪う結果にならんか?w
才蔵との友情にしても何がやりたいのかは判るんだけど、才蔵があんな目にあったのは彼が士官の口に釣られたからで、五右衛門が自由にやってるってこととは関係ないよね?でもって、才蔵が秀吉暗殺に失敗したら家族が狙われるのは当然だよね。何で気がつかないんだ。
佐助にしたって五右衛門が気に入ってくっついてるのは佐助の勝手なんだから、五右衛門の行動に口出しする言われもないよなあ。それとも元から家康のスパイだったのか?何がしたかったんだ、猿飛佐助。
出兵の船上で、あの状況で五右衛門が信長の敵は討たないというポリシーで逃げるのも、あの状況を理解してたとはとても思えない。信長の仇を討ちたい茶々が逃げなかったのは秀吉が生きてるってわかったからで、そこで五右衛門が逃げて茶々が戻ればその後どうなるのか判るだろうに。何でそこで茶々を助けようとしないのか。三成もあそこでさっさと才蔵を殺しときゃよかったのに、何で言いつけどおり生かして連れ帰るんだ。各キャラの行動理由が判らないから、余計にあの船のシーンの意味が判らない。そういとこ気持ちですっ飛ばしゃいいのになあ。
まあその辺、忍びを辞めて自由気ままに暮らしてたツケをなぜか払わされることになっちゃった五右衛門が、信長の鎧を着て民衆の気持ちを代弁するかのように家康に平和を誓わせる‥‥ってところはまあフィーリングで判るんだけどね。
とにかくまあキャストが好みでカッコいいからいいやって気にはなるよ。五右衛門という男が"見た目として"カッコいいって話で特に文句はないです。江口ホントにカッコいい!40過ぎってこと忘れる!でも若いとあの色気は出ないよなあ。
あ、茶々の広末だけはどうも納得出来ん。劣化が酷すぎる上に本当に魅力的じゃないよなあ。キャスティングとしてアイドル性と浮世離れした少女性みたいなものが欲しかったんだろうけど、あの広末はないと思うよ。下手すぎ。
紀里谷監督の仕事としては、もう少し洗練されたケレン味という意味でセンスよくなれば面白いんだけどなぁ。そしたら実写で神州纐纈城とか士郎正宗のORIONとかやって欲しいなぁー。あの俗っぽい下世話さスレスレのキンキラキンなキワモノ感とか和洋中華折衷のセンスって、結構士郎正宗センスって気はするんだけど。監督、士郎好きなんじゃないかなあ。