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ルパン三世 血の刻印〜永遠のmermaid〜

監督:滝口禎一 脚本:土屋理敬 演出:富沢信雄 総作画監督:佐藤好春 作画監督:白井裕美子・中田博文

 
一部声優が代替わりしたってことでちょっと話題になってたルパンスペシャル。
まあ今回にかぎらずルパンスペシャルは見られるときは見るようにしてるんだけど、でも今回はそういう注目度の高さに負けないくらい、面白かった!
うっかり忘れてたんで15分遅れで録画追っかけTwitter実況しながら(ついでに言うならご飯作りながら食べながら)だったんだけど、Twitterで実況してる人多くてちょっとした祭だったからなんか楽しかった(笑)やっぱオタク的にはみんな結構注目してたんだねw

栗田貫一のルパンと小林清志の次元以外はチェンジ。クリカンはなんか今回は今までより楽しそうに仕事してた感じがしたな。
んでまあ峰不二子沢城みゆきと五エ門の浪川大輔は想定内の仕事っぷり。銭形の山寺さんは流石というかなんというか、いや、普通に山ちゃんなら納谷さんの銭形を完コピすることくらい容易いことだと思うんだけど、それをあえてちゃんと山寺さんだと分かるように演じてるってのがプロだなあと思ったり。
なのでまあ声優はチェンジしたけど特に言うことないです。小林さんもそろそろヤバいような気はするんだけど、今回なんで小林さんは変えなかったのかなというオレの推測としては、中盤以降のルパンと次元の「ルパン語り」があったからじゃないかと思ったり。
今回のお宝がルパン一世絡みの因縁があるという話だったんで、「ルパンがなぜ泥棒をするのか」ということを改めて考えるっていう良いシーンもあったから、やっぱりそこは新メンバーとではなく今までやってきた人でやりたかったんじゃないかなーと思ったんだけどね。
どうでもいいけどTLがあまりにも石田彰になりすぎてて、でも石田さんって名前はものすごくよく見かける割に自分が興味あるキャラや作品が石田絡みだったことがただの一度もないので、正直石田彰の良さがまったくわからないよ! (>_<)って感じだった‥‥みんなそんなに石田彰好きなんだー‥‥とちょっとボンヤリ。わかんなくてスマン。
  
内容もろもろはとにかくジブリ的だった!(笑)
いやジブリと云うよりは昔の、どちらかというと宮崎アニメっぽいというか、よく動いててCGも違和感ないし、アニメとして素晴らしい出来でしたーと。
一応言っとくと「ジブリ映画」と「宮崎アニメは違うから!オタク的なコダワリだけどな! *1
まあただ、絵柄的にはジブリかと思ったけど実際は世界名作劇場風かなあと思って見てたら、流れてきたツイートによると作画監督が佐藤好春さんってことで、まさにジブリ→日アニで世界名作劇場の人だったという(笑)まさにw
冒頭からOPまでの間ですでにとにかく動いてて気持ちよかった!アクションメインだけど話もしっかりしてたしね。
OPでルパンが銭形から逃げるとこなんか、記憶だよりだけど確かまんま新ルパンのOPと同じ動きしてるよね?手前に向かって走ってくるとこ。新ルパンのどのバージョンか思い出せないけど黒づくめの泥棒ルックでサーチライトから逃げてるやつ。そういうとこは結構あった気がする。とにかく全体的には宮崎駿風だから「カリ城」っぽいというか。
だけど単なるジブリ風じゃないのは、特にOPなんかもそうだけど絵コンテが素晴らしく上手くて、アクションの見せ方、画面の見せ方の軸がわりと体感的な感覚というか、「カメラ」を意識した感じの絵コンテ&演出だったかなーと。
「カメラ」ってのは主題歌バックの飛行艇が飛ぶ動きとか、ビル内の自転車で階段駆け下りとかもそうだけど、最後の氷室が怪物化した時の血が「カメラにかかってる」演出とか、わりとそういう実写を意識した画面構成と演出(描写)になってるなあというところ。 *2
というか、細かいとこのキャラの動きとかも昔の宮崎アニメクオリティでよく動いてるし、でも画面構成的にはわりと新しい感覚の絵コンテだったりするし、CGも上手く取り入れてて、絵的には相当好みの感じだったのは拾い物!毎回こういうテイストでいいのに(笑)というか、これで定着しそうな気もしなくもないというか‥‥(^_^;)
ストーリーも過不足なく面白かった。演出、もしくは監督の力もあるのかもしれないけど、緊張と緩和、静と動のバランスも上手いし、アクション前提の話作りも上手いし、見てて退屈しなかった!

