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平清盛#26「平治の乱」

http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/
脚本:藤本有紀 演出:渡辺一貴
 
いやー、今週も面白かった!コーフン( ゚∀゚)=3ムッハー 特にやはり、渡辺さんの演出は一味違うぜ!(・∀・)イイ!!
回想の「誰でもよーい」から清盛の、「俺は平清盛である!」「平清盛は友を見捨てはせぬ!」でテーマ曲が盛り上がってくるとことか、信西の最後の、信西、師光、急ぐ清盛‥‥のカットの重ね方、そこからさらに京に入った清盛が信西の首を見て悲しむ様からの打倒源氏宣言とか、鳥肌モノ!超カッコいい!(ここのBGMがタルカスなのね←やっと認識) *1
やっと、本当にやっと清盛が主人公に見えるようになってきたよ! ヽ(´∀`)ノ  玉木もいいけどやっぱ松ケンカッコいい!
それにしてものんきに熊野詣途中に急を知らされても大丈夫!の家貞(中村梅雀)さんの、まさにいざ鎌倉!的な(時代違うw)準備万端さはまさにグッジョブ!さすが平氏は武士ぞ!って感じ?
わかんなかったところはあれだ、熊野から取って返す清盛が京都の外で足止め食らってる時に、義平が阿倍野で待ち構えてるという噂を聞いて京に入れなかったのに、当の義平=悪源太さんは、お父さんであるところの義朝さんに阿倍野待ち伏せしたいって許可取りに来てる最中‥‥ってことくらいか。マジでドユコト?誰がそんな噂を流したんだ?それがなけりゃもうちょっと早く京に入れたろうに。
ちなみに義朝さん=玉木宏32歳、息子の義平=波岡一喜33歳でやんす(笑)大河マジック!w ポイントは髭かw
 
メインの話は信西の夢潰えて命を断つ、そこには友・清盛の幻が‥‥ってとこだけど、もう信西が穴をほれって言ったとこから絶対来る、来る!と思ってただけに、穴のシーンは信西の最後というのもあって見ごたえありやした!
前回の競べ馬に引き続いて、遠大な伏線回収の、ある意味美しい大団円。(終わってない)
何者でもなかった平太=清盛が、かつて穴に落ちた通憲=信西を助けたことからはじまった縁ということで、最後は「誰でもよい」ではなく「清盛が」助けに来てくれることを信じて待つ信西‥‥ええ話や。
しかしこのドラマ見てる限りでは、清盛が言うほどこの人たちって会ってたようにも仲良かったようにも思えなかったんだけど、そこはなんとなくストーリーの流れで押し切らえた感じはある‥‥かも?
こないだまで、友というよりはお互い利用してるとかいう風じゃなかったっけ?そうとは言ってなかったかもしれないけどさ。いつ「友」と呼べるほどの仲になったのか。それとも厳しい言いようも友ならば‥‥ってこと?まあいつの間にか時が過ぎてることも多々あったから、それ以外のこともあったのやもしれん。
清盛が自分は「平清盛である!」と改めて自己確認するとか、どこで道を間違えたのか‥‥と述懐する信西が「われは信西入道である!」と叫んだりするのも、シーンとしてはいいシーンなんだけど、よく考えたらよくわからんよ?
伏線、いやこれ正確には伏線ではないよ、キャラ話の回収だよな――としては、何者でもなかった(らしい)平清盛が、自分こそは平氏の棟梁であるところの平清盛だと宣言することの意味はものすごく筋が通ってるし、信西のも「生きるうちに己が誰なのか、見つけるのじゃ」の流れで〜ってのはわかるんだけど。
というか清盛の場合、ここであえて宣言することの意味って、まさに「源氏を討つための大義名分として」の武士である平氏ってことだと思うんだけど、どうか?
重盛(窪田正孝)にも信西が友だから助けると言ったけど、重盛はそれで納得したわけ?微妙な感じだったよね。だから傍から見てたらとても仲良しの「友」だとは思えないよね?w
まあ清盛や信西のいう新しい武士の世のビジョンが誰も見えてないってのはしようがないとは思うけど。見えてるかどうかはわからないけど、損得勘定で一番ベストな事をいう時忠(森田剛)くらいかなあ、先見の明に長けてるのは。友と言っちゃったほうがわかりやすいといえばそうなのかもね。時子さんもその辺はわかってるみたいだし。
清盛と信西は志を同じくする仲間であり友であるから、窮地の信西を助けねばと思った‥‥といえば大変美しい話ではあるけど、これってそもそも「平清盛」なんだから、清盛目線でいうと清盛の望む武士の統治する政治システムを作ることが出来る、つまり既存の貴族政治のシステムを覆して新しい政治を実現できる人材だった信西を今失うわけにはいかないってことだよねえ。同じ物を見てるという意味で「友」というならそうだろうけど。

