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脚本:小林靖子 監督:田崎竜太
『正しいのかもしれないけど、でもそんなのつまんない。もっと欲張っていいじゃない。映司くんもアンクちゃんもお兄さんもーって、ちゃんと欲張れるのは、比奈ちゃんだけよ?』
なんか先週からの続きで映司とアンクが海の中でもみ合ってるからなんとなーく諸田監督のような気がしてたけど、それにしちゃ演出がヘンテコだなあと思ったら最終2話は田崎監督だったか。どーりで(笑)
あと田崎監督は鴻上会長にあの朱赤のスーツ着せるの好きだよね。結構な頻度で着てなかったっけ?
いいけどオレ、プトティラの造形好きだなー。なんか基本形タトバコンボよりなんとなく好きかも。というかアンクと対決してるのがプトティラってことは、逆に言えばタトバは真の敵のために取ってあるってことだよね、展開として。まあぷプトティラは映司のグリード化の象徴みたいなもんだから、アンクとの対決でってのは妥当なんだろうけど。
まあ真の敵って誰よって話ではあるけどさ。ドクターか?それとも自分の欲望との対決とかいうベタ展開なのか?w
ということでドクター真木は相変わらず最後まで笑わせてくれて素晴らしい!(笑)
あの状況でまさかのその展開って、ここだけ田崎監督グッジョブ。キヨちゃん投げちゃダメー!キヨちゃん流された!メガネも流された!そしてドクターは泳げた?意味ワカラネエ。しかもキヨちゃん、ボブ・マーリー?(爆笑)
冒頭のアバンから緊張感あふれるシーンだったからねえ。いい息抜き。ドクターは相変わらずグリードになっても面白いなあ(笑)
アンクの方は、映司の「ありがとう」ですっかり満足しちゃったみたいでヨカッタヨカッタ‥‥ってことでいいのかなあ。まあお話的には盛り上がったからオレも満足です。願いというか欲望が満たされたところで潰えるのも、まあ滅びの美学的にありだしな。
ドクターにコアメダルを破壊されかけてセルメダルをまき散らしてぐったりって、人間で言えば内蔵まき散らしてるようなグロ映像になるとこだよなあ。
『まったくだな‥‥しかもバカバカしいのはさっきからずっと、満足してるってことだ』なんだかこんな素直なアンクたんは初めて見た気がするよ、この最後の最後になってやっと素直に。知世子さんの調教の甲斐があったのか?(笑)
まあドクターがコアメダルにひびを入れたからってのもあるけど、満たされない欲望を抱えているのがグリードなら、どのみち仮初にも肉体を得て人間らしい暮らしを体験して、欲望が満たされて満足してるアンクはもうグリードじゃいられないんだろうし。
というか、だからこそグリードから進化するってことはないのかなあ?単なるメダルの塊が命を得る何かが。他のグリードはコアが壊れたらそこでお終いだったけど、それはアンクみたいに欲望の形が最後まで見えなかったからってことは。そういう欲望そのものじゃなく、その欲望の目的が見えることって「メダルの器」と同じじゃないかしらん?
比奈ちゃんが全部取りするつもりなら、アンクも何か新しい命を得てもいいような気はするけど。
というか、そうか、比奈ちゃんは当事者じゃないからこそ、全部取りという欲望をいい意味で無責任に言っちゃえるってことかなあ?知世子さんのいい加減さと動じなさはなんか尊敬するよな。いいなあ、あんな人(笑)身近にいたら大変そうだけどw
あとはもう、映司の助っ人に行くアンクの最後を見届けたいってことかなあ。いい方に転べばそれはそれで。別段どうなっても文句はないような気はする。なんとなくみんなハッピーに終わればいいね。
それよりいきなり欲望全開の映司くんだけど、オレの最近の心の中のマイブームは「目的は手段を正当化するか?」なんですが、まさにそういうコトじゃないかなあ。
『俺思い出したんです、俺の欲。力です。どんな場所にもどんな人にも届く俺の手‥‥力‥‥』
はいいんだけど、力は正義にも悪にもなるから使いようなんだよね。
映司くんって今まで欲望自体描かれてなかったってこともあるけど、結局「何をしたいか」というよりそれをするための「力」が欲しいとなると、どのみちそれを手に入れるかどうかってとこで話が収まるわけで、こないだもいったけど555の敏樹先生の場合とかと比べると、その力を手に入れたあとどうするかっていう視点が抜けてて、靖子たんの脚本にイマイチ乗れないのはそういうとこなんだけど、キャラの生き様が見えないんだよなあ。生き様ってのは「感情」だと思うんだけど。(オーズ的にはまんま「欲望」か?)
