そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

スター・トレック2回目

終わるまでにバルトででも見られればいいかなと思ってたけど、バルトが80席の小さいとこでガッカリと思ってたら、ヒルズのレイトショーが今日だけなぜか600席の最大スクリーンだったんで慌てて見に行ってきました。一応感想補足って感じで。
2回目なんで話は初見よりよくわかった。というかやっぱりスゲー面白かった!カークカッコよすぎ!
この話、というよりこの映画で一番問題なのは、ネロたちロミュランが未来からやって来たってことと、未来のスポックがブラックホールに入る数秒の遅れで過去の出現に25年のズレを生じてしまったってことの判りにくさ(だからネロたちが探してるスポックは若いスポックでなく老スポックだということ)だと思うんだよね。せめてパイク艦長が尋問されるところでそれは観客に判らせるべきだったと思うのよ。そのせいでこの話が判りにくくなってるのは間違いないと思うんだけど、まあそこくらいかな。
大体の話は判ってるせいかじっくり見て、改めて今回の映画の展開は上手いなぁと思った。
ストーリーって物語の展開を見せるって部分と、キャラの感情を見せる部分があると思うんだけど、なんというかエイブラムス監督の演出ってそれがすごくシンクロしてて、映画として盛り上げるべきところで話の展開を盛り上げといてそのままそれがキャラの感情の盛り上がりになるんだよね。常に登場人物の感情を見せるのを忘れないし、そこに観客目線の感情の盛り上がりを乗せることも忘れないというか。
冒頭のカークパパの特攻&乗組員脱出と息子の誕生を一気に魅せて観客を引きずり込む見せ方もそうだし、パイク艦長がロミュラン船に行くとこもそう。
艦長がシャトルで出るのに紛れて、カークたちがバルカン星に打ち込まれてるドリルを破壊する作戦、艦長ってば説明してないけどどうやって‥‥と思ってたら、生身で成層圏から降下ってマジかよ!と思う間もなく艦長は放っといて、話の流れ自体を降下するカークたちへの成功するかどうかのドキドキハラハラ感にもっていっちゃったり(案の定一人失敗する)、それなのに笑いどころも忘れないとか(スールーってクールでカッコいいよな!)、最後はドジっ子キャラの超挽回ネタでキレイにまとめて、そこから間髪入れずにバルカン星の悲劇とスポックの悲しみに移行するとか、なんというか、エピソードの積み重ね方とか組立がスゲー上手いです。
最後のロミュランとの戦闘でカークが結果的に英雄になる件も、やってることは相当ウヤムヤのうちに‥‥って感じだけど、カークが言うなら信じようっていう気になるのはその「決断」が直感的で自信に満ちてるからだと思うんだよね。それはどこからかというと、スポックがロミュラン艦で万が一のことを考えて彼女に言づてをしようとするのをとめて「俺たちは必ず戻る」っていう自信だと思うんだよ。スポックは性格的に全体に割食った形になってるけど、これって本来の歴史ではカークがもともと船長だったこと、悩める若きスポックが老スポックに言われる「自ら正しいと思うことをせよ」もそうだと思うんだけど、カークが常に最善のことを自然と選んでるという説得力かな。(だって主人公だから!っていうと身もフタもないですが)
ブラックホールから抜け出す時の判断の早さ、スコッティの「機関部を爆発させれば‥‥」に「やれ!やれ!やれ!」という間髪入れない指示とかさ。確かにその大胆不敵さは両刃の剣かも知れないけど、とにかくカッコいいんだよなー。
それにしても改めて見ても、ネロたち彷徨えるロミュラン人は気の毒だと言えば気の毒。彼らは何の悪いこともしてないのに故郷の星を無くしてしまった。そしてネロたちが過去に戻って来たことで歴史が変わってしまったからロミュラン星は消滅しないかも知れないけど、だからといって今のネロが妻子を失ったのは事実なんだから、スポックに復讐してそれで良しじゃないんだよね。でもバルカン星を消滅させた罪は罪だし、それもひっくるめてエンタープライズに降伏するくらいなら「死んだ方がマシ」なんだろうけど、それが判っててあそこでネロのどアップをもってきて悲しそうな顔をさせるエイブラムス監督は見事としか(笑)イヤ同情しそうにはなるけど、彼のやったことを考えると同情する話じゃないから。ただ”そうなってしまったこと"には同情するんだけどね。まあそれをカークのおちゃらけ交渉から入るのは演出として相当黒いというかヒドイというか‥‥(苦笑)
あとはまあ、ときどきあるドキュメンタリー調のカットが妙に効果的というか、氷の惑星で怪物に襲われるとこのロングショットとかニュース映像みたいでそれが追いかけられる恐さに繋がってるし、艦橋シーンでもときどきそういう客観的なドキュメンタリー調カットが入るせいで臨場感が出て、妙にリアリティがあるんだよね。あれってどういう映像手法なんだろ、カメラは他のシーンと同じはずなのに。(ドキュメンタリーフィルム自体が普通のドラマや映画と空気感が違うのは判るんだが‥‥構図だろか?庵野の特撮構図発見みたいなものか?)
画面構図も表現に対して的を射てて、意味なく変な構図にしてるわけでもないし、いろんなところがツボです。上手すぎる。続編楽しみだなー♪
あとなんかさ、オレがスタトレをストレスなく見られるのって、スタートレックって話には、頭の悪いお騒がせキャラが出てこないからってのもあると思うの。基本宇宙船の乗組員はみんな教養あって精神的にも成熟してるから、成長ってのはあまりないけどバカキャラに悩まされなくてすむ分、心安らかなんだよなーw