そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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オトメン(乙男)〜秋#10「花より乙男子」

http://wwwz.fujitv.co.jp/otomen/index.html
先週のよりこっちの方が秋編の1話めに相応しくないか?「乙男」というドラマの本質をちゃんと描いてると思うんだけど。
それに加えて、今回は爆笑しっぱなし!笑ったー!F4とかそういう問題じゃないよな、それもどうかと思うけど!(笑)今回は脚本が上手いなーと思ったら「ガラスの乙面」回の人だったか。
この話が面白いのは、基本的に「男らしさ」「女らしさ」とはなんぞや?ってことをちゃんと見せてるのと、笑いの質が差別ギリギリだってことかな。笑いの本質は差別することで生まれるギャップだと思うし、それでいながらそれを不愉快な物として見せない気遣いがちゃんと出来てるってところでレベル高いんだと思うんだが。というか全体に脚本のテイストが容赦なかった(笑)小針田さんを当り前のように突き飛ばすし!(笑)

女子に向かって猿山に帰れとか、女子だから可愛いぬいぐるみが作れるはずといいながら出来た物が貞子だとか落ち武者だとか、しかもそれを投げ捨てるとかアリエネーだろ(爆笑)というか市川由衣の思いきりのいい悲鳴に笑った!倒れたポーズもいかにもで良かったw
磯野に愛媛県の持ち方を質問する地理の先生も *1 、テニスの「だから都塚さんとは組みたくないのよ、ねー」ってもの、一歩間違えばイジメに近いやり取りなんだけど、笑いのネタとしてシュールだし、テニスはどうみたってそりゃそうだとしか‥‥(笑)
多武峰や橘はともかく、大和の顔が可愛すぎて校則違反ってどう考えても逆の意味で差別だし!(苦笑)
イジメっぽいのが気にならないっていうか、それが全部イヤミなく笑えるのって演出のテンポもあるけど、これの笑いが根本的に人をバカにしてないからだと思うんだよね。
あと音羽が理事長の刺客であっても、音羽の記号的可愛い女の子キャラが理事長におもねったものじゃなく彼女自身の問題だってのと、可愛くない女の子に対して蔑みの気持ちがないキャラだってことなのは大きいよ。
音羽紹介の時の夢子先生どかして記者会見ってのは図式としてアイドルとそのマネージャーとして描写してる時点で笑いになってるし、家庭科の授業は当の音羽が都塚さんに自分自身を重ねてて同情的で、本気でステキ女子にしてあげたいと思ってるからOKなんだし。
笑いは差別だって言ったけど、違うってことに対して優位性を持って相手をおとしめて笑いを取りに行くんじゃなく、優劣をつけずにあくまで「違う」ってことのみに突っ込み続けて笑いに転化してるのがお笑いとしても上手いというか。しかもそもそも生徒や先生を、「そういうキャラ」としてキャラ立ちさせてるしなあ。
磯野は‥‥アイツもその前に多武峰が磯野の態度はどうかってことで突っ込んでるから、あの置いてきぼりが自業自得に見えて安心して笑えるんだよね。
大体音羽自体、男が思う可愛い女子を具現化といいながら男に媚びてない完璧ヒロインキャラで(大人の階段って、あだち充キャラかよ) *2 、だからと言って元彼(いい感じに竹財くんが!)に可愛くないって言われたことで男を恨んでるわけでもなく、そもそも他人のための演技でもないんだよね。
というか元彼が可愛くないっていったのはガサツだからでしょ。見た目だけのことでもないというか、見た目に気を使わないガサツさと女らしさのなさ、好きな彼氏のために料理や掃除をやろうとしないってことが可愛げないってことだよな。だって都塚さんは頑張って女らしいことを野郎として、いややろうとしてできないだけだし、やろうと一生懸命努力するところが都塚さんの可愛さだし!
だから元彼も言い草はともかく悪くは見えないというか、そういう男もいるけど飛鳥ちゃんみたいに彼女が出来なければ自分がやればいいってのはオトメンじゃなくてもって話だし。
 
話戻りますが、ドラマ「オトメン」の本質としての「男らしさ・女らしさ」ってのは、男らしさの中にある女性的な繊細さと、女らしくなさの中にある可愛げが上手くマッチしてることを「人としての良さ」として肯定してるってことだと思うけど、それらを規制しようとすることが自由を奪うことだってとこまで、ちょこっとだけ持っていってるのがまたスバラシイ。
老舗私立学園である銀百合学園の方針として「男子は質実剛健、女子は清楚可憐という日本古来の美徳を守っていくこと」という方針って、間違ってはないよね。それ自体は生徒の自由を奪うものでもないし。
というか今回の話の中でやってること自体は、実は特にオトメン魔女狩り話でないってとこがポイントだと思うの。普通はそういう風に判りやすく持って行きがちだと思うけど、それってあまりにも何も考えてない悪意ある描写だと思うんだよね。イケパラとかメイちゃんで簡単にその手法使ってたけど、そういうことするからドラマが面白くないって思われちゃうんだよ‥‥って意味でオトメンスタッフは相当ちゃんとしてるなあと思うよ。
だって音羽は理事長の刺客ではあるけど彼らを嫌らしく陥れようとしてるわけじゃなくあくまであぶり出し調査してるだけだし、取り巻きのナマハゲ軍団は自分の意思でオトメン狩りやってるんだけど、狩ったからどうするって話じゃないし。つかお前らの格好が風紀違反だろと思うんだが(苦笑)というかなんでナマハゲw「男であることナマケテねーか」だから?
ひとつ間違うとすごく悪意ある嫌な気持ちの話になるところを、キャラとスタッフの気遣いでちゃんと真っ当な笑いとして成り立たせてるのはスゴイと思うし、その中で男女の「らしさ」を描くためには差別描写を必要としながら、構造としてそう見えないように「笑い」を仕込んどくってことが見てて気持ち良いと思えるんだよね。
そういや「ガラスの乙面」の回もそうだったけど、飛鳥のパパがニューハーフ(なのかオカマなのか、単に女装好きってだけなのか?)だってことに対しての飛鳥ママの拒否反応が、失神という過剰すぎる描写のせいでやっぱり笑いという突っ込みどころにしかならないってのも上手い回避だと思うし。差別的なネタもそういう気の使い方ひとつで面白くも不愉快にもなるってことだよな。

音羽オトメン攻略は当り前のようにミイラ取りがミイラになって頓挫したのはともかく、理事長のオトメン規制はたぶん次回以降も続くネタだと思うから、あそこで終わってることにもまったく物足りなさないしさ。
まー、合コンローマ帝国とその四大将軍ってのは気が利きすぎて果てしなく意味が判らないけど(笑)、見た目がイケメン、つまり男らしくて、でも乙女の心を持ってるってことは女の子ガールと話が合うってことなんだから、四大将軍でも落とされて当然だよな(笑)
でもこの話でなんか一番ホッとしたのは、音羽先生の元彼トラウマがなくなったってことだよ。そういう意味でもいい話だったなあ。
今回は都塚さんのいいところを語る飛鳥ちゃんにキュンキュンした!火キュンだよ(笑)そして都塚さんは果てしなく可愛いなぁ‥‥(*´∀`*)

*1:スイマセン、お笑いに疎くてバカリズムのネタよく知らなかったんですけど、超おかしかった!

*2:そういや市川由衣ってドラマ「H2」のヒロインだったよな。