そういう意味で、傷ついて感情を押し殺して抜け殻になってた映司の望んだものと、この物語の行き着いたこの展開ってのは、まあオーズという物語としてはわからんでもないけど、やっぱりなんか理詰めなお話って気がしなくもなく。何か揺さぶられないというか、先週の映司とアンクが思ってることぶつけ合うこの展開まではね。
そもそも映司が最初から生きる目的を失ってるってことで受け身のキャラだからこそ「欲望の器」にふさわしいって話で、そういう受動的な願いの叶え方がなんとなくやっぱり武部Pってこともあってキバに似てるというか(まだ感想書いてないけど夏の劇場版がすごくキバっぽかった気がするし)、キバの渡の、誰かが手を差し伸べてくれないと自分の殻を破れなかった受動的な女性っぽさと被るんだよな。
その映司くんが自分の欲望を自覚した途端に男性的な欲望の発露みたいな「力が欲しい」という、欲望が目的化しちゃったというかそう見えるというか、言うにしても『このメダルは渡さない‥‥手に入れた俺の力‥‥!』ってストレートすぎるだろっていうか、何の為に誰のためにという本来の目的を見失うのがなんというか。
伊達さん(大人〜)があっさり指摘する通り『その手見てみろ!そんな手で何つかむっつーんだ、何を守る!どこに届く!』だったり、成長した後藤くんが言うように『何でも一人でやろうとするな、火野!』だったり。グリード化したその手じゃ誰とも手を繋げないと思うな。比奈ちゃんはそれでも気にせず手を繋いでくれると思うけど。
繰り返しになるような気もするけど、もともと映司くんの「誰かを救いたい」欲望って、家が政治家で裕福で力があったという、そもそも自分で手に入れたものじゃないものがバックボーンなんだけど、それに気がついてない「出来ると思う万能感」って子供みたいなもんなんだよな。
わざとなのか予定通りなのか分かんないけど、映司くんが自分の欲望を自覚しないまま手に入れたオーズの力を使うことに目覚めていくっていう描写がなかったせいで、そこら辺がわかりにくくなってるってのはあるんだけどさ。もちろん注意深く見てたらそこはちゃんと抑えてるんだけど、それってじみじみ描くよりどっかでイベント的に描いてもいいことじゃないかなあ?
その辺で、仮面ライダーもといバッタヤミーの時(21,22話)や、高校時代の親友の話(33,34話)で描けたはずなのにと思うとねー。(あ、どっちも靖子たんじゃなく毛利さんだよね)
すでに「欲しかった力」を手に入れてた映司が「アンクに感謝する」ってのを最後に持って来たかったんならまあこれでもしょうがないけど、そもそもがつまり目的地がそこっていうのが、仮面ライダーの物語としてのフラストレーションが溜まるってことだから‥‥ああなんかモニョモニョ。自分探しは見つかったところが終わりじゃなくて、物語としては見つけた自分が何をするかってのを見せて欲しいなあと思ったり思わなくもなかったり。というかその先を見せてよ。
どちらかというとこれって靖子たんの芸風というより、キバ見るに武部さんの芸風だよなあ。
ヒーローと正義の有り様を捏ねくり回して模索した白倉さんも中二といえば相当中二だけど、自分探しが目的化してる武部さんも相当なスイーツな気がするよ?ヒーロー物としてどっちもありだけど、やっぱり自覚したその後は描いてほしいよ。オレ思うに。 *1
まあそこら辺、なんとなくそう思ったってだけで、番組的物語的に好きか嫌いかでいえば好きだし、最後は面白かったんでいいです。まだ終わってないけどw 先週今週の映司とアンクのぶつかり合いとか相当テンション上がったしね! (*゚∀゚)=3 ムッハー
まあ単なる分析ってだけね。
このまま最終回で盛り上がって、上手く大団円に落ち着いてくれたらいいかなあと。
そういや比奈ちゃんと信吾が映司のことを都合のいい神様みたいって言ってたけど、メダルの器になって完全なオーズになるってことは神になるってことだよね。すべての欲望を叶える。
そうなると鴻上会長の映司くんへのプレゼントがなんなのか、あの箱のサイズだとメダルな気がするんだけど、ジョーカー的な使い方出来る万能のメダルとかあったりするのかなあ。それでアンクたんが助かればいいね!
ところで地下倉庫(里中ちゃんは最後までカッコよくて漢らしくてステキだった!w)に劇場版で使われたメダルをはめるパネルがあったんだけど、あのパネル、劇中で壊れてるから、最終回のあとってことでいいんでしょうか?(笑)