そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

任侠ヘルパー#4

http://www.fujitv.co.jp/ninkyo-helper/
今週はまた見ごたえありました。前回の家族虐待の話は今回の前振りだったんですね。
詐欺ヘルパーってことで、やってることは六車のいうとおり彦一がやってたこととなんら変わりはないんですが、彦一が言ってるのは「詐欺の自覚があるんなら、被害者に感謝されてんじゃねーよ」ってことで「悪いことをしてる」という筋は通したいってことだよね。
その上で目の前の年寄りだけを救えればいいかどうかってのはまた別の話で、羽鳥のハートフルバードのやり方や、零次のやり方は介護専門職としての「広く浅く、システマチック」。タイヨウの方針が今まで家族のような介護だったからってことでは、零次や晴菜、眼鏡おばちゃんたちタイヨウのヘルパーは、やってあげたいけど制約があるから出来ないわけで、だから介助支援じゃなくて出来る限り自立支援するって方向なんだよね。専門家だからそれがベストだっていうことが判ってるからなんだけど、ヤクザだけど普通の人である彦一たち任侠ヘルパーにとっては、家族のように接するか否かって基準しかないのはそういうもんかな。でも介助支援だとしてもらう側の要求は歯止めがないだろうからねぇ。

だけど普通の人である介護される側のお年よりたちにとってはヘルパーさんたちのそういう制約や事情は関係なく、家族のように接してくれるかどうかが問題なんであって、前回の話もそうだけどお金の問題じゃなく、その親切がシステマチックかどうかが問題なんだってことなんだよな。お仕事でやってるのか、家族っぽく個人的な要求に応えてくれるかどうかっていうね。家族的な親切に気持ち分の「お小遣い」は付きものだしな。
だからたとえ入居費が高額で親切に面倒を見てくれる施設があったとしても、それがそういうシステムであるなら魅力を感じないってことかなと思うよ。「家族的な親身な気持ちかどうか」という気持ちにお金を払いたいわけで、どうせお金は墓にはもって行けないし面倒見てくれない家族に残したいお金じゃなければ、そういう自分の満足感にならお金を払うってことかと。そういう意味では厳密に言うと玲子のやってるヘルパー詐欺は、気持ちとして彦一の老人詐欺とは違うものなんだけど、彦一にはそれが偽善に見えるんだろうなw
玲子が感謝されてるのは六車が調べた通り彼女がもともと本職のヘルパーであって、老人たちを介護したいって気持ちがあったからその無茶に応えることが出来てるわけで、その対価として現状のヘルパーの対価は安すぎるってことを不満に思っていたからってことなんだし。(父親が働きすぎで死んだこと自体は、そういう仕事だからしようがないことだと思ってる感じだけど)
だから羽鳥の介護方針は立派だけど、実際家族のように接してもらいたい利用者がいて、家族のように接してあげたいという気持ちで介護をしたいというヘルパーがいるわけで、気持ちはお金じゃ買えないけどお金で解決する問題でもあるってことかね。まあそれは「たまに」の訪問ヘルパーだから出来ることではあると思うけど。
ナツさんが玲子のやったことを認めてて、逃げて欲しいと言っていながら、みんなの前で詐欺だとなじったのは、その方が玲子が謝りやすいと思ったからかな。あと自分たちにしてくれたことは本当に感謝してるから、いつまでもそういう犯罪をしてるよりは罪を償って欲しいという思いやりでしょうかね。
そういう結構複雑な話、それぞれの介護者としての立ち位置がハッキリしてて、いろんな問題が起こってることにどう対応するかっていう中で、彦一の考え方が筋を通すか通さないかってってとこで判断してるという見せ方は上手いし、それぞれの登場人物の考え方もしっかりキッチリ見せてるし、いろいろ面白いなあ。
 
涼太のケンカがああいう解決だったのもちょっと良かった。
羽鳥の「どんな時でも暴力はいけない」っていうのは正論で一般的に良識的な意見だけど、涼太がそういう母親の言うことよりもヤクザな彦一の「仲直りするまでがガキのケンカだ」てことの方にシンパシーを感じるのはそれが「筋が通ってるから」だよね。
自分が殴った理由は涼太にとっては正当なことだし、相手の子供は自分が酷いことを言ったっていう自覚はあるみたいだから、涼太が謝ったらいいって話じゃないんだもんね。そこんとこをして彦一がちゃんと理由を聞いてやれって言ってることだし、誰かが我慢しないといけない、筋の通らない世の中を子供なりに感じて鬱屈してた涼太にとってヤクザってことの本当の悪さは判ってないのかも知れないけど、人として良いか悪いかっていうと、「筋を通す=自分が正しいと思うことを貫く」彦一をアニキと慕いたい気持ちはわかるかな。
何となく介護の現場は筋の通らないガマンを強いられることが多いってことで、どういう風に筋を通すのか通さないんかって話になるのかなぁ。単純に羽鳥との対立じゃないってのも面白いです。ハートフルバードの中でもそういう日和った意見があるみたいだし、それを時代に逆行してでもシステマチックにすることでたくさんの要介護老人を救うという筋の通し方を貫く羽鳥は、彦一的には敵じゃないはずだし。むしろ「だったら家族がやればいい」ってのは彦一と同じ意見だよな。
だったらこのドラマの落とし所ってどこなんだろう。というかハートフルバードで介護者一人一人の要望に沿うことの出来る高級ヘルパー業務もやればいいのに。というか若頭の狙い目ってそこら辺かなあ?だからまず介護の現状を見せるために研修に出してんのか?
まあそこら辺、やっぱり今期はこのドラマが一番面白そうです。
何だかんだ言いながらちゃんと協力はしてくれる六車とか、壽太はカワイイなぁ!でもってもっくんは相変わらずカッコよすぎる。出番もうちょっと多いといいんだけどあれだけでもキャラとして成り立ってる見せ方はやっぱり上手いなぁ。晴菜が何か事情あって介護職についてるように零次にも何か理由があるのかな。お仕事的なおばちゃんヘルパーにだってヘルパーをやろうっていう理由はあるんだよな。もちろん羽鳥にも。何もなしであんな大変な仕事したいとはとてもじゃないけど思えないよ。
そしてやっぱり最後に可愛いとこもって行ってしまう加藤清史郎くんのペンギン走りが‥‥(笑)カワイすぎる!きゅ〜っ (*゚∀゚)=3