ただ面白かったからあえて言うけど、ストーリー的にはわりとありがちなというか、そんなに目新しいわけじゃないんだよね。というより、何となくいろんなものを上手くぶち込んでまとめたって感じなのが気になるなあと。
ルパンで始まりつつ途中でカリ城だったりラピュタだったり、ネタが八百比丘尼で人魚だから微妙に高橋留美子の「人魚の森」シリーズも思い出すしという、ツギハギ感はあるかな。まあそれでもそれを綺麗にまとめてるって点で上手いんだけど、出来ればルパンらしいオリジナルな何かは欲しかったところ。求めすぎ?
あ、それがルパン一世の話かな。ルパンからすればじいさん絡みで「ルパン一族はなぜ泥棒をやるのか?」という命題かな。
ただそこでルパン一世は、何となくありかといえばありだけど、無茶といえば無茶な気はするかなと。舞台が日本だからっていうのも同様。
あとはツイートからちょこちょこ拾ったものを。
美沙は人魚かと思ったら八百比丘尼の子孫で、その不老不死の秘密は超活性化細胞。それを上手く利用したい氷室も比丘尼の子孫で新世界の神になりたい夜神月希望者。つまりルパンに弟子入りしたい麻紀はクラリスで、美沙と氷室がシータとムスカなわけねーというなんというラピュタな展開(笑)
しかも氷室が比丘尼の血でトーピング、暴走してまさに人魚の森の「なりそこない」的なものに(苦笑)人魚の血は毒なんだよ!というか。(その説明あったっけ、実験してるとこはあったけど)
不二子ちゃんは裏切ってこそ不二子ちゃん(笑)ところで女性キャラの爪をいちいち分かるか分からないかくらいの薄い色でいちいち塗り分けてるとか、変なとこ細かすぎw とにかく作画やたら細かい。
ルパン一世が恋した八百比丘尼は美沙と瓜二つにそっくりで(なんで目つぶってんのにわかるのか)、てことは美沙も相当美少女のはずだろうけどそう見えなかったのは残念というか。(まあ不二子ちゃんもあんな感じだしなw)
ラスト、島だしちょっとだけマモーエンドというか、ルパンと銭形でルパン音頭的なものを想像したけど当然ないですね当然ですね(笑)フツーにいつの間にか警官隊と合流した銭形に追っかけられていつも通りな展開、一安心(笑)
まあTwitterで盛り上がったり、アニメとしては大変面白かったからいいや。ルパンも言ってたけど楽しんだ者勝ち!だよね(笑)まさにw
ああそだ、監督と演出って分かれてるけど、作画wiki見たら絵コンテは監督が切ったみたいね。これ、超上手いと思うというかオレ好みな感じでした。なんか、この絵コンテはいい!
 

追記。Twitterで断片的に考えたなんか結論的なこと。

  • そーいえば、昨日のルパンの映像的な上手さは実写的カメラワークを意識した視点じゃないかという結論になりました。自分的に。そこにアニメ的動きの表現がプラスされて、実写では出来ないような快感映像になってるんではないかと。:2011.12.03 15:11
  • ジブリ映画の場合はあくまでも動きがメインだから、見せ方にこだわってたり工夫してるわけじゃないんだよな。それってやっぱり宮崎さんが動くことに拘るアニメーターだからかなー?:2011.12.03 15:19
  • あーでも、絵描きって「枠」がある人とない人がいるよな。動きの面白さメインで考えてあとから動きを枠(画面)に入れる人と、常に画面枠を意識したうえでの動きを考える人。後者は考え方が映画や漫画的なのかも。:2011.12.03 15:22 
  • アクションが多い漫画でも、士郎正宗みたいに漫画の枠を上手く使って視線誘導や流れで動きを見せる人もいれば、荒川弘みたいに自分がそこそこ動けるから(空手やってたんだよね?)動きメインでコマ割りを考えてるっぽい人もいる…みたいな。前者の方がアクションとしては面白いけどさ。:2011.12.03 15:24
  • 昨日のルパンはずっとカメラで追っかけていくって感じの映像が、面白くてぴったりハマってた感じだけど、細かいとこで従来の固定カメラ的な回り込みじゃない360゜回り込み感覚の動かし方とかが面白かったんだけど…あ、映画のトランスフォーマーっぽいのかなあ。わりと今流行りな映像って気がする。:2011.12.03 15:30 
  • まあ欠点は昨日も言ったけど、ストーリーかなあ。ベタな展開はいいけど、他の作品のツギハギっぽいって感じたらダメだと思うな。 でも次もこのスタッフで作って欲しいなあ。従来のシリアスハード路線とこの名作アニメ風路線、交互にやればいいのにw どっちも好きだし。:2011.12.03 15:34
  • でももうマモーみたいなのはできないんだろうな(笑) あれで一番燃えるのは、ルパンが斬鉄剣の折れた切っ先でマモーの光線を反射するとこですw あと最後のルパン音頭。あそこの不二子ちゃんは最高w:2011.12.03 15:36

*1:主に「宮崎アニメ」って時はナウシカ〜トトロくらいのマンガ映画的なものをいうというかね。だよね?もののけ以降と宮崎監督以外のものはたいていまとめてジブリ映画ね。

*2:そういや‥‥って感じで注釈でつぶやくけど、最近のアニメで絵コンテと演出が別なことが多いのはどうしてなのかという素朴な疑問を知り合いのアニメ演出家に聞いたんで、そこら辺はわりとはっきり分けて考えることにしました。まあ理由は大体想像は付いてたけど、もっといろいろなケースもあるみたいだし、個々の状況とかはまたいろいろあるんだろうけどね。