そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

平清盛#32「百日の太政大臣」

http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/
脚本:藤本有紀 演出:渡辺一貴
 
清盛が権勢を誇っていろいろやりたい放題で一門を出世させた野望のルーツ的な感じだけど、あまりにも、あまりにも説明がなさすぎるよな。これって普通に休日夜の視聴習慣として大河を見てる人たちには伝わらないんじゃないかと思うけど、どうか?史実の話とかそういうレベルのことでなく、画面の中で起こってることが演出的な処理に頼りすぎてるって意味で。
大河って、やっぱりある程度はセリフで説明したほうが親切だと思うし(でも説明くさくならないようにというテクが必要だけど)、それを1話の中で十分にできないのなら単に構成が悪いってことだと思うの。
ざっくりいうと、少なくとも藤原基実(村杉蝉之介)が亡くなったあとの平家一門の処し方を清盛に献策しにきた藤原邦綱(岡本信人)の言ってたことが後白河の策略だったってことと(滋子の立場もちょっと気になるよ?)、五節の会で一の舞姫が追い返されたのが摂関家の嫌がらせだってこと、その代わりをたまたま乙前が務めたこと(この時の乙前って80歳くらいだよね‥‥)、太政大臣は有名無職の名誉職だって言ってたのに平家一門の貴族をなんでボコボコ官位につかせることができるのかとかさ。(それやっちゃなんでもありじゃん)
そして好き放題やるだけやって100日で辞職することの意味も説明してください。
まあここは最悪次回でもいいけど、本当にこういうことの説明がないよなあ。
あと根本的に後白河と清盛がなんで対立してるのかって、対立してるのは見てればわかるけど「なぜなのか」って事が知りたいわけじゃん?いや気に入らないからでもいいんだけどさ、今後の平家一門や清盛の見の振る舞い方に影響あるわけじゃん。二人共立場としてもいろいろ微妙なんだし。いやあの五節の会中のあのシーンは見応えあって良かったけど。んであの後白河が付けてた布切れは「雑面」っていうのかー。千と千尋の神様の〜とか言ってたヨw
あとそこに関係してるのかもしれんけど、藤原摂関家の兄弟たちはなんで仲悪いのかと。清盛派じゃないなら後白河派ってこと?後ろ盾が誰なのかくらいは一言説明あっても‥‥それこそ朝廷フローチャート的に概要は知りたいんですけど。
ああ、こういう時こそナレーションが重要なのに、頼朝は自分がそれどころじゃないからといって何の説明もなしとは‥‥ちゃんと説明しろよ(それ違ww)
頼朝も頼朝だよなー。自分の平家と対立してかろうじて助命された流人だって立場なのに、それを管理してる平家方の伊東一族の娘をうかつにも孕ませるとか、危機感なさすぎだろ。本当は反省してないよなって言われても仕方ないレベル。
しかもその子供を殺めてしまうこのドラマ。
オレはてっきり捻り殺したか刺し殺したと思ったけど、紀行を見たら川で溺れさせたと言っててまだちょっと想像よりマシだったとホッとしたけど、一緒に見てた相方は赤ん坊を殺すところをやるドラマなんて絶対許さないって言ってたから、普通の大河ドラマ視聴者層のご年配の方々はどう思ったのかと。それこそいつの間にかそうなってましたでいいじゃんって思わなくもないよ。
まあこの衝撃的事件が頼朝の平家憎しという気持ちに繋がったんだという重要シーンってことだろうけど、そもそもよく考えなくても、それ単なる逆恨みだとしか思えないから。
だって悪いのは仇の氏族の娘を寝とった頼朝であって、いくらなんでも平家と源氏のハーフはマズいだろって大慌てで処理しようとした伊東祐親(峰竜太)の気持ちも考えてみろよ。本家同士とかじゃなく単なる地方の一豪族が、今まさに登る朝日のごとく権威を奮って、しかも清盛のそのものすごさを目の当たりにして ((;゚Д゚)ガクガクブルブルしてた祐親からしたら、孫だといって喜べるレベルの話じゃないよなあ。ロミオとジュリエットじゃねーんだから。そんなの視聴者だってわかってるのにこの頼朝ときたらのんきすぎる。見た目がソフトになったからといって、頭の中身もスポンジ化かよw
その上平家と源氏の立場ゆえ間接的に清盛に殺されたって、妄想飛ばし過ぎだから。明らかに清盛からしたら冤罪レベル。といか、その視点だと完全に清盛悪い人なんだけど?これホントんい清盛主人公の大河?
なんか伊豆に飛ばされるまでは曲がりなりにも源氏の最後の御曹司としての矜持を保ってた子供頼朝(中川大志バージョン)とはあまりに違いすぎて、ホントにこの流罪の数年間で見た目も志もだいぶひよったなあとしか‥‥どうしちゃったの頼朝さん?
あ、そういや久しぶりの祗園女御改め乙前@松田聖子の今様は、さすがにちょっと歌上手かったw でもとにかく何でも「遊びをせんとや〜」で解決なわけね。まあ出来ればここはちゃんと何がどういう事なのか解説して欲しかったってことで。
全体には清盛の野望が朝廷の中でテンポよく駆け登っていくさまを楽しみたかったんだけど、途中の伊豆の話が(重要なのはわかってるけど)変なタイミングで入ってくるのがちょっとうざかった。もうちょっと構成として何とかかなあ。若干余裕ない感じ?
清盛の野望始動って意味ではわかり易かったんだけど(さすが渡辺さん)、その清盛がなぜそこまで権力や一族の繁栄に固執するのかってのが描かれてないからイマイチ共感できんかったよ。むしろ今回の清盛は腹が読めなくて非情な感じ。若い頃から一貫してそこはなんとなくスルーされてる気がしなくもないんだけど、あの時代に国の頂点に挑むってのは何を意味するんだろう。前例を変えたくないのが貴族だって言ってるけど、頂点を極めたらあとは落ちるしかないと思うんだけどなあ。つまり前例を認めない変わらない政治をやってたから貴族政治は長らく続いてんだし、腐っていったわけで。そこら辺の対比を見たかったなあと思わんでもなかった。(過去形)細かい脚本的な対比や伏線回収はどうでもいいからさ。もう正直、おおまかなとこが面白くないのにそういうとこ拾って見るのは結構面倒くさいよ。
あと時忠が赦免されて戻ってきてて良かったよかった。しかし相変わらず同じ事をってのはあの時代的にどういう意味があるのかないのか。普通は飛ばされて反省したら政略結婚云々とか言い出さないってこと?ギャグネタっぽかっただけによくわからん。