そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

LADY〜最後の犯罪プロファイル〜 #1

脚本:荒川修子 演出:平野俊一
面白かった!
前情報あんま入れてなくて、ちょうどお正月の昼間やってた番宣番組をなんとなく流し見して、やたら見た顔がいるドラマだなあってくらいだったんだけど、北川景子はもちろんカワイイのだが、要潤平岡祐太ユースケ・サンタマリア木村多江須藤理彩細田よしひこ小澤征悦って、オレ的にいい顔ぶれ。前期のパーリポもそうだったけど、キャストが好みの人ばかりで嫌いな顔がいないってなんて楽しいんでしょ!竹中直人はレギュラーかと思ってたらすぐ死んじゃったゲストだったけど、犯人もDAIGOだし文句なし。
ただドラマとしては、面白いんだけど続けてみたいかというとちょっと微妙かもしれない。細かいところでの詰の甘さはあとでじわじわと気になる感じかなあ。感想書いてたりするとねw
 
てか、冒頭の辺りがあまりにもMR.BRAINくさいから心配になってスタッフだけ調べたけど、そっち方向というわけでもなさそうでちょっと安心。しかし脚本が荒井修子渡辺雄介だから、どっちに転ぶかと思ったけどまったく杞憂で、これまた一安心。好みのキャストのクソつまんないドラマを見なきゃいけないことほど苦痛なことはないからな。ブラマンとかブラマンとか!(だってTBSだもん)
話は思ったより重かったけど、面白かった。むしろこれ、分量多すぎだと思うなあ。初回スペシャルで2時間ちょいあるし(多分正味で1時間40分くらい?)、ネタ的にも相当大きな事件のほぼ始まりから解決までだし、普通に映画かシリーズ小説一作目くらいの分量だと思うんだけど。それをおしげもなく初回に投入とは‥‥ブラマンなんかの大袈裟なだけのこけおどし初回スペシャルとくらべても内容的にも随分しっかりしてるしさ。
しょっぱなから児童虐待ネタってのは、苦手な人もいるんじゃないかなあとは思うんだけど、オレ、これがいい方の荒井修子でよかったなと思ったのは、ちゃんと登場人物の気持ちを描いてるからかな。
途中、そういう感情的な盛り上がりが2,3回あったし、単なる残虐な事件の謎解きサスペンスで終わってないのがいいと思う。その分見ごたえもあって、ネタのせいもあり、ちょっと見るのはしんどいんだけど、毎回こんな話ってわけじゃないよね。今回は劇中の新聞の見出しを見るに世界でも稀な凶悪連続事件ってことみたいだしさ。

それでキャラ的には個性的なプロファイラーたちの紹介って感じではなかったけど、それぞれの職分は大体わかったとは思う。でもこれ、一般的にはプロファイル自体が馴染みがないから、プロファイルにはどういうアプローチがあるのかってことをもうちょっと説明してくれたほうが分かりやすかったかもしれないかなあ。そこら辺、事件の事情の方に踏み込みすぎて設定説明自体が不足かも。香月のFBI式ってのも、他の人とどう違うのかっていうのは明言されてないし。個性は描いてても差別化で見せてないから、そこら辺がはっきりしてなくてってのはあったかなあ。なんとなくだけど、原作なしのオリジナルドラマの初回くらいは、個別の能力はわかったほうがいいような気はする。まあキャスト的にも役作り的にも見間違いようはないけどw
あとフジの「絶対零度」がそれぞれのトラウマを使命感にしていたのと違って、ちょっと分かりにくいってのはあるかもしれない。まあでも今回は香月(北川景子)の特性だけをメインに見せて、後はおいおいかな。結城(木村多江)と柘植(ユースケ)の間柄もまだわかんないし。
でもそんな中で柘植の理解者的な岡林さん(竹中直人)を出しといて、彼と香月を絡ませるとか上手いなあと思うし。それでもプロファイリングチームの立ち位置はいまいちハッキリしなかったんだけどさ。警察に出入りしてても警官ではない‥‥ってことなのかなー?よくわかんなかったよ。←と思ったらOPナレーションで説明されてました。一応技官であって警察官ではないってことみたいだけど、それぞれのプロファイリング能力についてもそうだけど、初回くらいは劇中で説明して欲しいと思う。2回目以降はOPでの説明でいいんだけどさー、最初なんか聞いてないよ。(相方は「聞いてないほうが悪い」と言うが…w)
話としては、児童虐待被害者の青年がある意図に基づいて凶悪な連続一家惨殺事件を起こして‥‥という、指してるものは児童虐待だけど、それゆえに毎回手口を変えているというのも発想として面白かったし、それ自体がメッセージだったっていうことに気がつくまで撹乱されている捜査陣やプロファイルチームが、データが増えるたびにプロファイルの精度が上がって犯人像が絞り込まれていくってのが緊迫感があってよかった。でもただの謎解きものでないから、その絞り込みの過程がカタルシスということでもないし。
そしてまさかの竹中さんの岡林さん退場が、あの理由だっていうのはこの犯人の動機として絶対必要だったと思うから、ここでこういう展開で持って来るってのは上手いと思ったなあ。あんな猟奇ではないけど犯人が自分のやってることを正義の鉄槌だと思ってるって意味では、デビッド・フィンチャー「セブン」的な感じ。
会見をして「人殺しに正義はない」と言って犯人を挑発した岡林が殺されることで、視聴者的にも「犯人が、自分がやってることを正義ではないと否定されること」がどう犯人の動機につながるのかというクエスチョンになって、劇中のプロファイリングチームと一緒に考えるというシンクロ性があるから、その後の犯人の動機やメッセージ性、残虐な手口と誘拐された子たちへの対応の真実味が増すんだと思うし。
あとは香月がプロファイルから受け取った、最初の国木田からの「僕を探して欲しい・助けて欲しい」をあんまりうまく最後で使ってないのはちょっと残念ってくらいかな。犯行動機というか、本当にして欲しかったのはそれだと思うんだけど、香月も結城さんから母親の話聞かないままプロファイルだけでそう思っただけだから、逆にちょっと弱くなったかも。まあでもそれは国木田が答えを与えられないまま狙撃されたことで、余計に被害者感が強くなったんだけど、もやもや感は残るかなあ。犯人から直接に刑事ドラマ的な正解が聞けなかったってことで。
それが「今回は」なのか、毎回なのかはわからないけど、納得出来るかどうかはプロファイル的な正解と犯人の事情との兼ね合いかなあ。むしろ捜査一課との確執は、藤堂管理官(小澤征悦)が気にいらないと思ってるってくらいだろうし。だってみんな彼らのプロファイルメモってんだもん(笑)むしろ藤堂と柘植の関係性とか気になるなあ。柘植は何を失敗したんだ?どうせ藤堂と昔は仲良かったとかだろうけどw