そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

グッドライフ〜ありがとう、パパ。さよなら〜#10

http://www.ktv.jp/goodlife/index.html
脚本:大島里美 演出:白木啓一郎
 
わっくんには教えないまま、パパ入院す‥‥の巻。
わっくんどころか華織さんにも教えないままわっくんを預けて親権を渡すといい、そのままフェードアウト‥‥ってことか?それは酷くないかなあ。七海ちゃんも酷いって言ってたよ?
本人は死を前にしてキッチリやり残したことがないように整理をつけてるけど、残された人たちからしたら後悔ばかりが残ると思うよ。わっくんが冒頭で言ってるように、「僕はパパに何をしてあげられたのだろう?」ってことだけど。
普通は何で教えてくれなかったんだ!っていうに決まってるじゃん。華織さんだって奥田さんだって‥‥
ないだろうとは思うけど、もしそこでわっくんが事故で亡くなったりしたら、大地はどうするんだろうな。最後にわっくんの記憶に残るように会っておけばよかったと思うだろうか?
それが突然であってもわかっていても、残される人にとっては「○○していれば」という後悔しかないなんてのは、雪村教授の話聞いてたらそう思うだろうに。大地のこの自己完結的な割り切りの良さってなんだろう。子供の頃の記憶なのかなあ。父親に殺されそうになって置いて行かれたという。まあ前回そこにはあんまり突っ込んでなかったけど、そういう曖昧さや割り切れなさや理由の無さもある意味リアルかもね。
リアルといえば華織さんの「わからなさ」ってすごくリアルというか、現実的には微妙だなあ。
頭が悪いわけでもバカなわけでもないのに、「そういう事に思い至らない普通すぎる人(女性)」というさじ加減が上手いよなあ。ドラマってもっとわかった言動するのが普通だと思うんだけど、華織さんって何かおかしいと思っててもそれについて想像したり調べたりはしないんだよな。ああ、そうだ、「想像力がない」って感じかな。美術系のキュレーターしてるのにな。
大地が変わったと思ってたのは普通に感じることだけど、それだって少なくとも大地がわっくんのために仕事を変わったりやめたりしたことについて何も感じないのは、単純にもう関係ない人だと思ってるからっていう以上に鈍感だと思うんだよ。わっくんに何かあったんじゃないかってことは考えもしないんだよな。
そういう華織さんの鈍さはこのドラマの中ではすごくリアルだし、大地がこの期に及んでわっくんにも言わずひとりで死を迎えようとしてるのも、本当にそういう状況の人がどう思うかということでいっても傍から見てて「最善だと思えない」というのがリアルなのかもしれない。
まあこのドラマの筋立て自体、子どもの白血病が治ったら父親がすい臓がんっていうことがあろうがなかろうが原作がそういう話だからしょうがない、そこで泣かせにくるのがあざとくてもしようがないって話だけど、やっぱりこのなんだか不器用にしか生きてない大地のやることをずっと見てた視聴者としては、わっくんをあえて邪険に扱って突き放すってのもしようがないのかな‥‥と思うほかないというか。
いつか分かってくれるって大地は言ってたけど、確かにわっくんならわかるとおもうんだよ。丸山先生や七海ちゃん、雪村教授からそのことを聞くかもしれない。でもわかったからと言ってそれが後悔にならないなんてことはないと思うんだよなあ。
まあこのドラマの欠点は、そこら辺の機微があまりに上手く描かれてるせいで、逆に感情移入できなくなってるってことじゃないかと思うんだよな。
むしろ韓国ドラマの原作みたいに突込みどころ満載のほうが、あり得なさ過ぎて「泣く話」として何も考えずに泣けるのかもしれないな。感動して泣きたい人や、分かりやすい話を求めてる人には(苦笑)