そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

いばらの王 -King of Thorn-

http://www.kingofthorn.net/jp/

観に行ったのは金曜日です。レビューは直後に半分だけ書いた。アップするの遅れたけど。
今週いっぱいしかもすでに朝イチ上映のみだって昨日(一昨日だ)知って、なんとか見に行けた!というかそんなら水曜か、せめて映画の日の木曜にでも気がついて欲しかったよオレ!w 一応大きなスクリーンで見たかったの。
ちょうど公開時期がかぶってた「9−NINE」も似たようなネタだったよね。あっちは見に行きそびれたけどさ。
こっちは原作漫画は見たことないし何の予備知識もなしですが、劇場で予告編見て面白そうだと思ったのと、その時監督が片山一良だって知ったからです。片山監督はオレ的には「エルフを狩るもの」。あれ面白くて好きだったんだよ。
なので出来としてはそれなり期待できるかなとは思ってはいたんですがー。
というか、この映画、終わりはなんか「いい話風」に終わってるけど、そもそもの話の発端がヒドくないか?(苦笑)いやこの危機的状況を作ったのは誰かって意味で。あ、ネタバレになるから言わない方がいいかな。隠しときます。
 
見た直後は面白かったと思ったけど、よく考えたら結構微妙なところあり。というかほんとにさ、それって悪いのは絶対かすみとしずくじゃん、と思った。ヴィナスゲイトのやったことよりも(苦笑)
ヴィナスゲイトがカルト教団で、メデューサウィルスが人類の進化を促すと信じてた、実際そうかどうかは致死率高すぎるから微妙だと思うし、適合者の力を考えてもそれ自体に正当性はないと思うけどね。
でもこの映画の話に関しては、かすみとしずくに責任あると思うよ?そういう意味で酷い話だと思う。どれだけの死ななくていい人間が死んだと思ってんだ、お前らのせいで。
そういう責任部分につっこまない話っていうのはオレは根本的にちょっとダメかも。しかもお互いを思いあってのことだっていうイイ話風に思考停止してるエンディングも。
 
ストーリーは映画としてはちゃんとまとまってたと思うんだけど、若干設定とか細かな状況とかが分かりにくいところがあったかな。意外とサスペンスミステリー?だったから、わざと含みを持たせた部分ってのはともかくとしても、思ったことが形になるという「力」の存在、なぜティムのRPGゲームのモンスター”そのもの”が現れたのかっていう理由&それを誰かが疑問に思うかどうか、夢を管理できるAliceとの関連とか、もっとはっきりいったほうが分かりやすいというか、その方がオチに関してもカタルシスになったんじゃないかなあって気が。だからそこら辺でオチに関する何かを隠したかったせいで焦点がぼやけた感じになったかなあ。
その割に若干分かりにくいというか、オルタナティブ説明とか、死んだのはしずく(姉)なのかかすみ(主人公)なのかが分かりにくいのがちょっともったいないというか、もうちょと脚本として上手く出来んかったかなあ。状況と展開からして適合者がしずくだったと思ってたんだけど逆によくわからなくなったよ。原作しらんけど脚本としてどうかと思うんだけど。
そもそも劇中でコールドスリープが解けたのがいつなのかももっと問題にするべきじゃなかったのかな。城の状況やモンスターを見てものすごく時間が経ってるよに思わせてるわりに、実際の時間が48時間(だっけ)しか経ってないってのはモニターで一瞬映ってセリフがひとことあるのみってバランス悪すぎる。観客に知らせたくないことでもなかろうに。
明らかにかすみが目覚めた状況ってのは他の人に比べておかしいとは思ってたんだけど(コールドスリープは全部いっぺんに出ないと解除できないって言ってたし)、そこら辺も含めて、みんなが逃げてるところがあまりにも駆け足過ぎておざなりっぽかった気はする。そこでもっと説明入れるべきって感じ?眼鏡技師とマルコの関係はともかく、その関係の見せ方がヘタだと思うし。
上映時間的には実写のハリウッド映画と同じ程度だから、パッケージングとしてそういう見せ方は出来なくはないはずだけど、ちょっとアニメ映画だってことにしても詰めが甘いかなあ。
それとこの映画ってメデューサ症候群について何らかの対処法を見せなくていいの?もしくはどうにもならにってことを知らしめるとか。そこは問題じゃないの?まあたしかに病気自体は何でもいいって話ではあるんだけどさ、問題はそこじゃないから。
でもなんかあの終わり方だとちょっと消化不良な気分になるかなあ。オルタナティブとはなんなのかってこと自体説明しないのはまずいと思うし、そもそもメデューサの発症患者じゃないと適合者になりえないのかな?そう考えるとやっぱり細部の詰めが甘いのかな。
ヴィナスゲイト社がカルト教団だって描写もはっきりしてないし、最後もあの古城の状況で終わりじゃなくて、ちゃんと世界との関わりを説明くらいはして欲しかったよ。アメリカさんたちは城に突入しようとして全滅したんでしょ?それがどういう受け止められ方をしたのかくらいは、メデューサ症候群のことと絡めて見せて欲しかったかも。初っぱなにちゃんとメディアの介入は見せてたのに、最後のオチの導入に使うためだけだったのか?原因くらいは解明されたと報道されてるとかさー。
あ、こういうのってあれか、「クローバーフィールド」方式って言っていいのか?(笑)未曾有の災害が結局「個人の感じ方の物語」で終わっちゃうとこ。
 
