そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

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妖怪人間ベム#7

http://www.ntv.co.jp/bem/
脚本:西田征史 演出:狩山俊輔
 
ゲストが綾野剛佐戸井けん太
綾野くんも上手いんだけど、やっぱり佐戸井さんのあのクズ親父が何とも秀逸だなあ。最後までクズ親父だったし。
いつものゲストよりは登場キャラの背景が描かれてたし面白かったんだけど、なんだろうなあ、このドラマの話って全体にフワーッとしてて、面白いんだけどなんか頭に入んないんだよなー。でも見終わったら何となく面白かったなあって気はするんだよな(^_^;)
たぶん結構苦労しただろう幸平が、人を信じてなくてむしろ騙す方に回ったってのもまあよくある話で、ベムや夏目さんたちはそこに付け入られちゃったってことなんだけど、それよりも奥さんと子供を捨てて家を出てって父親の飯塚が、幸平と息子の話をして泣き出したのなんかどう見たってそりゃ嘘だろーって感じだったのに、でも幸平は信じちゃうんだよな。そのくらいには素直だったんだよな。
というか幸平っていくつなんだ?いくら綾野くんがやってたとしても、18,9くらいの非行少年にしか見えないんだけどさ(笑)だって殺したいとまで思ってても、それってそこまでして父親に気づいて欲しかったってことの裏返しなわけで、それ程に素直だったのはむしろ子供だから‥‥って思ったんだけどw でもまあ綾野くんで正解‥‥だよな(^_^;)
世を拗ねて父親を殺さないとと思ってた幸平がベムたちに諭されて父親と対話してみようと思ったけど、でも父親はホントはそんな事どうでもよくって、顔も覚えてない、むしろ今更息子だと名乗られても何されるかわかんなくて怖いしとかいって、最後まで改心しない、そのクズ親っぷりがむしろ清々しかった。(佐戸井さんのさすがの説得力!)
そのクズ加減が救いようないというか、まったく同情も共感もできないから、窃盗常習犯の幸平が気の毒に思えるんだし、ベムたちが絶望し、それでも人間に対して期待しようと自分たちに言い聞かせることの説得力が出てたんだと思うし。

というか、うーん、なんか微妙なカンジがするのは幸平と飯塚さんが親子に見えない、親子だから分かり合えるんじゃないかっていう話に持って行ってないからかな。他人だよな。実際あの様子は他人みたいなもんなんだけど。というか飯塚があえてそういう感じにしてたってことだけど。
だからベムたちが感じる結論も「親子だから」っていう情じゃなくて、「人間に期待しよう」っていうことになるんだよね。いいか悪いかは置いといて。
そういやベムたち3人は親子を装ってるけど親子じゃないし、緒方家の3人も一見家族に見えるけど実はおじいちゃんと孫と家政婦さんだし、夏目家はホントの親子だけど見知らぬ幸平や、正体を知らない時のベムたちを家族のようにもてなしてくれるって点では、逆の意味で家族だからという壁ってないんだよね。
というか夏目さんもその家族もいい人すぎるよ、ありえないレベルだよ。
むしろありえないレベルの良い人だからこそってのかな、ベムたちが出会った中で今までそんな人はいなかったんだろうし、だからベムたちが夏目さんをそこまで信用して、夏目さんのような人間になりたいと思うのもむべなるかな‥‥ってことだと思うけどさ。
ベムたちが、飯塚の言動に絶望して感情が高ぶりそうになったときに、そこでぐっと我慢できたことは進歩だよね。たぶん夏目さんという明確な「理想のなりたい人間像」ができたことで、以前のように感情が高ぶるままに暴走しないで「それでも信じよう(夏目さんのような人もいるのだから)」と思えたってのはいいことだし。
今までならベラが言ったように(その当人を)とっちめてやらなきゃ気が済まなかったんだろうけど、深読みすると、人にはそれぞれ事情があって、人の気持ちを変えることはできないしそこに介入することはいいことではないと知ったから‥‥というか。
だから、悪い人間や悲しい人間を見ても、そうでない人間がいると信じられることで(具体的には夏目家の人々)、個々の人間と言うより人間そのもの善性に期待したいというのは成長じゃないかなと思ったり。
今までベムたちは単純な正義感でしか悪い人間を見てなかったんだけど、もっと複雑なことも考えられるようになったんだよね。
てか今ふと思ったんだけど、この話って「なぜ人間には「悪い人間」がいるのか?それは自分ではどうにもならない悲しい事があると何かを憎まずにはいられない、だから人は悪い人間になってしまう」‥‥って話だったんじゃね?謎の男が付け込むのもそういうとこだよね。というか今まで出てきた悪い人たちってみんなそういう人だよな。
幸平と夏目さん、同じような悲しいことがあっても夏目さんみたいに耐えることが出来る人間もいるけど、自分を裏切ってつらい思いをさせてる人間を殺したいと思う人間もいるって話で。そういう複雑さを持つのが人間だよね。だから今までみたいに悪いことをする人間は許せないから懲らしめるということじゃダメだってことだよね。(あ、そういや幸平を追っかけてた金を騙し取られたっていうチンピラは放置か?)
前回の大久保さんの話だって別に大久保さんは悪い人じゃないってベムはわかってたんだし、わざとじゃなくても他人を悲しませることがあって、でも本人もそれで苦しんでたりするって知ったわけだし。
毎回言ってる気がするけど、なんでそういう話にならなかったんだ?
なんか見てすぐ話が頭に入らないとか、何がやりたいのかよく見えないって、そのせいかなあ。しばらく考えて感想書きつつ整理しないと何が言いたかった話なのかがよくわかんないんだよな‥‥。たぶん今回って間違いなくそういうことを言いたかった話だよね?まあ別にいいんだけど。
 
