そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ヒックとドラゴン(3D字幕版)

http://www.hick-dragon.jp/

監督:ディーン・デュボア、クリス・サンダース(ドリームワークス)
 
ドリームワークス製作で監督は「リロ・アンド・スティッチ」の二人。リロ〜は見てないけど。
スゲー面白かったし、爽快だった!アリエッティのミスは空をとぶシーンがなかったからだと言いたいくらい(笑)やっぱり人は自由自在に空を飛ぶものが大好きなんだよ!(笑)空を飛ぶのはカタルシスだよな?
そしてもうトゥース超カワイイ!めっちゃカワイイよ、猛獣のカワイさだけど(笑)
話もそこそこいい話だけど、とにかくドラゴン飛翔のアニメーションが素晴らしすぎる!これだけで十分。
そういやオレ、ピクサーアニメが好きじゃないから話題の3Dアニメを見るのはこれが初めてかも知れない。 *1 だから単純に比較はできないんだけど、これはすごく出来良かった。マンガ的デフォルメキャラなのにすごくリアルなんだもん。 *2
そしてなんかもう画面スゴイ!超スゴイ。3Dアニメ、超スゴイ!3Dメガネかけてても視界の暗さは気にならなくて、むしろこれでちょうどくらい。
そもそもこの作品のキャラデザが好きなんだけど、画面の色みとか透明感、作り込みもスゴくって奥行き感とかすごくでてて、動きも丁度いい程よさとリアルさがあるし。なによりヒックがトゥースに乗って飛ぶシーンのスピード感や爽快感や動きとかがスバラシイよ!カメラワークもめちゃいい!すごく臨場感とか、画面との一体感とかあって、体感的。3Dだからじゃなくて、もう演出が超上手い!
さっきからすばらしいしか言ってないけど、ホントに出来いいんだ。細かくいえばトゥースの空中での動きの自然さとか(架空の動物なのに!)、遠目で見てもちゃんと動いてる人間キャラたちとか、過剰じゃない表情の演技とか動きとか、飛ぶシーンの演出とかカメラワークはジブリ意識してるみたいだけど、ラピュタフラップターや魔女宅のキキの飛ぶとこを思い出すなあ。豚はちょっと違うかな、あれはもっと「飛行機」って感じだから。見てる方と一体感のある感覚的な気持よさなんだよね。
そしてとにかドラゴンたちが猫すぎる!あれは完全に猫だよね、あの行動や動きやら表情やら(笑)もう超カワイイよ!猫好きは絶対見るべき! とにかくこれに関しては、見たほうがいいとしかいいようがないです。オレの文才じゃ、この映画のトゥースのカワイさやドラゴンの飛ぶシーンの素晴らしさは上手く語れない!こんなにもこの映画の素晴らしポイントを上手く的確に語れない自分にイライラするぜw
 
