そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

宿命 1969-2010 - ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京#7

http://syukumei1969-2010.asahi.co.jp/
この状況で真実を知って「崇くんが可哀想じゃないか」という和裕の感じ方は正しいし、だからこそ三奈が本当のことを言えなかったことを母親のエゴだと認めつつそれも愛情なんだと言えるんだろうけど、尚子の子供を流すようなことをしたのが三奈の差金だと知ってもそう言ってかばえるんだろうか。今回の話はいろんな意味で有川和裕が優しい、もしくは人として器が大きいから丸く収まったといっていいんじゃないかと。ドラマとしての話もだけど、この近親相姦結婚かもという状況そのものもね。そうであっても、それにしてもすごいウルトラCだよなー (^_^;)
今回はやたら三奈の言ってることがまともに思えるけど、それはそういうことでいいのかな。今まで電波飛ばしてこれ以上ないくらい自分勝手に振舞ってた人間と同じ人だとは思えないけど(苦笑)
白井の持ってきたDNA鑑定が本物だとして‥‥だけど、じゃあ崇は誰の子だという問題に対して、崇が和裕の息子かもしれないという話が和裕の嘘かもしれない可能性、三奈が覚えてない以上その可能性はあるんだけど、でも崇の境遇を可哀想という和裕のいうことなら、それが「嘘」でも別にいいと思えるんだよな。 *1
和裕が三奈と結婚したのが闘争以前のひとめぼれありきで、頼られたから力になりたいということや、自分の崇への在りようが間違ってたという三奈のいうことを崇自身がそれでいいというのも、崇を育てた三奈の思いが今の崇にとって間違いでなかったということだから‥‥だよね。それらを聞いて崇が感じたのは、自分の存在を肯定するって意味での幸福感だと思うし、あの温かみのある夕暮れの映像的演出はそういうことでいいんだよね?
そうだったらこれ以上の裏はなしにこの話は決着ついたってことで?そうなら一安心ですが(笑)彼らにしても、もうこれ以上は突っ込むまい、だよな。
前回と同じく演出は内山さんだけど、学生闘争の空気感とかあの切羽詰った感じの、いかにも真実に思えるような描き方が和裕の言ってることを尤もらしく思わせたり、三奈の打ちひしがれ方とその見え方でそれを本当かもしれないと思わせるのが今回一番の見所だったと思うんだけど、それを各人の表情でじっくり見せる、あくまでも個人の思いが軸にあるっていう見せ方は今回の話に対して正しい見せ方だと思う。だってオレやっぱり和裕が言ってることが本当の真実だと思えないんだよなあ。覚えてないっていう三奈の言ってることも真実かどうかわかんないし。そう思いたいからのあの涙ってのはあるかもしれんけど。
しかし妙にホントっぽく思わせるのがなにげにそういう時代の激しさを聞いておののいてる透のリアクション(笑)そりゃ−びっくりするような話だわなw
あと宣子のお父さんの話とかも一見関係ないにしても「人として何を目指すべきなのか」というちょっとした色付けとしては効いてるなあ。でも分相応に生きるのが一番と言いながら夢を見たっていう、その夢が本当になるかどうか、なるかもしれないところにいるのが崇たちだからなあ。次回最終回らしいけど、話としてどうまとめるのか、楽しみすぎる。

*1:というのは、DNA鑑定の封書が来てた時に白井が秘書を気にしたんだけど、それは白井がDNA鑑定をやったということを秘書にあえて知らせたいということであって、その結果が白であればそれは白井にどういう思惑があったとしても「公に白」でしかないということかと。本当に秘密にしたいのならそんなもん事務所になんか送らせないと思うんで、これ自体が白井のパフォーマンスではないかって話ね。ということは劇中のロジックとして、白井が周囲をたばかってるかもしれないという状況はそのあとの和弘の話が本当でないかもしれないことの根拠にもなり得るから、和弘が嘘を言ってる可能性があるという風にも受け取れる‥‥ってことじゃないかと。そして今回は冒頭で和弘を感情的な優しさを見せる人間として描いているから、和弘がそういう嘘を言っても不思議はない人間で、この話としてはそれでいいというある意味曖昧な結論を許容してる、その余地を残してるという部分でこのドラマが上手いなぁということだと思うのだ。もちろん見たまんま、白井と崇は親子じゃなかった、崇は和弘の実の息子だった‥‥でもいいんだけど、そんな簡単な人たちじゃないでしょ、っていう見方も出来る余地があるってことで。