そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

宿命 1969-2010 - ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京#5

http://syukumei1969-2010.asahi.co.jp/
こういう話のドラマだとたいていは権力を目指すクールで非道な男を演じがちな北村一輝にまたずいぶんと繊細でナイーブな役を振ったなあと思ってここまで見てたんだけど、今回の話はあまりにも男として可愛すぎる。尚子に電話するとこのあの微妙な様子を伺いつつなんとか会いたいっていう感じが、北村一輝が特に好きなわけでもないオレからしてもぎゃわ−って思った(笑)
何やっても北村一輝って十分以上に上手く出来る、どっちかというと演技力が必要なイロモノ的な役柄はと思うんだけど、これもある意味イロモノなのかなあ?(笑)いやこの人根はすっごい真面目な人じゃないかと思うんだけど。

という崇ですが、単に三奈に反発してるわけじゃないってのはわかってたけど、もう自分の立場も気持ちも目的もわかってる上で三奈に楯突いてるのが『愛がエゴだったり、打算が無垢だったりするんですよ‥‥見極めるのは難しいですよね、母さん』なんだよな。や、そこまでズバッというとは思ってなかったけど、わかりやすくていいなあ。
つーか、息子にそうまで言われても相変わらず何の説明もなしに白井家との縁談はなしでという三奈の厚顔無恥さ。あえてそういうよ。でもって、尚子が崇の部屋にいるのを見てそういうことがあったことはわかってる上で、まだ結婚するなというのならやっぱりモラルの問題じゃないよなあ?
そもそも前も言ったけど、学生運動の女闘士を気取りながらも本名を名乗らないとか素性を明らかにしなかったってのは、闘士として意志が固いってことじゃなく違う方向で保身がものすごく働いたってことじゃん。もちろん、生き残っていつか政治に復讐するという間違った生きがいのためにってことだけど。それだけで人としてはあまり上等だと思えないもん。
で、崇はそれを感じて育って三奈の「体現者」に進んでなったってことだけど、それについても三奈ってどう思ってんだろね?息子を道具としてしか思ってないようにしかみえないし、そこに、というか自分の望みを叶えようと崇が政治家を目指している事自体に感謝とかないよな。ウチはお金もあってそれなりのツテもあるんだから、政治家になって権力が握れればあなたの人生だって成功といえるでしょ?くらいの感覚だよな。
まあ白井の素性が知れて以降のスッタモンダも、目先のことしか考えてないし。それで余計に自分の首絞めてるし、そのせいで息子や白井たちに迷惑がかかってるってことすら認識してないしなあ。ホントに頭悪い。
崇の部屋に来てからが言ってることメチャクチャというか、一番は尚子と結婚させたくないはずなのに、言う事聞かないと縁を切るって脅しても意味ないと思うんだよな。尚子との結婚が反故になれば白井の言うとおり崇には後がないし、崇が有川家の人間じゃなくなったとしても白井のとこに婿養子に入れば問題ないていうかそのまま白井家の跡継ぎとして政治家を目指しちゃったら、腹違いの子供たちは結婚し、崇は政治家になるという逆に三奈にとって全くうまみのない展開にしかならないじゃんねえ。もう知らないも何もないよ。お前が言わなきゃいだけだよ。あほか。
それと比べるとってわけじゃないけど、今回はなんかやたらと崇に感情移入しちゃうけど、全く記憶になかった程度のマリファナの一件に、あまりにも打ちのめされて声も出ない‥‥ってとこで、見てるこっちもやたら動揺しちゃってどうしたらいいんだろうって気になった(笑)たぶん視聴者含めてあのシーンで一番気丈だったのは尚子さんだよ(笑)
それでも最後の崇のセリフというか思惑と尚子の思惑が同じなのかどうか、なんか愛ゆえにお互い相手を巻き込まないようにするのか、それとも共犯者として結託するのか、そうしたらたぶんこの二人の打算のない愛もちょっと変わってこざるを得ないと思うんだけど、どうかなあ?心配。今回やたら崇がナイーブだったんで、今後まさに権力のためならなんでもする非常な道を進むんじゃないかと心配。
脚本も毎回何気に上手いけど、演出が抑制が効いてて決して安っぽくならないとこもいいねぇ。キャストもみんなわかってるし、こういうドラマは見てて楽しいなぁ。毎週楽しみv