まあ結局「いばら姫は本当に起こして欲しいと思っていたのか」はともかく、それに呼応する作品のキャッチコピーが「願えば奇跡は必ず起きる(叶う)」ってのとズレてる気がするし。ましてや夢と現実、この世界は誰かの妄想かもしれない‥‥っていう「胡蝶の夢」設定としては完成度高くないっつか中途半端だし。
んで、時間経ったのとちょっとあまりにも判んないとこがあったんでパンフ見たんだけどさ。
隠された「いばらの謎」の内容って酷くね?(苦笑)映画見てればわかるだろってのもあれば、映画見てても絶対わかんね、つかそれ何?的なものあるんですけど(苦笑)
なんかさ、しずくとオルタナティブの謎がオチになっててそこにカタルシスをもっていってる「つもり」っぽいけど、この映画、それをいうには全然判んないです(^_^;)うーん、もうちょっとなんかこうさー‥‥
最後のネタバレに関していえば、マルコが「そんな思念を維持するためには(城をいばらで覆うような)、どういう感情を持たなきゃいけないんだ」みたいなこと(ウロ覚え)言ってたんで、その時点でたぶんかすみをしずくが、もしくはしずくがかすみを殺してしまって、その後悔の念だけだろうとは思ったんだけど、レベル0の部屋まで来た時点でよく判らない見せかたされたせいで頭混乱したよ。どっちがどっちなんだよ。生きてるのは資格者じゃなかったしずく(姉)の方なんだよな?
でもって、世界をいばらで覆うだけの根拠は?みたいな。キッカケは行きのバスの中で聞いてたいばら姫の物語だろうけどさ、その世界が壊れてもいいっていう程の感情の根拠は?ってことなんだよな。二人が仲が良いからってだけでそう思える人間って、人としてマズイんじゃね?(笑)というか中二か! いや、主人公はリアル高校生だけどw でも中二病の人に「世界」をどうこうされたくはないなあ。
ちょっとどうも、原作を知ってる人ありきの結論から作っていったような映画だなあと思った。
見終わった直後はそれなり面白かったと思ったのに、よく考えたらそれどうよってとこ多すぎ(苦笑)
でもその代わり、このレビュー書いてたらまったく興味なかった原作を猛烈に読みたくなったよ。(確認のために)
 
あ、映像的なとこにまったく触れてなかったけど、2Dと3Dモデリングの繋ぎはスムーズでリアルっぽかったけど、これって大友克洋スチームボーイやFREEDOM班なのね。スチームボーイは見てないけどあれってメトロポリスチームだよね。違ったっけ、大友繋がりってだけだっけ?でもなんかそういう感じw 今このレベルのもの出されても、というか、やっぱりもうちょっと「CGはあくまで手段である」と割り切った方がいいんじゃないかなぁ。これができたからスゴイって考え方がもうそろそろというかすでに古いと思う。
あと関係ないけど、絵柄自体は別にキライじゃないけど、女性キャラの胸のラインがはっきりしてるのはまだしも男性キャラの下半身がムチムチしてるのはちょっとカンベンって感じ。絵柄として古くさく見えるんだよなあ。看護師ねーちゃんの変な股座アオリとかも要らんからw
そうそう、最初のロシアに現れたっていうコミックみたいなモンスターって、ポケモンかと思ったよw
さて原作読もうかなあどうしようかなぁ‥‥