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輪るピングドラム#21「僕たちが選ぶ運命のドア」

http://penguindrum.jp/
シリーズ構成・脚本:幾原邦彦伊神貴世 絵コンテ:幾原邦彦・古川知宏・山崎みつえ 演出:山崎みつえ 作画監督:中村深雪・進藤優
 
えーとー‥‥、冠葉がラーメン屋で会ってた両親は、幽霊だったんだー‥‥そかー‥‥
冠葉の脳内だけでラーメン屋は往時の姿で、両親もそこにいるかのように会話らしきものをしてたと。いやでも、あのラーメン屋、店主がいないなあと思ってたし、両親と冠葉の会話は噛み合ってなかったよな。
まさに「ウテナ」で言うところの根室記念館。御影先輩は眞悧先生だけど。
剣山たちの死体があったのはカウンターの中で地下室の入り口?中途半端と言うか、よく見つからなかったな。あれ、アジトの一つだったんだろか。失踪から3年だっけ、少なくとも失踪直後に殺されたのかなあ。
そしてどうやら眞悧も幽霊だったと?まあ「そらの孔分室」(中央図書館の中だけどそこへ至るのはサンシャニーのエレベーターの地下60階)も、晶馬が捕まってた病院の地下はともかくそこに至る道はそうとう幻想的だったし、そもそも現実の世界じゃなかったし。
ひょっとしたら陽毬が病気だったのは本当でも、「眞悧先生」が担当になってからの2回目の入院は本当の現実じゃないのかなと思ったり。
正直、この話を読み解くことは困難。もう無理(笑)ウテナと同じ方法論の作品にしても、関係ありそうなネタがほんとうに関係あるかどうか、伏線なのか布石なのか、単に見かけの体裁のための引っ掛けということもあり得るし、そもそもいろんな謎が最後の収束してカタルシスになるタイプの物語でもないし、隠喩や暗喩が必ずしも隠された真実や事実を指してるわけでもない‥‥しかもそれが幾原監督のさじ加減次第という、まさに今起こってることを楽しむ劇場的な舞台構成でしかないからと言っちゃったらそこまでだけど、よほど幾原監督の思考体系に馴染みがないと解読は無理だよな(^_^;)楽しむことはできるけど。

てことでー、まあ細かいとこはともかくとして、起こったことだけはそれなり筋道立ててまとめとくことしかできないよね。キャラ絡みの細かい演出も特には拾わないけどちゃんと見てるよ、一応。たぶんそれでも物語は十分楽しめるから大丈夫w
そしてとうとう今回、仲の良い3兄妹を演じてた高倉家崩壊。晶馬が自分だけが高倉剣山の息子だってことを思い出したから‥‥ってことなのかなあ。さらに冠葉はその組織と今だに通じていて、何か良からぬ活動に加わっていることを知ったわけだし。てか、生活費がどこから出てるのか、少しは気にしろよ晶馬‥‥。
 
