そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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花ざかりの君たちへ イケメン☆パラダイス 2011 #10,11(終)

http://www.fujitv.co.jp/hanakimi/index.html
■10話 脚本:山上ちはる 演出:都築淳一
■11話 脚本:半澤律子 演出:松田秀和
  
うーんとね、これやっぱり前作より面白かったわ。少なくとも話しとしてはオレはこっちのほうが好き。
前田のあっちゃんも、アップで顔だけ見たらなんかどうにもこうにも好みじゃないなーと思うんだけど、話の流れの中で見てる瑞希はとても可愛かった。堀北ちゃんの瑞希より全然可愛かったよ。健気とかっていうんじゃなく単純に一途で可愛かった。
たぶん、佐野が中村蒼くんで、蒼くんの佐野がとてもナイーブな感じだったからというのは大きいと思う。オグリンの佐野は面白いし好きだけど、どうも多分に「中身変な人」というのがにじみ出てるオモシロさだった気がする。まあそれはオグリンのせいじゃないんだけど、前作のカラーはそもそもそういうお祭り気分のイケメンドラマだったってことで、今回のイケパラは「ちょっと一途な女の子がやらかしたファンタジー設定の少女漫画の恋」ってことだよな。
 
10話に関しては前の感想でちらっと言いかけたけど、オレ前作でもこの瑞希の女バレのくだりって好きじゃなくて、それは瑞希が女だってわかったことで「仲間じゃない」だの「裏切り者」だのといいだす他の生徒たちの気持ちがまったく理解出来ないからってことね。
前の時より話として多少マシなのは、桜咲学園全体が廃校を何とか撤回しようと動いてるってことくらいかな。その中の異分子=学園の生徒として不適格だから‥‥という意味ならまだわかるんだけど、「女だから」仲間じゃないとか裏切ったってのはまったく意味がわからないんだよ。別に先生側についたわけじゃなかろうに。
しかも、疑われるのは嫌だろうといって寮生が寮内を家捜ししていく‥‥って描写がものすごく不快。脚本的に、単に「誰が女なのか証拠を見つける」でもいいはずなのに、そこで妙な大義名分で正当性を主張するのがとても不愉快。戦前の特高警察か?寮生を疑うことが正義で、しかもその身の潔白として証を立てることがプライバシーより優先するとか、ありえないよ。
ちょっとドラマからは脱線するけど、こういうのはもうちょっと脚本演出的に考えようよ‥‥(-_-;)
そういうのもあって、この話はまともに見たくないくらいヤダな。そこの件、もうちょっと別の状況設定に出来なかったんだろか?
中津の話も、「俺は男を好きになったのか?」と悩む部分は少なかったとはいえ(萱島がいてくれて本当によかった)、なんでお前瑞希のこと好きだったんだよー!と思うこの展開はまったく納得いかないです。男だと思ってたけど好きだった‥‥というにはタイミング外しすぎ。薄々女だと気づいていたから、中津は自分の瑞希に対する好意を肯定できてた‥‥ってほうが良かったなあ。佐野は早いうちに気がついてたんだから、中津だけ男相手に男を取りあってると思ってたって、マヌケもいいとこだよ。
まあそこだけスルーすれば、中津を慰める萱島とかとてもよかったんだけど、とにかくまったく瑞希絡みのそこら辺の話が頭に入らなくてよくわかりませんでした(苦笑)もーマジだぜ。
とにかく、女だとバレて瑞希が退校処分なら当然だし理解できるんだけど、なんで三寮長が退学になるんだとか意味わからなさすぎる。これ、原作通りなの?
てなことで、佐野が飛べたってのは良かったんだけど、肝心の話の方はまったく頭に入らなかったよ。脚本家は‥‥ああもう言うまい。まあ多少ネタ的に割を食ったってのはあるかもしれないけどさー。
  
打って変わって最終話はとてもよかった。
瑞希が理事長に、思い出を作れたことが良かったんじゃなく、みんなとの楽しかった思い出を得たことでこれから背筋を伸ばして進んでいけると言ったことが、ほぼこのドラマの言いたかったことだよね。まあ更に言うと、理事長のさくらさんはその手に入れた思い出を活かすことまで考えろってことだけど、それを相手に伝えることが活かすってことなのかなあ。彼女の謎かけは難しすぎてわかりづらいんだけどw
まあだから、瑞希が仲間たちとの思い出をもらったというのと同じように、寮生たちも瑞希がいたからこそ、廃校寸前という状況でみんなで盛り上がれる思い出を作るだけじゃなく、廃校を阻止して学園を残すことができたんだよな。それは瑞希が佐野のために一生懸命だったという前提での物語になり得たと思うんだよ。なんとなく、そういう仲間同士の繋がりが相手に影響しあってみんなでいい方に向かっていくというのが、学生時代のいいところって気はするかなあ。このドラマのよかったとこって、ただのファンタジーな少女漫画の話じゃなくそういうかけがえのない十代の一時期を楽しもうというメッセージ的なものが込められてたと思うんだよね。そこらへんが単に賑やかな「ザ・男子校」的なお祭り騒ぎだけだった前作よりも良かったと思えたし。

