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ハンチョウ〜神南署安積班〜シリーズ4 #1

http://www.tbs.co.jp/hancho/
脚本:いとう斗士八 演出:酒井聖博
 
初回2時間スペシャル。初っ端から衝撃的な安積の狙撃シーンで、この回で回収されるシーンかと思ってたらシリーズ通して‥‥ってことですか?ビックリ。
といかタイトルバックもやたら安積フィーチャーでハードな感じだし、なんかだんだんハード路線に展開していってるなあ。
と思ったら今回サブタイトルが「正義の代償」って、重っ!キャッチコピーかと思ったら副題とな。
話自体、初っ端で安積が撃たれ、津田が爆弾テロに巻き込まれ同僚は殉職というハードに展開していっても、結局は濃い〜感じの人情話を絡めてきたなあ‥‥と、さすがのハンチョウクオリティ。
まあそこんとこは復讐のための爆弾テロ犯・結城の塩谷瞬と、復讐されるちょっと小心者でいい人?な花嫁の父・二川さんの近藤芳正さんの独壇場的な緊張感で持たせてる感じで、見ごたえありまくり。

というか、シリーズ2とか3辺りでも感じてて、さすがに今回はすごく思ったんだけどさー、犯人を説得する安積の言葉ってきれいごとすぎて、ともすると犯人たちの人生やその犯罪に至った生き様を考えると、妙に軽いんだよね。軽いというか真実味はあるけどうわべっぽく聞こえるというか。まーそれも蔵之介の芸風といえばそうだし、だからといってもちろん演技的に真実味を感じないわけじゃないんだけどさ。
言ってる内容は眩しいくらいに正しくて輝きすぎてて、それはわかるんだけど出来ないからこうなってるんだよ!‥‥っていたくなるんだよね(苦笑)
気持ち的には、安積が「人を傷つけてもいい正義などない!」って言ったときに、ちったあ結城の事情も考えてやれよ‥‥と思ったもん(笑)結城のやってることが最終的には明らかに常軌を逸してたから、安積の言動が「相対的に」正しいことになったけどさ。
結城は思考と行動が常軌を逸してるだけで、本人はちゃんと二川さんの気持ちを理解できるし、娘さんがそういう事情を知ってることも察せられるくらいに正気だったしさー。
だからその辺の結城や二川さんのドラマが重くてかなり心情に踏み込んでる分、安積のいう正しさって何だ?と思っちゃうんだよね。視聴者的にね。
うーん、分かりやすく言い換えると、安積の正義感って、犯人たちの事情に寄り添わないという部分で、人情物で親身になってて熱血なわりに、ドライなハードさなのかな。それはそれ、これはこれ的な。
犯人の事情は理解しててそれに向き合ってるんだけど、その上でそこまで非情になれるのはどこに拠り所があるのかと思ってしまうよ?いや今までのシリーズ見ててもね。
まーでもオレはマニアックな、心の暗部に斬り込んでいくような心理描写のあるものも好きだけど、ハンチョウは分かりやすく共感しやすい人情物+妙にドライでエンタメなところが、キャラクターものの番組形式と相まってるバランスなのがいいと思ってんだよね。シリーズ1みたいな辻褄合わねー人情ものよりはね。まあただ、どこに向かってるんだ「ハンチョウ」‥‥って気はするけど(^_^;)
それはこの枠が月曜8時だっていう部分でのわかりやすさってのもあるのかなと思うんだけど、そうでありながら、今回安積への「共感できなさ」に突っ込んでるっていうのがちょっと面白いかなあと思ったかな。あれ、共感できない‥‥よねえ?村雨さんの言うことくらいならわかるんだけど。というか村雨さんてもっとクールじゃなかったっけ?やたら最近ウェットだよね。

二川さんの「平和に静かに暮らしたい」「人を殺した人間は幸せになっちゃいけないのか」に、あるべき理想論できれいごとを言う村雨さんだけど、実際にはそれを上回るいい話だよな。てか二川さんの気持ちはわからんでもないけど、そう言われてもとは思う(苦笑)後悔して反省したら罪は償えるのかって話だけど、これを償えないというのも危険だし‥‥当事者以外はね。でも安積さんは何も言わないんだよなー、いいとも悪いともw
いいけど村雨さんに「あんた結婚してんのか」って聞いて、してると言われ、ああ‥‥って感じで家族には言えないという近藤さんの演技が良かったなー。そういうちょっとしたとこの脚本の説得力いいなあ。
んでひき逃げ以来、家族や世間から白い目で見られ、自殺を考えてたところを二人の存在に救われた二川だけど、実は奥さんも連れ子の娘さんもそれを知ってて黙ってたっていう泣ける展開なわけで(だから結婚後の改姓のことも奥さんはわかってたんだよね)、普通ならそのレベルで収まるのが人情刑事モノなんだろうけど、安積のキャラがそれをはるかに超えてくんだよね。
結城のやったことは、復讐はもとより当然自爆して死んで済む話でもないんだけど、彼は計画的な爆弾テロで計3人殺してるから捕まればどのみち死刑だよな。それがわかっててあの説教をする安積の容赦無さってある意味すごいと思う。罪を憎んで人を憎まずというのとも違う、人は行ったことに対して自ら責任を取るべし!という容赦ない絶対性というか。そこでぶれない揺らがないのが相当な意志の強さだし、なんか今回は特に刑事の枠超えてるんじゃないかと思うんだけどなー。人質を突き飛ばして自爆しようとしたところをすかさず撃つとか、鬼だよなw
それが最後の謎の「偽善者」のメッセージで突っ込まれてんだよ?今後の展開、ワクワクするよなあw というか安積さんのは「偽善」なのかなあ?
偽善者というからには、送った人間は安積のそういう正義感にダメだししてるわけで、そこを突っ込む話で、タイトルバック的に安積と安積班メンバーの乖離というか、安積を信じて付いてきてる刑事たちはどうするのか‥‥というとこか。
本当にここのスタッフというかこのドラマはみんな安積さん好きなんだなあ(笑)
安積を狙撃する犯人とメッセージを送った人間は誰なのか、というか署内の机の上に置かれてるんだから署内の人間だろよ?まさかカネゴン?(なわけねーか)
 
どうでもいいけど、宇梶さんはよー(笑)宇梶さんの演技がそう見えるってことはまったくないのだけど、どうしても端々で頭の中で「素晴らしい!」とでかい声が響いて困りますよw そしてまた村雨さん引きぬきネタかー。ライドベンダー隊の隊長に‥‥じゃないよね?(笑)てかケーキでも買ってやれって、ケーキは会長(違)が作ってあげてください。ハッピーバースデー!新しい村雨くんの誕生だよ!(違)
村雨さん、前回は安積がいるから嫌だって言ったけど、今回はもう決まった話みたいだし、村雨流理想論と安積の正義感は反目するとか?
どうでもいいけど、二川さんの奥さんの中島ひろ子が思った以上に老けてて最初分かんなくてビックリしたけど、あれ役作り?だったらスゴイなー。さすがだ。娘さんが必要以上に可愛くない、ちょっとぶちゃカワ系なのもイイ!w まああれで結城がちょっとでも救われりゃいいよな、と思う事件であった。近藤さんのあの役の説得力もスゲェw
結城と二川のやりとりに娘さんとこ、オレちょっと泣けたヨ、初回からやられたぜw