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第一回プレイヤー公演『Sadバラッド』


公演日:2011年2月11日(金・祝)〜14日(月) 2/14(月) 19:00〜公演分
会場:中目黒キンケロ・シアター
作・演出:笠木望
出演: Pチーム/椿隆之 齊藤夢愛 渡辺和貴 鈴木ちえ/奈須知恵果 桧野正輝 小林一徳 丸山隼人 野間清史 中村恵子 渡辺あさ美
http://ameblo.jp/sadballad/

■あらすじ
あらゆる欲望うずまく歌舞伎町を舞台に、
人間の切っても切れない「業」を鋭利に描く圧倒的舞台!
アルコール中毒で元教師の美加は、妹の美結を訪ねて歌舞伎町にやって来る。
粗末な衣装で上品に振舞う美加の態度にホストの夫・豪は我慢できず、
事あるごとに姉妹に当り散らす。
豪の友人・一彦は清楚な美加に惹かれてゆくが、
豪は彼女の恥ずべき過去の出来事を暴露して、美加を追いつめる・・・。

 
今回ももちろん椿目当てです(苦笑)
ちょっと変わった形の公演になってて、全11公演のうち椿が出るのは5公演分、あとはダブルというかトリプルというかメインの4人については同じ役を別の俳優がやるという形式。それの千秋楽ね。
元になったのは「欲望という名の電車」でそのリメイクというかアレンジというか‥‥ってなことらしいけど、椿の演技を云々する前にいうと、この脚色下手だと思う。
元になった戯曲(映画)は有名だけど見てないので今wikiでストーリー確認しましたが、これは違うと思うなあ。そのせいか、話自体すごく分かりにくくなってるんだよな。
見てたときに思ったのは、豪(椿隆之)の役をホストでDV夫にする必要あったのかなってこと。どっちかでよかったんじゃないかな。属性が多すぎてどういうキャラで見ればいいか最初わかりづらかったよ。
なんでかというとどうも原作のあらすじ見るに、訪ねてくる姉の美加が最初からイカレてるからなんだよね。この話ってDV夫の豪より美加がイカレてたら話としては成り立たないんじゃないかと。
そしてまあ最初から美加がイカレてるっぽいなあと思ったのはトランクの持ち物があまりにも怪しいからだったんだけど、そもそも設定と各登場人物の概要が説明されてないからよくわからないんだよな。高校教師って言いながら持ち物も格好も年増の娼婦ってないだろとw それってこういう話では、それぞれの登場人物をどう見ていいのかわからないから最初の設定はさっさと説明すべきだと思うんだけど。
姉と妹が言ってる「名古屋の池下」が彼女らの親が経営してた?工場だって、なんで最初にセリフで説明しないのかなあ?豪がやたらその処分したらしい財産を云々言ってるのも、彼らの関係性をはっきりさせてないから意味が分からないし。あ、豪の妻が美加の妹の美結ね。
妹の美結がDV夫の豪と上手くいってるという前提がないといけないはずなのに、美加が来てからはどうしてか美加と仲良くしてるし、それも単純に姉妹だからというにしてもその説明がないから意味不明。というか最初居候しに来たときはお互いの境遇に関して不信感ありありでぎこちないくらいだったのに。
この舞台の脚本って、その3人の力関係がはっきりしないんだよね。そこがはっきりしないとこのストーリーって面白くないはずなんだけどなあ。あとちょっと美結役の人がイマイチ役柄をわかってないっぽいんだよな。
で、一番おかしいと思うのが美加なんだけど、途中でオレ的に分かりやすく理解したところだと、桐野夏生の「グロテスク」に出てくる娼婦になっておかしくなっちゃった優秀なOLだったお友達‥‥かな。そのまんま。
だから美加がそもそもすでに精神をやんでるイカれた娼婦であることと、豪・美結の家に居候して追い詰められたのは別の話だよな。そこら辺が脚本としてはっきり描かれてないから、その家の中で何が起こってるのか、美加の精神がどう変化していったのかよくわからないんだよね。美加が精神を病んだのは、DV夫と暮らす妹の家に居候したからじゃなくて、来る前にすでに街で後ろゆびさされるようなイカれた娼婦、生徒に手を出して教師をクビになったヤバいおばさんだったから。だからそれを暴露されて、現実を付きつけられることで余計に精神が崩壊していった、それこそが悲しいことだっていう話じゃないのかな?
ということで、ちょっと脚本も演出も残念な出来かな。これくらいの規模の公演ではありがちだからまあいいけど。こういう形式だとちょっと他のグループの公演も気になるところだけど、演出は同じはずだからなあどうなんだろ。
 