瑞希の無茶を保険医が肯定し、ブロッサムの副会長が認めて、そして難波母が後押しすることでもわかるけど、そういうありえないことをやってしまうくらい一途な思いを持っていたってことが、瑞希があの男ばかりの学園の中で輝いていた理由であって、佐野の心を動かした力ってことだもん。
ただ難波母が大人として瑞希の恋をああいうふうに後押しするのはわかるけど、お話として瑞希の佐野を飛ばせたいという思いと佐野を好きだという気持ちは一緒じゃないし、瑞希があの学園にいる限りは一緒にしたらすごく不純な話だと思うんだよね。でも佐野からしたらそれって分けて考える必要のない話で、「瑞希が好きだ」で済んじゃうことなんだけど、だから瑞希が学園を離れたらハッピーエンドになるのは当然と言うか。まああの二人の恋は、そういう簡単なことで済む話だったんだよな。それもまあ佐野が瑞希のお陰で飛べた、女の子とわかってても、瑞希が恋愛絡みでなく佐野を応援する気持ちがあったからという事実があってこそだけど。
前回女バレでハブにされた云々の騒動が本当に意味ないと思うんだけど、まあ瑞希がそうとは知らずみんなのことをどう思っていたかというメッセージを残したことは、女バレ云々の話には係ってなくて、単純に今まで過ごしてきた時間が確かな思い出としてみんなの心に根付いたって話であって、それが瑞希が理事長に言った「みんなとの思い出が今の自分を作って、前に進む力をくれた」ってのと同じく、残されたみんなも同じなんだと思うんだよね。
その御礼があのパフォーマンスであって、みんなが掴んだのは楽しかった思い出じゃなく、その思い出で強くなった自分であるということで、それが学園を存続させたんだから瑞希がいた意味があったってのが、逆に学園を去ることになった瑞希に対してのエールであるってのがちゃんと繋がっててよかったんだよ。オレ、ちょっと泣けちゃったもん、あのパフォーマンスのとこで。
樹里さんの「エールを送っておられるのです、芦屋様に」のタイミングもなんか良かった。あそこでポロッときた。「翼をください」もなんか良かった。最終回っぽいよなあw このへんなんか理屈じゃないよね(笑)
あとまあみんな時間ないのに頑張ってあれを練習したんだろうなあ‥‥と思うと余計に微笑ましく何か込み上げてくるものもあるんだけど(笑)つか佐野は完全にキャラ違うよなーw
前作と終わり方はほぼ一緒のはずだけど、なんか印象が全然違うんですけど(笑)わりとながらで見てたはずなのに、なんか最終的にはすごく面白かった気がする。
オレ的には瑞希と佐野の恋が叶ったとこじゃなく、中津の答辞の文章がクライマックスです(笑)あの答辞が今回のドラマの集大成です(笑)てか、前回どんなだっけ?(全然覚えてない…)

そしてどうでもいいけど、瑞希は女の子に戻ったあとよりも、桜咲学園で男の子のふりをしていた時のほうがカワイイ気がするよ(笑)
寮生のみんなも、なんか瑞希に関わってた子たちは、みんな最終的にはすごくカワイかった。瑞希のメッセージを心待ちにしてるとか、前回(どころか最終話冒頭でも)あいつ裏切り者だ許せないとか言ってなかったっけ−?と突っ込みたい気もなくなるくらいにw
まあ視聴率的には振るわなかったし、特撮イケメン枠の人の評価ですら低いみたいだけど、前作はイケメンをカタログ的に楽しむドラマであってお話として決して面白くなかったどころか不愉快ですらあったから、オレは断然こっちのほうを推しますよ。最終回でやっと野江とか中央の顔の判別がついたくらいだけどw
萱島とかカワイイかったよなあ。れんれんの難波先輩も最終的にはあれくらいでよかったかな。
佐野も中津もあの二人で良かったし、そして佐藤祐基も最終的にはちゃんと蒼くんと同じ高校生に見えてたw そしてこのドラマの斎藤工がめちゃカッコよくて惚れるw 最終的にゲイっぽさもあまり感じなくなったし。なんかキャストもいろいろちょうど良かったよ。