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ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

輪るピングドラム#23「運命の至る場所」

http://penguindrum.jp/
シリーズ構成・脚本:幾原邦彦伊神貴世 絵コンテ:幾原邦彦相澤昌弘・中村章子・古川知宏・柴田勝紀 演出:相澤昌弘・中村章子・金子伸吾 作画監督相澤昌弘石井久美西位輝実・馬場充子・柴田勝紀(エフェクト作監
 
今回はとても美しいなあ!
作画もキレイだけど、演出がとてもいいよ。心地よいリズムに心地よい省略っぷり。でもちゃんと分かる。ここんとこずっとそうだけど、このやたらに多い絵コンテと演出のメンツを見るに、本当に時間かかってんだろな。作画のキレイさと力強さ(少女漫画絵なのにね!)も相まって、とにかくとても美しい、詩的な演出文脈であった。幻想と現実がクロスオーバーしてるけどまったく気にならない。
そして晶馬がとてもいい。子供の頃の回想を見る晶馬の何とも言えない表情も、冠葉と対決するときの睨みつけるような顔もとてもよい。
そういやオレ、どちらかと言うと晶馬のほうが好きだなーと思って見てたんだよな。冠葉は、真砂子ととても良く似てる双子の兄妹ってことで、要するに相当な美形だってことを今回やっと認識しました(笑)
陽毬が「自分は探してもらえる子だ」と思えてよかったよ。冠葉と晶馬の溺愛と云うより、陽毬の探してもらえる子だという確信を持った上でのあの甘えっぷりだったってことか。普通は探してもらえる子なのは当たり前だと思うんだけど、そうじゃなかった子供にとってはそう思えるってことが選ばれたってことで、愛されてる実感ってことなのかな。その陽毬が物語的にどういう役目を担ってるのかは次回なのかな。
陽毬みたいに思えなかった眞悧さんが、何をどうして「この世界は嫌いなんだと気がつく」に至ったのかはともかくとして。
自分を閉じ込めてるものを「箱」という世界として、それを壊してしまえばいいと思うのは子供だよな。というか、エヴァっぽい。ATフィールドじゃないけど、世界という箱の中で他者と「繋がりたい」でなく、選ばれないまま何者にもなれず一生を終えるなら壊してしまえっていうことかなあ。エヴァの後番がウテナで、雛鳥は世界という殻を破れないと死んでしまうから「世界を革命する」って言ってたのを考えるとちょっと面白いな(笑)これって幾原監督的には呪いなのかもしれないね(笑)
あの電車の中ではどう見ても眞悧さんは目立ちすぎてると思うけど(笑)どう見ても何者にもなれない存在ではないよ。
眞悧さんの「呪い」という存在っぷりはウテナで云うところの御影草時のそれと同じだと思うけど、やりたいのは鳳暁生と同じく自分だけのための都合のいい理屈での世界の改変だよな。ただそれをやれば何者かになれると思ったのかがわからないから、今のところ眞悧の動機は不明だけど。自分と同じ誰かを探して選んで欲しかったのかなあ。
でもだからといって、世界の中で誰にも選ばれず、何者にもなれないのなら世界そのものを壊してしまえってのは中二だよ。
桃果はそれを察知してるんだから、やっぱりどうやら本当に特別な存在だったってことか?
真砂子が眞悧のことをフーディニに例えてたけど、彼はオカルト系魔術師だと思ってたけど、調べてみたらオカルトハンターでもあったんだな。てことは、前に言ってたように特別な存在の桃果を見つけて自分と同じだと思ったんだけど、桃果は自分を理解して選んでくれなかったから、そんな世界なら壊れてしまえってこと?