とにかく、美加役の人はたぶん脚本に対しては正しい演技と解釈はしてたんじゃないかと思う。「グロテスク」でいいんならだけど。というか娼婦っていう設定いるのかなあ。単に教え子に手を出して親に勘当されて離婚して、地元にいられなくなった元教師でいいと思うのに。それならだんだん精神崩壊していくのは分かるんだけど。
妹の美結の人は頑張ってるけどちょっとどんな感情を表したいのかわからないでやってるっぽいかも。ぶっちゃけまだ下手。美結ってもっと豪のことを好きじゃないといけないと思うけどな。DV夫婦にありがちなあれな。
んで椿くんの豪は完全に俺様系ホストでDV夫でしかも暴れたあとに反省して優しくなるけど根っからヒドイ人間じゃないってやつ。むしろDVは病気レベルの人。えーと多分これすごく上手いと思う(笑)椿ってこういうキレる役やるとホントに何考えてるのかわかんなくて上手いよなあ(笑)
あとで初めの方の公演に行った人に聞いた話では、最初の頃はあまり役を掴んでなかったみたいだとか。今回の千秋楽公演のほうが断然良くなってたという話。
ちょっと噛むのも多かったし、相変わらず滑舌はよくないというか、もうこれは舌が回らないのか、仕方が無いのかもしれないけど、キレる役だから多少噛んでても勢いでOKな感じがあって、そこはギリギリセーフかな(苦笑)ただセーフだとは思うけど、舞台でやる以上、どんな役であってもセリフははっきりと聞こえるように言うべきだとは思うから、今後舞台やるなら本気でもうちょっと訓練して欲しい‥‥かも。声はすごく通るようになってきたし、そこだけがんばれ!もともと声質もいいしね。別に贔屓目抜きでも椿は役をつかめば上手いんだよな。滑舌が悪いから下手に見られるけど、だからこそそこをクリアして欲しい。ホントマジで。
あと椿くんはビール瓶を加えたまま上着を脱ごうとしてるとこがカワイかったデス (*´▽`*)
最後の挨拶はまだ役が入ったままっぽく愛想がなかったけどw、どうもまた友達なくしそうな勢いで役に入ってたらしいんで、まあそこも含めてさすが椿かなあ(笑)挨拶はたどたどしかったのに、となりの妻役の女優さんが「ご来店いただきまして‥‥」と言い間違えると間髪いれずに「ご来場でしょ」と突っ込むし(笑)
 
んで、公演終わってからだけど、椿がブログで言ってたあいつ、森本くんが来てました。ヴィジュアルはブログのプロフィール画像通りだった(笑)そちらはそちらで取り囲まれてたしねw
そして当の椿くんはー、ちょうどバレンタインで千秋楽だったんで、オレもファンのみなさんもチョコレートを持ってきてて、それを手渡しつつなぜかいきなり撮影会状態に。
いや、椿がお友達と写メってたんだけど、なんでかファンの人たちとの2ショもOKしちゃったからなんかカオスなことに。普段椿って公演終わっても劇場ロビーにほとんど出てきたことないから、オレちょっと油断してました。(寒さ対策と忙しかったこともあって、ライトにメイクはしてたけどほぼ普段着なオレ‥‥大後悔)
しかし相変わらずあまり喋らないので逆にこっちも何言っていいのかわかんなくて緊張。というかわかったよ、こういう場合、相手が喋る人じゃないと話が続かないんだよね(笑)そして何言っていいかわかんなくなるから緊張するんだよなw ああ、椿はいつでもシャイでたどたどしいです(笑)
とにかく写メ頂き!な状態だし、なんか間近で見られてしゃべってやりたい放題?、舞台も椿ウォッチとしては大変面白かったし、今回の千秋楽は大変楽しかったです。これでもうちょっと内容が良ければなあ。そこは残念。
そういや「キンケロシアター」って、なんでキンケロなんだろうと思ってたけど、どうも愛川欽也が私費で作った劇場みたいね。キンキンケロンパでだからキンケロ?小〜中規模劇場だったけど、座席とか設備はしっかりしてるし見やすいしサイズ的にも丁度良くて、いい劇場でした。