幸平の顛末はちょっと良かった。
人を信用するしない、信じると裏切られるから云々ってことじゃなく、人と関わることはそもそも「面倒くさい」ことで、幸平の父親はそういうのが面倒くさくて逃げ出してそのまま、幸平は人と関わることで傷つくのが嫌だから「面倒くさい」で逃げてたけど、本当は裏切られないという保証があれば面倒くさくないんだよな。父親と分かり合えるかもしれないと思ったから、話そうとしたんだよな。まあ裏切られたんだけど。
でも夏目さんたち一家がいつでも受け入れるという保証をしてくれたことで、素直にそれを別の意味で「面倒くさいな」と喜べる人間でよかったと思ったし、同じセリフで違うことを表してるのは上手いなと思った。
ただなんか今回、人間を信じたいベムたちの、というかベムの絶望的な気持ちを乗り越えることとかがあまりに痛々しくて、そんなにも人間を信じちゃダメだ!とか思いそうになったよ。だってどう考えても今後の更なる悲劇的展開のキッカケにしか思えないんだもん。絶対夏目さんに何かあるに決まってるよ! (>_<)

それよりベムさんが夏目さんを好きすぎるってのがどうにもこうにも(笑)あそこまで好意を丸出しにして大丈夫か?
幸平を心配する夏目さんが『たいしたことはできないけど、ささやかでも爪楊枝ぐらいには役に立てたらな』っていうのを丸パクリで『俺もなりたいんだ。爪楊枝に‥‥』って何の脈絡もなくつぶやいて、言ってからはっと気がついて取り繕うようなベムさんは、いったい昼間その言葉を聞いてからどんだけそれしか考えてなかったんだよという‥‥夏目さんのこと好きすぎ(笑)
そして「爪楊枝になりたい」のインパクト大きすぎ。さすが西田さんてか(笑)

それはいいけど、夏目さんの息子が巻き込まれた爆発事故と、幸平の母親が巻き込まれた爆発事故は同じ事故でいいの?よくわかんなかったんだけど、まあ違う事故でもこの場合「そういう目に遭った」ってことが夏目さん的に重要なわけだから何でもいいんだけどさ。(どうしていつもこういうとこの描写が甘いんだろう?)
そして謎の男がとうとうベムたちに接触してきたし、彼が人間でないってのも明らかになったし杖は人間の骨だったよ。何者?
なのに夏目さんは東郷に拉致られちゃうし、(どんなヒロインだw)もう結構佳境?あと3話!
緒方家は相変わらず呑気で和む(笑)どこをどう見たらあの3人が探偵に見えるんだ(笑)