あとまあ桃果の日記の呪文だけど、本当に書かれてたんだ?でも苹果ちゃんは気がついてないんだよね、読んだろうはずなのに。というか、それって本人を目の前にして唱えなきゃいけないのか。それって言霊系の何かみたいなものかなあ。でもこれから何をするのか言ってからじゃないとってことだと、確かに実行できない可能性はあるし、その代わりに代償(相手からの反撃?)を負うってのもわかるんだけど。
そこで「行動したことで」運命を変えることを「運命の乗り換え」っていうなら、それも理屈としてはわかるしね。そういうことなのかなあ。ただそれがわかってるって意味では特別な存在なんだろう。
陽毬を助けようと自己犠牲をしてたはずの冠葉は、いつの間にか変質してしまって今は呪いに囚われて狂気に走ってるし、それは自己犠牲じゃないよね。眞悧というなんか世界の呪いの代行で他人を犠牲にして陽毬を助けようとしてるだけ。(眞悧が本当に人の生き死にを操作できるとして、それもやっぱり特別な存在だからなのかなあ?人の生死を操作できるのは運命を変えるってことだよねえ)
16年前の眞悧と桃果の対決の時は、相打ちってことなのか?で、桃果は2つに引き裂かれてペンギン帽になって、眞悧は黒いうさぎたちになったと。うさぎはともかく、その桃果であるペンギン帽が陽毬とマリオを支配してピングドラムを探させてたのはどういうことなのか‥‥ってのは、残り二回でってことかなあ。今のところ全ての謎は明かされてる気はするけど。
でもとにかく、眞悧が怖がってた日記は燃やされてしまったよ。じゃあ誰が眞悧という呪いを止めることができるのかなあ。そもそもペンギン帽がプリクリで桃果だとして、それが眞悧とも繋がってるってのがよくわからないんだよな。二人がやってきたという「運命の至る所」はまんま死後の世界ってことでオケ?
そういややっぱり眞悧さんはいなかった、呪いの幽霊だった。前回の鷲津医師との対話は彼の夢の話だった。じゃあ陽毬はどこに入院してたんだろね。まあそこは問題じゃないのかな。眞悧さんの不思議空間が存在するんだもんな。幽霊になっても、世界に囚われてんだろか、眞悧さんは。
そういえば「箱」といえばシュレディンガーの猫も箱に入ってるんだけど、まあ今は関係無いような気もするけど思い出したからメモっとく。箱を開けて猫の生死が確定されるまでは、猫は幽霊みたいな存在でもあるし。もしかしたら眞悧さんが生きてる世界線もあったってことかな、もちろん桃果も。
他人を犠牲にして陽毬を助けようとする冠葉と、陽毬のために身を焦がしても日記を守ろうとする苹果ちゃんがいて、じゃあ晶馬は何なんだろう。
陽毬を選んだという運命の相手ってだけでなく、何かあるはずだよなー。陽毬のキスはどういう意味か、冠葉が陽毬と繋がってたってことは知ったんだよな。ああ、陽毬の眞悧先生とのキスは果実だって話、もしかして運命の相手であるはずの晶馬に対してのキスは、振り向いてもらえないと報われなくて無駄になるってことだったのかなあ。眞悧先生とどういう話してたっけ。いろんなメタファーがありすぎてどれとどれが繋がってるのかよくわからないけど、最終回までにわかるのかなあ。
晶馬が10年前の雨の日に入ってた檻はたぶんこどもブロイラーと同じで何かの比喩だろうけど、あれってこどもブロイラーより悪くないか?檻に閉じ込められた子供だよ?冠葉も同じで、あれが二人の出会いかな。そこで何があったかであの二人が陽毬を守ってやらなきゃと思うに至った運命がわかるのかな?兄妹として3人で生きていくってことはそれなりの何かがあったんだよなあ。
あのふたりだけがあの二人のための「ピングドラム」を手に入れる事ができるって、どういうことなのか。でもそれは電車に乗る必要があるんだよな、真砂子が乗らないといった電車に。真砂子の話も今回で終わったと見ていいと思うんだけど、マリオさんはどうなったのかなあ。
 
どうでもいいけど、鷹の爪まで生存戦略かよ!(笑)すり潰せ!(むしろクシャナ風に)