ともあれ、見た目の現実と本当の現実、幻想と脳内の妄想が混じり合って虚実様々な感じ。この辺もまあウテナと同じといえば同じ、要は劇場の「舞台」だよな。ニセモノのものをいかにも本物らしく見せてるという意味では。
舞台の上の登場人物が本物だと信じてる限り、観客(視聴者)も本物だと思い込む、それで成り立ってる虚構の現実。だから幽霊が一見生身の人間だとしても不思議はないってことか。物語がそれを幽霊だと断定するまでは。
でもって、高倉家の3人のなかで本当の剣山の子供は晶馬だけだったと。冠葉は夏芽家の人間で真砂子の本当のお兄さんか。言葉通りだったわけね。なーんだ。
でもじゃあ、あの真砂子の冠葉ストーカーな話って、どこまで本気の話だったんだ?本当は何のことを表してたの?ホントは付き合ってたの?兄妹で?
としたら冠葉ってもともとシスコンの妹萌えで、真砂子からしたら自分から陽毬にその愛情の対象が移っちゃったのが憎いってことだよね。その上で真砂子は企鵝の会から抜けて、冠葉と父親は残った。だけど今の真砂子は冠葉を脱会させたい。じゃあピングマークの武器で冠葉の周りをうろついてた真砂子の今までの行動ってどういうことになるんだろ。まったくわからん。実は冠葉が付き合ってた女の子みんな企鵝の会の関係者?
自称幽霊の眞悧が、16年前の事件の時はピングフォースのリーダーだった、その時剣山は実行犯だったよね。たぶん実行部隊のリーダー?そして16年前の事件のリーダーだった眞悧は死んでしまった。ついでにいうと桃果に邪魔されたと。
南極観測隊の写真は‥‥どういうことだろう、というか鷲塚先生が眞悧のことを元助手だって認識した途端に写真に見えるようになったよな。大体からしてあの病院、ピングループだし。
眞悧はすでに死んでる幽霊だから(たぶん比喩的な意味でなく)、桃果の日記を自分の力で燃やすことはできないってことか。それは眞悧にとってこの世にあってはいけないもので、ということは、そもそも眞悧がもう一度何かやろうとしてることのためにあの日記は邪魔なもので、それを実行するための呪いが眞悧自身ってこと?それは「運命を乗り換える」ってことなの?ああ、「運命の至るところ」がそのまんまの意味で「死後の世界」なら、眞悧が死んでるのは当然だよね。じゃあプリンセスは?
結局10年前に何の事件があったんだろう?たぶんその時のリーダーが夏芽父とか?(あれ、剣山だっけ?)リーダーは必ず死ぬことになってるのかなあ?なんで死んだんだろ。というか、テログループに消されてる?
その結果、グループに残ってしまった冠葉を剣山が引き取り、ずっと企鵝の会に協力することになったと?
あと実父から「お前を選ばなければよかった」って言われた冠葉はいらない子だよね。つまり心象風景としてはこどもブロイラーにいるってことじゃないかと思うんだけど‥‥違うかなあ。
冠葉と晶馬が仲良かったかどうかはともかくとして(性格的にはあわなさそう)だからあそこで冠葉に優しくした陽毬は、多蕗にとっての桃果、陽毬にとっての晶馬みたいな「運命の相手」だったんじゃないかな。それがあの執着ならわからんでもないけど。理屈じゃないし。
何もかもが夢から醒めたように現実になって、陽毬はミカちゃんハウスのお姫様だったことを捨てて冠葉を助けるために晶馬の言うとおり家を出ていったと。
というか、オレ何となく陽毬って好きじゃなかったし、陽毬の可愛さってどうも受け入れがたかったんだけど、それってあのままごとのような家族ごっこを受け入れてる状況の嘘臭さとか、アイドルの一件とか、それ以降病気になって学校行ってないとか、実質的にメンヘラな女の子じゃないかなっていう危うさがちょっと気持ち悪かったのかなあって気がした。
前回の晶馬に拾われる前のボンヤリした感じとか、虐待と言うよりネグレクトに近いんだろうけど、あの生きることを何もかも諦めた目がかなり病んでるなあと思ったし、そういう陽毬がそういう過去を忘れてあの3人とお姫様扱いのままごとのような暮らしをしてるってこと自体、とても病んでる。てことは病気って精神病的なものなんじゃないかなあと。つまり陽毬の病気っていわゆる「死に至る病」だよね?それを取り繕えば取り繕うほど、3歳の陽毬の賢さと早熟さを思えば、今ってどんどん死に近づいてるんじゃないかなあ。
とすれば、なんかふと思ったけど、どこまでが現実なのか分からないけどプリンセス・オブ・ザ・クリスタルは何者なのかというと、単純にもう一人の陽毬でしかなくて、あの3人で陽毬を救うための大掛かりな装置として、プリンセスが言うとおりに「ピングドラムを探さないといけない」という、一種のゲームじゃないのかなあって気も。だからこそプリンセス自身が「ピングドラム」が何であるか知らないってことならわかる。それを手に入れれば自分が死に至る病=絶望から救われるという思い込みでしかないのかなと。
だからゆりや多蕗のように、現実的に事件の復讐を考えて生きてる人たちはペンギン帽の話も信じてないし、ペンギンたちも見えないのかなと。苹果ちゃんもペンギンは見えないけどプリンセスの幻想世界には巻き込まれたのは、たぶん現実の世界に生きてなかったからとか?
プリンセスが冠葉に命の代償を求めたのは、冠葉が陽毬の絶望を満たしてくれる相手だってこと?運命の相手は晶馬なのに?そこら辺がよくわかんないんだけど、陽毬は結局晶馬でなく冠葉を選んだってことかなあ。
あとここでいきなり出てきた雑誌記者はどういう意味なんだろ。あのピングマークの時計はどう考えても企鵝の会関係じゃないかと思ったんだけど、もしかして内紛‥‥とか?高倉家のことを調べて何かしようとしてた?冠葉が殺しちゃったけど。どうでもいいけどオレ、あの場所でトラックに車がぶつかる瞬間見たことあるよ。まさにあの歩道橋の上あたり。あそこ、事故りそうで怖いんだよなー。
とりあえず解釈で力尽きた。ピンドラ、あと4話。
 
あーそうだ、陽毬が持ってる(ベッドの中にある)「かえるくん、東京を救う」ってそらの孔分室で探してた本、村上春樹なんだね。村上春樹にはまったく明るくないのでタイトルすら思い当たらなかったよ。

龍先生の方ならともかく春樹先生はまったくノータッチなので、これ以上突っ込めません(^_^;)