そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳・後期

http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H230607kuniyoshi.html

太田記念美術館>>前期「豪傑なる武者と妖怪」:6月1日〜6月26日
          後期「遊び心あふれる西洋の風」:7月1日〜7月28日
 
後期にも行ってきやした!
だまし絵的な作品や、擬人化もの多数。あと美人画とか風俗画かな。
確かに美人画や風俗画って写楽や広重なんかが有名だったけど、何で国芳ってそんなに注目されてなかったんだろって感じよ?
オレらの年代だとほら、永谷園のお茶漬けに浮世絵カードが入ってた世代で、それで知ってるってのもあるんだよね。ちなみに最近、「安藤広重」がいつの間にか「歌川広重」になってるのを知ってビックリよ?今年読売新聞で広重の版画集が特典で付いてきてて、それで初めて名前が変わってることを知ったんだけどさー。
それはさておき、今回は面白おかしい作品が中心なせいか、たまたまなのか、やたらお客さんが前期より多かったような気がするよ。まあ猫作品とかたくさんあったしね、ご高齢の奥様方にも分かりやすくて受けがいいのかも。(いいけど休憩して私語すんのやめてくんないかなー集中できない)
そういや、天保の改革で役者絵禁止になったってことで、頭が動物のなぞらえ絵みたいなものをたくさん書いてるんだけど(あれは風刺というよりはもっと気軽なお遊び絵だと思うな)、ああいうものの意味って今まであんまりかんがえたことなかったけど、描いてる方の思惑はともかくとして、後世に残された歴史的資料としては当時の人がどういう格好をしてどういう暮らしぶりだったのかを知る手がかりってことだよね。禁止されてても書かないよりはそれでもかくっていう意味としての価値があったってことで。いやそういう意味自体は知ってたけど、それが風俗資料として残るだろうと思って描いてたわけじゃないよなあ。それがあれだけ揃ってて、しかも動物ヘッドだとやっぱりちょっと人間のやってることを小馬鹿にした(いい意味で)感じもあり、それが歴史の資料になってるって意味での面白さもあり、なんか昔の人の洒落心って改めてすごいなあと。
自分が描いた武者絵を入れ込んでのパロディ的な美人画とか、なんかいろいろアイデアスゲーよ。
まあでも着物の柄とかは国芳オリジナルなんだよねえ。資料にもなるけどそれ以上にクリエイティビティにトンでるってのもすごいなあ。いや当時の人はあんないい柄の着物は着てなかったんだろうけど。そういう意味ではアートというか、ファッション誌みたいな位置づけもあったのかなあ。あの当時の女子たちが「ああ、こんな素敵な着物着たーい」と身悶えてるのが眼に浮かぶよ(笑)ま、お金持ちはお金持ちでなんでも出来たみたいだけど、それ以上に政府が絞めつけてんだから、なんともな。
というか、やっぱり明らかに国芳って異能的に上手いよねえ。
まあ北斎にしろ広重にしろ写楽にしろ何を好むかは趣味の範疇でいいけどさ。何をどうしてそういう表現になったんだ?って意味では、あんまり良くは知らないけどジャンル選んでないって意味で、なんか国芳はスゲーw しかも本当に動物や子供が好きだったんだなあと‥‥。どうやったらそこまでそれ一筋に集中できるんだろ。しかもあんなに多作作家なのに。
可笑しかったの役者絵を亀になぞらえてたのが、版元が売れるだろうと見込んで2000枚刷ったけど実際は150枚しか売れなかった‥‥ってコメントがあるやつ。何であの亀絵が2000枚売れると思ったんだ?猫や雀ならともかく。というか売れなかった残りの1850枚はどうなったんだ?
オレが好きなのはあの壁の落書き的なやつね。あれいいよなあw
今月いっぱいだし、面白絵が中心なのでお暇な方はぜひ。
ほんとに江戸時代って、文化的すぎてオカシイよなあ‥‥
 
あとこないだ新聞で紹介されてたんだけど、どうも今、国芳の回顧展は2つ回ってるらしいんだよね。
ひとつは「没後150年 歌川国芳展」で大阪でやってたやつはこれみたい。今は静岡でやってて8月21日まで。(前期は今月いっぱい)その後12月17日〜来年2月12日までは六本木の森アーツセンターギャラリーで。
こっちの回顧展はこの太田記念美術館が皮切りで今月いっぱい、そのあと滋賀・佐川美術館(9月6日〜11月6日)、福島・郡山市立美術館(11月12日〜12月25日)らしいです。
肉筆画もあるけど、版画という特性上同じものがあるからあちこちで違った切り口で回顧展が出来るってことかなあ。
調布のやつとも違ってたんで一応図録も買っといたけど。