そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

スカイライン-征服-

http://skyline-movie.jp/
監督:グレッグ・ストラウス 、 コリン・ストラウス 脚本:リアム・オドネル、ジョシュア・コルテス

 
もっとB級かと思ったら思ったより面白かった!ちなみに言っとくと、オレは「ID4」はおバカ映画として大好きですよ?もちろんシャマラン映画で一番好きなのは「サイン」です(笑)
「2012」アバター」とかの映像を手掛けたVFXチーム、Hydraulx(ハイドラックス)による、大手制作会社が噛むとやりたい事できないから自分とこで超大作に見えるVFXてんこ盛りのインディペンデンスなSF映画作ろうぜ、俺たち実績あるしよー‥‥ってことで作られたらしい。大作風だけどパンフ見たら制作費100万ドルとかいってんの。超低予算じゃん!
映像的にはものすごくハイクオリティ。だけどメインキャラはじめ余分な登場人物がいなくて、しかも場所移動するわけでもないからどう考えても予算はVFXに回してるよね‥‥?ってのは想像つくような映画。これ以上は内容ネタバレになるからやめとく。

B級だけどおバカ映画ってわけではなくて、評価しづらいけどものすごく真面目に作ってるから、惜しいとこでA級にはならないけどAとBの間くらいって感じかなあ。言い過ぎかなあ、まあどっちかというとB級だけどね。
クリーチャーがキモ系だからロマンチックさはまったくないけど、約1時間半、見てるあいだのハラハラドキドキっぷりは半端なかった。カップルの話でもあるからデートムービーには最適!
宇宙戦争」で一番ドキドキしたのは廃屋に隠れてる時に侵略PODの触手が主人公達を捜し回るところだったけど、ほぼ全編あんな感じ。
何より驚いたのがラスト。
まさかそんなラストとは‥‥というか、こういうラストを正面きってやった映画は初めてじゃなかろうか?
この映画の感想としてはパンフレットの高橋諭治さんっていう映画ライターのレビューがかなり的確。確かにこのラストは「ID4」で真面目に敵宇宙船に侵入する作戦とか、「サイン」で本当に宇宙人を出してしかもバットで殴り飛ばすのに匹敵するくらいに呆然とするよ。いやそうなるしかないってのは当然だけど、そこでそうくるかー‥‥というか。いやこれ以上はネタバレになるのでやめとくw
ただ宇宙船に吸い込まれていく主人公カップルが、空を舞いながら愛を確かめ合ってキスするとこは笑うべきかどかちょっと迷った(笑)やーだって、そんなことを真面目に実写でやるとも思わんからさー。エウレカセブンかよと思ったよw
全体には「クローバーフィールド」と似たようなアプローチではあるけど、逆にこういう描き方をすることで妙にリアリティが出てくるのも確か。そういや「クローバー〜は」全編ほとんど夜だけどこっちはほとんど昼間だね。宇宙人の怖さはどっちも同じくらい。よく見えなくても怖い、よく見えても怖いw
そしてあの最後をアリと思わせることとか、こういう破滅的なSFがありかもともわせるのが、登場人物の行動がすごく「普通」だということというかなあ。
とにかく普通。この手の物にありがちな過剰にバカなことするキャラもいなければ、ラッキー続きでありえない状況を生き残っていく主人公もなし。一応明らかにいてもしょうがなさそうな人から死んでは行くけどね。まあ主人公がトム・クルーズってわけじゃないんだからあんまり生き残る担保にもならないんだけど(そもそも主人公カップルはふたりとも最初に光を浴びてる)、ヒーロー的かといったらそうでもないというか、彼の行動が正しいかどうかもわからんのだよ。人がそういう状況になったとき、どうするのかって意味では。まあ冷静で論理的な意見を言ってたマンションの管理人はカッコよかったけどな。それもちゃんと最初にそういうキャラだと見せてるし。まあお友達は残念だったけどそれを悲しむ様もわりと新鮮だった。いやこれ以上はネタバレになるからやめとく。
とにかく尺は短いんだけど、余分なことは潔く削って最低限の情報だけ入れてるけど、必要なところはちゃんといれとくってのが出来てるし、登場人物少なくて場所もほぼ一箇所だからものすごくコンパクトにまとまってて退屈するヒマはないかな。
本当に最後にああーと思って一息ついたところでいきなり終わりという、いろんな意味でこの映画は、楽しめる人にはものすごく楽しめると思うよ。まああまり内容を語るような映画ではないから、ほんとにこのドキドキハラハラと映像美を楽しむって感じ。
映像はすごく良かった。

宇宙船とか侵略(人類吸引)の映像が美しいってのは当然だけど(本当に美しいんだ!)、カメラの撮影構図とか対象物の捉え方がすごく上手くて、「見た目映像」に近いっていうのが一番の理由かな。しかも昼間なんだよね。明るいからよく見えるのがまた怖いんだw
「クローバー〜」は計算し尽くしたドキュメンタリー風のハンディ画面でリアリティを作ってたけど、こっちはあくまでも「自分がそこにいたらこう見えるだろうなあ」という雰囲気でこの手のSF映画の画面のセオリーを外してきたところとか。場所がほぼマンション内だけだから、そこから見たらこういう風景が見えるだろうってとこにありえないものがあるっていう非日常感というのがね。
マンション内だけで済ませてるわりに逃げまわるさまが妙に細かいなあと思ってたんだけど、あとでパンフ見たらどうも監督の住んでるマンションだったらしい。しかも自分の部屋で撮影‥‥(笑)本当にすごい低予算映画だよw(ただしあの部屋が監督の部屋だとすればすごくいい暮らししてるよ!アメリカのクリエイターはいい暮らし出来るんだなあ!)
オレ的にはオススメ映画。これ以外と秀作だと思うよ、「クローバーフィールド」くらいには。
ラスト、続編あるのか‥‥?と思ったけど、予算と日程の都合さえ付いたらあるらしい。エンドクレジットのジオラマフィギュアはその続きだったら面白いのになあと思ったんだけど、続編映画だとそれはそれで微妙な気はしなくもないな(笑)
 
おまけ。YouTubeの特集映像→映画『スカイライン-征服-http://t.co/sSoTx3X