そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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絶対零度〜未解決事件特命捜査〜#7

http://www.fujitv.co.jp/C-273/index.html
またパターンを変えてきた。未解決事件とはいえいろいろ考えるなあ。今回は脚本・浜田秀哉、演出・岩田和行で3話の神の処刑事件と同じ組み合わせか。今のところこの組み合わせが一番ベストだなー。
再捜査の再捜査、「うちで止められなければ一生未解決だ」ってのがここの人たちのモチベーションで、それを長嶋に言わせてるって、なんかこういうのがちゃんと毎回入ってるってのがいいんだよな。なんのための捜査なのかってのを毎回再確認させられるよ。
今回の話も、桜木の意外に鋭い観察力が解決の決め手ってことで、でもそこに引っかかるのは桜木だから‥‥ってのがよかった。まあ暴力団の話は当然関係ないよな、特捜としては社長殺しが解決すればいいだけなんだから。(そのせいで妙に尻切れっぽくなってるのはまあ仕方ないとして)
今まで特に目立ってなかった倉田の妙にヤラシイ取調べとか、深沢が絶対記憶力(笑)の持ち主だとか、つか桜木絵下手すぎとか、科捜研の秋山がやっと目立ったと思ったらユメラーだとかキモイとか、塚本が壺壊してあたふたしてるのがプロファイリング通りの行動だとか(笑)、細かい小ネタをちゃんと繋げてくとこは相変わらず手を抜かずに脚本演出ともにスゲー上手いなあ。
 
そういうとこがしっかりしつつ、事件は回想がたくさんはいるから話が煩雑というか、桝山社長はいつ骨髄移植したんだとか、ドナーの娘さんの話とかパン屋になった昔の仲間の真野さんとか会計士とのやりとりとか、過去話の回想がいろいろ入ってるせいで時系列がよくわからんというかパズル並みというか、過去話を時系列で見せてくれてたら、もうちょっと桝山の改心が見えやすかったとは思うんだけどなぁ。というか真野さんとはいつ仲違いして会社追われたんだ?見落とした?
まあこういうやり手社長、金で買えないものはないってなIT関連社長の改心を描いてる、それを夢も希望もあった若者がだんだん汚れていって、でも無償の善意に触れて改心するって話が、そもそももう社長が死んでるわけだから何があったのかという解明をすることしか出来ないわけだよな。
桝山の骨髄ドナーだった安藤父が交通事故で亡くなって、移植して命を救われたはずの桝山が悪事の代償に刺されて死んだ、悪事もそもそもつけ込まれて利用されたから‥‥ってのは、いつも通りちょっと苦い話で、まあこのドラマはそこがいいんだけど、そこを上手く拾ってくれる桜木ってのが、一応彼女がこのドラマの主人公足り得る理由だよな。
なんどもメモを見返して、その人の気持ちになって考えるという共感力というアプローチが彼女の捜査の特性だってのは毎回きちんと描かれてるから、ユメちゃんに気がついたのも、桝山がどう変わろうとしていたのかってのを想像することにも無理はないよな。
真野さんがいうように謝りにきたっていまさら過去には戻れないけど、捜査で少しでもその思いを拾ってくことができれば気持ちだけは伝わって救われるだけでもよかったと思えるもんだろうし。
少なくとも「何でも金で解決」を信条としてた桝山が改心したことが、今の現実では実際には何も変わらなくてもそれを知ることで、周りの人間や死んだ桝山本人も救われると信じることができるのが特命の人たちなんだよな。未解決でなくなるってのは、そういう人の想いも救っていけると思うからという使命感だと思いたいよ。
ドナーのお父さんの善意が現実には身を結ぶことはなかったけど、少なくとも一人の人間の生き方を変えることができたってことでは無駄にならなかった、それを娘さんが知るということは大きな意義のあることだと思うし。
なんか非情なIT社長が改心したという話よりも、そのことが明かされることによって周りの人間がどう思うのかっていうことを描いてる話だと思うんだけど、現実的には何も起こってない分そういう善意の見せ方とか、その善意が現実に無駄になることの悲しみみたいなものが逆にドラマとして良かった感じ。
桝山と真野が会社立ち上げた時のパソコンが初代iMacボンダイブルーなのがまたなんとも象徴的と言うか、あれ1998年か。あそこからいろいろ変わったんだよなあ‥‥確かに未来に夢がある感じだった。