前にも言ったけど、今の貴族政治のシステムを「改革」したい清盛には新しい世の中にしたいというビジョンが見えてて(それは信西も同じ)、今のシステムの中でのし上がりたいという「野望」しか持ってなかった義朝は、そもそも同じ物が見えてなかったんだよな。
清盛と義朝は「武士の世を作る」という言葉だけで意見が一致したと思ってたけど、実はその内容のすり合わせが二人のライバルの間ではまったく出来てなかった‥‥ということなわけで。
まあ義朝が何も考えてないバカだと言ったらそうなんだけど。てか体育会系すぎるだろ。政は力とかいうけど、そのあとどうすんだっていうか‥‥その頭の悪さは清盛もガッカリだよな(苦笑)
義朝さんはなんだかやたら楽しそうにライバル・清盛との対決を心待ちにしてるみたいで、この時点でどれだけ勝算があったのかはわからないけど、ドラマ見てる分にはいろいろ投げてるようにしか見えません。だってクーデターのあとの政治にビジョンがないもの。清盛に勝つ=武士同士の雌雄を決すればいいと思ってる、「武士の地位を高めるのは政ではなく力だ」とか言ってる義朝さんが、ほんとバカ‥‥
清盛と真っ向勝負で対決できればいいという、まるきり子供の頃の競べ馬気分で戦争しかけられても清盛の方は困っちゃう‥‥ってことじゃないかなあと思うんだが。義平のいうことは正しいよ。そういやここでもお互いの息子は親の意向とは別の現実的なことを進言はしてるんだよな。
まあ本当にそれだけのつもりでわくわくニヤニヤして清盛を待つ義朝さんは、完全にお子様だけどカッコいいといえばカッコいいのでいいんだけどさ。
だって清盛はそういうつもりまったくなかったわけだし、むしろ機を見て義朝の源氏と一緒に朝廷を乗っ取るくらいのつもりだっただろうに、どうしてそういことを義朝がわかってなかったのか、たぶんものすごく納得いかないと思ってんじゃないかなあ。まさに義朝さんは貧すれば鈍する。ありがちありがち(^_^;)
というか結局義朝の限界って、武士の世じゃーとか、力じゃーとか言ってるくせに、クーデター起こした信頼(塚地武雅)なんかから播磨守の地位をもらって感激してるようなとこだと思うのよ。播磨守の地位をもらってながら、その上大宰大弐の官位を自分の力量で勝ち取った清盛とは格が違うってか、そういうことじゃね?
最後の、義朝が取り返しのつかないことをしてしまったと嘆き、怒りに震える清盛さん。このドラマ的には清盛が「源氏を討つ」って言ったのって、つまり清盛が信西(を利用して)作りあげようと思い描いてた武士の世を、義朝に邪魔されたから‥‥ってことでOK?平氏一門の棟梁なんだから、源氏を討つっていうからには「友だから」という私怨じゃないよね。そこは重要だよね?
ドラマ的な気持ちの流れの話として、信西は友だったから‥‥というのはわかるんだけど、なんかやっぱり内容としてはどちらかというと、清盛からしたら自分の将来的な心づもりを、義朝が思ったよりバカで邪魔されたからっていう怒りに見えるんだよなあ。違うかなあ?(^_^;)
とにかくさすがは阿部サダヲ信西入道の素晴らしい最後だった。ホント見ごたえあった!演技というか、もういろんな意味で上手すぎる。
 
今回のスペシャルに渡辺さんインタビュー! ヽ(´∀`)ノ
http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/special/watanabe/index.html
やっぱりもろもろ、そういうことだよねえ‥‥(^_^;)
追記:公式に「平治の乱スペシャル」の動画(15分)がきてるよ! http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/movie/index.html

*1:追記:Twitterまとめ→NHK大河・平清盛と挿入曲・『タルカス』が象徴するもの http://togetter.com/li/331248