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BUNGO -日本文学シネマ-

「黄金風景」原作:太宰治 キャスト:向井理・優香

http://www.bungo.jp/golden/index.html
MXでやってくれたんで、1話目だけ見そこねてたやつをやっと見ることが出来ました(笑)
監督がアベユーイチで、まさに昨日見たウルトラマン映画の監督ですよ。
これ、太宰治の初恋的作品ってことらしいけどネットで検索したらちょこっと読めるくらいの短編も短編で、そこからちょっとだけ膨らましてるんだけど、解釈の見せ方って意味では原作と違う風に見えるんだけどさ。
原作読んでも一応太宰の自伝的作品ってのは頭にあるから、少々へんてこな性格でもしようがないと思ってしまうんだけど、ドラマの方は完全に、それがお慶というちょっとうすのろな女中見習いに好意を持ってるからこそ苛めたくなるという、男子特有の間違った好き表現解釈をしてて、構ってるのか辛く当たってるのかみたいなところがあるという風になってたんだよな。原作では明らかに「愚鈍なやつは嫌いでイライラする」といっていて、そこまで初恋というふうには受け取れないんだけどなあ。太宰が本当はどう思ってようがw だからそれを「間違った好意の表現」という分かりやすい描写にしたのは正しいと思う。
そのお慶に蹴りを入れたら、肩のつもりだったのに顔だと言ってものすごく怒ったってことが心の傷になって、大人になっても気に病んでいて申し訳なく思っている‥‥ってままなのはまあ太宰の難儀なところだと思うんだけど(それ自体がお慶の意趣返しだったのかもしれないけど)、お慶が今幸せになっていることに対しても太宰が素直になれなくて、しかも「負けた」と思うこと、でもその「負け」が明日の自分の糧になることだと思うことは、ちょっと病んでる(苦笑)太宰にとっての救いなのかなあ‥‥としか受け取れないんだけど。というかそう思った。
太宰みたいな難儀な人にとって、いや難儀だけどそれを自覚してて、でも普通の人のようにはなれないと思ってる人間にとっては、そういう普通に生きてる幸せな人たちがいるとか、こんな変人の自分のいうこともいいように受け取って、ちゃんと普通に幸せに思うことが出来る善良な人たちっていうのは、たぶんものすごく尊いものじゃないのかと思った。それが「黄金風景」ってことかなと。

んで向井りーは、そういう変人太宰治を上手く演じてて良かった。「人間失格」の生田斗真はナイーブなとこメインの太宰だったけど、向井りーのは変人太宰ね。まだ狂気まではいってない、茫洋とした変人(笑)
前々から向井りーには書生とか大正・昭和の文豪的な役やって欲しいなあと思ってたんだけど、そういう意味でもちょうどいい感じにハマってた。てか着物姿が似合うからか?w ちょっとだけ現代的なとこは見え隠れするんだけど、30分の単発ものだからしょうがないか。茂さんはまんま昭和の人に見えたしなw
 
あとどうでもいいんだが、今余裕ないから特に触れてないけど、徹子の部屋とか細々したやつもチェックしとります。徹子のどう表現したらいいのかよくわからないお正月柄の衣装をいいでしょと言われて対応に困るとか、ふしぎ発見で向井りーの発言に割って入って「お声がいいわね」っていったことに何気にダメだしするとか、いろいろ困ってる向井りーってのもちょっと珍しくて面白かったなw
というか徹子は普通に無礼だし失礼だよな(笑)