そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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Q10#2「ここは生きてゆける場所ですか? 人魚姫とオタクの恋」

http://www.ntv.co.jp/Q10/
脚本:木皿泉 演出:狩山俊輔

1話の、どう見ても人間っぽくない、明らかにロボット的なQ10に誰も突っ込まない、「帰国子女だから」で済ませてしまえるのは、「気づいているのに気付かないふり」だよな。それはさておき。
このドラマの何だかよくわかんないけどこの「世界」というものを見せていく雰囲気ってのはすごく好きだなあ。
と思って見てたら、なんだかよくわからないけどやたら泣けた。泣けたっていうか涙が出てくるんだよ。
その理由は考えてみたけよよくわからない。わからないから普通に感想を書いてみる。
多分、このドラマの「世界」というものが本当はどういうふうなものなのか‥‥というのを見せていくってのは、セクロボの構造と似てるんだと思うんだ。
セクロボの時は特殊な能力を持ってる中学生のニコがスパイをさせられることで、大人の見てる「世界」の見え方を知っていくっていう事だったんだろうけど、それはあくまで「スパイ」という特殊な仕事をしてるから、というエクスキューズがあったと思うんだよね。
でも「Q10」は、今までまったく常識的にごく普通だと自分で思っていた深井平太が「普通って何だ?」ってことに気づく話だよね。自分が普通だと思ってるのと同じ様に他のみんなも「普通」だと思ってたけど、実はみんな違ってるんだよね。
それは前回、変化に気づいていながら気付かないふりをすることが「当たり前」だと思ってたってことの続きなんだけど、「Q10がロボットであるということの普通でなさ」が、その平太の「常識的に普通だ」と思っていたことが実はそうでなかったってことに気がつくことで世界の見え方が変わってしまった‥‥ってことかと。
それはQ10にいつの間にか恋してたってのが、柳教授(薬師丸ひろ子)がいうところの「革命」というか「常識が全部ひっくり返るのが恋」というのなら、平太は先に常識がひっくり返ったからQ10に恋してたってことじゃないかなと思うんだけど、その先にあるのは「違う自分がいる、それが恋」ってことかなと。
そういう考え方のきっかけが、久保(池松壮亮)の「夜の散歩」。
役どころで言えばセクロボのマキナに当たるのが久保じゃないかと思うんだけど、死を常に意識してるからというんでもなくブラッドベリとか読んでる久保くんが、平太にとっての異界の入り口だよね。
平太が当たり前だと思ってたことと全く違う世界というか、違う価値観があることを知らされるというか。
それが久保のいう「夜の散歩」であり、中尾(細田よしひこ)の「好きなキャラのコスプレしたQ10と遊園地でデート」という、「それだけでこの先生きていけるという思い出」かな。(この場合「思い出」って正しいのかな、なんか別のものな気がするんだけど)
『ここは、生きていける場所ですか?』
Q10が民子(蓮佛美沙子)に尋ねるのは「自分らしくいられるかどうか」。自分らしくいられないのなら生きていけないってことで、そういう意味での「人魚姫」だけど、ハマってる時には気がつかないのが恋。
だけどらしくないことをして恋をしても窮屈なだけなら、じゃあ自分らしいって何だろうってまたそこに戻るわけで、小川先生(田中裕二)だって電柱が好きだということに理解を示してくれない人と付き合うのは窮屈だし、向こうだって「変なモノ」が好きな人とは付き合えないんだろう。
これ普通なら、「結局好きなことを好きだと言えるのが自分らしいってこと」とかいう結論になりそうなんだけど、このドラマって多分違うよね。ちょっと考えちゃったよ。
変なモノや人間でないものが好きだという多様性、普通じゃないことも含めて誰かに認めてもらえるというのが本当の「世界」であって、それが「普通じゃない」って知っていながらも「好きだ」といえる強さや、そういう心の支えがあれば、この無慈悲でツマラナイ世界でもなんとか生きていけるんじゃない?ってことかなあ。その中尾のつぶやきが結局すべてなんだと思う。拠り所というか。
その自分じゃどうにもならない力が「ハマる」ってことで、ある意味それは「恋」ってことで、それは反面自分を息苦しくさせるものだけど、だから本当の自分がどうなのかをもっと知ることができるし、自分らしく生きるための強さをもつことがこの世界で生きていくってことだと言いたいんじゃないかと思った‥‥けど。長いなw
そういう流されないで孤独に生きる人たちに(中尾とか民子とか、状況として苦しみを共有してくれる人がいない久保とか)対して、すごく優しいサバイバルの方法としての「恋」(=ハマる)ってのはアリだよって言ってる話かなー。
自分は普通だと思ってる平太(それとも自分は普通だと思いたいだけなのか)にも、「奥歯を押すとラの音が聞こえるかもしれない」とか「鉄塔が好きだ」とかいう変なところはあるわけで、そういう変なところはみんなあるんだよな。変であってもいいし、変でも「普通」なんだよ。

見た目が自分の好きなキャラに似てるから一生の思い出としてデートしたいっていうオタクの中尾。
好きな相手の好きなタイプになってみたけど、息苦しくてそれは自分じゃないと思った人魚姫・民子。
自分の息子がアイドルに似てることに髪型を変えるまで気がつかなかった深井母と姉、クラス委員の河合恵美子。
彼らのいう人生を変えるような「キラキラしたもの」が中身や本質とは関係ない見た目だけのことであるってことはなんか象徴的。「象徴的」とかいう言葉使うと木皿っぽいなあ、なんかわかんないけど(笑) 
ある意味見た目で騙されてしまう、本質的なことに何も気がつかない人たちか。これもニコんちの家族と同じだよな。木皿的w
自分を普通だと思う平太が、根本的なところでそういう「普通の人」とは違ってるってことには気がついてないんだよな。平太は本当は普通じゃないんだけど、普通じゃない自分が嫌だから普通だと思い込もうとしてるようにも思えるんだよね。

まあ人に変だと思われても自分の主張が出来る中尾や民子と違って、変だと思われるから好きなもののことを好きとは言えないのが恵美子と影山(賀来賢人)。普通に考えて男の子が男性アイドルを好きなはずはないと思うけど(女子的な意味でね)、仲間だと認識した途端に距離感ゼロになる恵美子はちょっとイタイな(笑)単にオタクだってだけだろうけど(笑)
んで、次回から福田麻由子?なんか秘密がありそう?

本編が思ったよりツボにハマりすぎてすげーグルグル考えすぎちゃってまとまらないんだけど、それとは全く関係なく、とにかく全編タケるんのリアクションがいちいちカワイくて今回は相当笑いました(笑)このドラマのタケるん、チョーカワイイなぁ! (*゚∀゚)=3 ムッハー
アイドルユニット18(オハコ)の片割れ二役はカッコいいしなw
あと中尾くんがハマってるキャラのコスプレしたQ10って、ミンキーモモだよあの衣装w