話の方は普通に良い話。ネットで言われてるほど素晴らしいわけではないと思うけど、90分くらいで上手くまとまってて、わかりやすくてちゃんとエンタメ。
これって別にヒックの成長ものじゃないよね。そしてオレの勘違いでなければ、劇中でまったく突っ込まれることもなかったけどトゥースの尻尾が半分なくなったのって、ヒックが最初に打ち落としたからじゃね? なんかあらすじ紹介的には怪我したドラゴンを助けたとかすっかりいい話になってるけど、そもそもヒックが発明品で攻撃したからトゥースは尻尾が片方もげて飛べなくなったんじゃないか?あのまま放置してたらトゥースはあの穴の中で死んでたよな。そりゃ人間を怖がるだろよw
ヒックの話としてはこれは親子の間の理解の話だけど、ヒックは成長したわけじゃない、単にもともと持ってた才能を上手く使うことができて、その結果、父親と村のみんなが認めてくれただけだよね。
ヒックのキャラデザって、前情報的に目にしてたときはどう見ても嵐の二宮だと思ってたけど、これってむしろアメリカのギーク(オタク)によくいがちな、内向的な少年のルックスそのままだよな。ちょっと可愛めだけどw
それで気質的にもオタク気質で、荒くれたバイキングには向いてない頭脳派、でもお父さんはバイキングのリーダーってことで息子とのことを心配しながら見てる‥‥っていう。
んで、今までのこの手のものと違うのは、お父さんは別にヒックのことを出来が悪い息子だとは思ってなくて、バイキングとして肉体派じゃないのは仕方ないけど、息子は息子なりにその才能で生きていければいいと思ってるとこだよね。ちゃんと息子のことは認めてるんだよ、それが自分の思ったものとは違うってだけで。でもヒックはドラゴンを倒せるバイキングとして役に立ちたいと思ってて頑張ってる、でもそうじゃない自分もちょっと残念だくらいにしか思ってないから卑屈でもひねてもないんだよね。
トゥースだって別に仲間に嫌われてる‥‥とかじゃないし。最強のドラゴンだし、カッコいいし。
そこら辺、そういう悪意のなさってのがなんか「今」的な感じかなと思ったけどね。そのおかげでヒックとトゥースの友情が健全な感じで描かれてるのかなと。で、そういう「健全さ」が鼻につくことないから、全体に説教臭くなることもなく、ヒックのモノローグの軽妙さとユーモアもあって、ストレートな見やすさになってるのかな。
だから物語を通してヒックは成長するわけじゃない、ただオタクがオタク故にドラゴンの生態を研究して知ったことで他のドラゴンを手懐けることができた、それは他のバイキングにはないスゴイ「才能」であり、それがバイキングのドラゴンへの誤解と憎しみを解いたと。そういう意味でヒックの賢さはバイキングのリーダーの器はある、特別な存在だよね。
まあドラゴンたちはもとよりなんでか人間を憎んでもないから(笑)、自分たちを虐げていた凶悪なドラゴンが退治されたらバイキングたちのペットとして仲良く共存する‥‥っていう、なんかストレートにハッピーエンド(笑)ドラゴンたちの元々の気質とか性格的なものはよく考えたら描かれてないんだよね。ただ人間が敵対心なく接したら懐いてくれるってだけで。だからほんとにただの野生動物、しかも人間に悪意があるわけでもないピュアな動物。(よく考えなくても今まで意味もなく殺されてたのに)
でもちゃんとヒックとトゥースが仲良くなっていくところはドキドキするというか、トゥースはしゃべるわけじゃないから何を考えてるのかわからない猛獣の凶暴さはあるんだけど、だからこそヒックと仲良くなっていくのが微笑ましいし、すごくトゥースが可愛いいんだよね。あ、ヒックもカワイイです。やっぱりいろいろキャラ的にも二宮に似てると思う(笑)
 
とにかくさ、ヒックとトゥースが空を飛びまわるところがすごく見てて爽快な気分で、クライマックスの巨大ドラゴンとの戦いも二人でひとりみたいな一体感があって、トゥースがヒックを助けるとこは、そうだろうと思っててもやはりちょっと胸が熱くなりますよ。こういうの好きだからさw
いいけどトゥースたちドラゴンは人間と一緒に生きることに何のメリットもないよな?(笑)だから「ペット」ってことなのかなあ、「友達」じゃなくて。
ヒックの最後のあれは、なんでそれを必要としたのかはわからないけどトゥースとお揃いってことなのかなー?
代償ってわけじゃないと思うけど、もしヒックがトゥースの尻尾を傷つけたからだ‥‥っていうのなら、ここのスタッフもすごいな。それでもハッピーエンドだけど。というか普通に手足ない人たちいっぱいいる村だから特別な傷害ってことでもないんだろうな。
 
とにかく、オレも見に行くのが相当遅れたけど、やってるうちに見たほうがいい超オススメ映画です。絶対後悔しないよ!特に猫好きと宮崎アニメ的な飛ぶ快感を求める向きは絶対見に行くべし。

*1:2Dの時からどうもピクサーは苦手なんだよね。人間キャラとか擬人化度合いとかが。好きなのはカーズだけ。ドリームワークスものや、「アイスエイジ」みたいなフォックス映画のアニメはすごく好きなんだけど。

*2:仕事柄ピクサーの3Dも見てる相方曰く「まったく違う」だと。やっぱりそうか!比較しなくても明らかに作品としての出来のレベルが違うもんな。 まあ相方は、ピクサーはそもそも子供向けを子供の見るものとして作ってる、こっちはそういうの考えないで作ってるってことじゃないかというとった。画面の作り自体がまったく違うと。 意識として宮崎アニメとポケモンアニメくらいの違いってことかな?