http://www.ntv.co.jp/eye/
完全にネタバレなのでご注意。
生体で角膜移植って、移植した方はどうなるんだ？視力出なくなる‥‥よね？
という疑問は残ったものの（そういう問題じゃないよなｗ）、ドラマは思ったより面白かったです。
というか、「左目探偵EYE」だなんていうくそダサいタイトルはちょっと偽りありじゃないかなあ？てっきり何となく蒔田光治や元マガジン編集の漫画原作者（どの名前出したらいいのかわからんけど金田一とかシバトラの人な）の原作だと思ってたけど、まったくのオリジナルだってのにちょっと驚いた。頭10分くらいで原作付きじゃなさそう‥‥と思ってわざわざネットで確認したくらいｗ。まあ脚本が秦建日子にしても、よくこんな企画通ったなあ。つかこの人がこういう犯罪ミステリーやるって珍しいよね。ここんとこ何となく夕方再放送の「探偵学園Q」がついてること多いんで、山田くん繋がりで似た路線のような気がしちゃったよ。
まあそういうとこで、キャストに特に思い入れはないから軽く見てたってくらいですが、いろいろちょっともったいない感じはする。もうちょっと突込めなかったもんかな、雰囲気的にはブラマンなんかより全然面白いんだけど。蒔田作品はホントハッタリしかないから、それに比べたら最後のどんでん返し展開も上手いこと騙されたって感じかなぁ。それが可能かどうかってのはともかく、何となく見ててずっと引っかかってたモヤモヤはそのせいだったかと。
そして登場人物のキャラ立ては2時間ドラマと思えないくらいしっかりしてたんで、かなり楽しめました。
山田涼介の愛之介の乱暴口調のキャラはいらんと思うんだが、普通のキャラの感じはよかった。なんであの子あんなに強いの？絵描きなのに‥‥とは思ったけど。拝金主義で現金な狭山先生は、石原さとみ的には「パズル」と同じ路線だけどこっちの方が高感度高いしバカが可愛げになってて面白いです。刑事の寺脇・岡田コンビも良い味だしてるし、特に大内刑事は妙にキャラ立ちすぎだよなｗ 何これ、シリーズ化狙ってんのかなー？
だから何となく引っかかってたというか、そもそも初っぱなから愛之介とお兄さんの夢人の横山裕、単発ドラマなのにこの兄弟のバックボーンを突込んでないのはおかしいなと思ってたんだけど、まさかの横山裕がラスボスとは。まあ夢人が黒幕なら話は別だけど、角膜移植に至る経緯と愛之介の人となりくらいはちゃんと説明してから本題に入って欲しかったんだけどな。成り行きでじゃなくて、ちゃんと愛之介の視力が弱くてそれに対して夢人がどう思ってなんで角膜移植するってことになったのか、親とかどうしたんだとか（見落とした？）。
まあその辺にしてもラスボスが夢人で、移植の理由があれじゃ、突込めんわな。でももうちょっと上手いやり方あるような気はするけど、そこら辺がもったいなく惜しかったってくらいかなー。弟の前ではあくまで良いお兄ちゃんだったって見せとくとか。
大体どうしてそんな犯罪者に‥‥ってのは尺の都合で端折ったのか？夢人が生きてて黒幕だったってのは驚きだけど、夢人がそういう人だったってこと自体には意外性がないんだよな。もったいない。そもそも兄を信頼してた弟目線の人物描写しかないし。
あとウィルスばら撒きから警察署無人のくだりの展開が、世間を大騒ぎに落とし入れたわりにちょっと流れがドラマとしてもお粗末ってくらい。小説とかなら上手くハマりそうだけど。（単に尺の問題か？）あ、なんとなく野沢尚のドラマ（特にミステリー物）と似たニオイがするんだけど、気のせいかなあ。
難点は、あの二人の兄弟の関係性にあまり突込んでないせいで、お兄ちゃんが悪だとしても、それを知った弟の愛之介が簡単に夢人と対立する決意を固めてしまう‥‥ってのがいいのかなというか、伝わらないってことかな。感情的にね。最初からそういう兄弟なのかよとしか思えないのが‥‥だってそれは違うでしょ。少なくとも愛之介はお兄ちゃんを信じてたんだし、裏切られたというショックの描写がないのが残念ってことかな。
まあ全体には面白かったんでいいんですが、どこら辺が「探偵」なのかって気はする。見えるものは決まってんじゃん。これ、もっと違う感触の話だと思うんだけどなー。そもそも兄ちゃんの気まぐれの角膜移植で得た能力だしな。兄弟ならではのそこら辺の関連性とか（兄弟揃って実は天才的頭脳の持ち主ってんならそれでもいいけど）もうちょっと描いて欲しいかなあ。見落としたのかもしれないけど、愛之介の画力が瞬間記憶力に依るものだとかさ。
演出は悪くなかったけど、日テレだし、この手の物の専門化な佐藤東弥さんとかがやってたらもうちょっと見ごたえあったかも。
今回は顔出しだけで動いてないキャラ（片平なぎさ）とかいるし、シリーズドラマをやるならやるで、期待したいです。
