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るろうに剣心

http://wwws.warnerbros.co.jp/rurouni-kenshin/index.html
監督:大友啓史 アクション監督:谷垣健治 脚本:藤井清美 ・大友啓史 原作:和月伸宏

 
原作まったく読んだことないんで(アニメも見てない)主人公が緋村剣心だってことと、最強の人斬りだったけど維新後は流浪人として「不殺の誓い」を立ててさすらってる‥‥という事しか知らないですよ。見てる間にかろうじて江口洋介の役が維新後に名前を変えた斎藤一だってことは思い出したw あとはまったく(^_^;)
そういう状態だったにしても話はありがちなパラレル幕末モノだと思ってたし、原作はどうであれこの映画のストーリー展開自体はわりとありがちなものだなあとは思ったけど、それにしても説明なさすぎてよくわかんなかった。ぶっちゃけ話は面白くなかった。まあ大友監督の作品にそんなとこまでは求めないけど。
定番の話だからストーリーラインはわかるし剣心のキャラ自体は把握できるんだけど、それでもなんというか、不殺の誓いを立てた剣心が流浪人としてどう生きてきて、今ここでなんでそれを破ろうと思ったのかってのが全然わかんないんだよなあ。
お話的に薫が人質に取られて〜ってのはもちろん分かるんだけど、気持ちがまったくわかんないんだよ。だってそれって薫を好きなの?どうなの?って話じゃん。守りたい‥‥にしてもじゃあその気持は何なの?っていうとこが問題じゃんよ。最後、剣心が道場に居ついてるから余計にわからんよ。
それとも単に昔の、若い侍(窪田正孝)を殺した時の婚約者と薫(しかもシチュ的には薫じゃないし)がダブってるってだけなら、なんでその時に人殺しの自分の疑問を持たなかったんだという。そもそもなんで暗殺者になったの、剣心は?
原作にはあるのかもしれないけど、そこら辺がまったく今回のストーリーには落とし込まれてないから、剣心がどう思ってどう行動した結果がこうなったってのがテンプレとしては理解できるけど、キャラの心情的にはあんまり腑に落ちない話だった。つまりあんま面白くなかったってことだけどさ。だって「そういう話だから」ってだけだし。
タケるんの演じる緋村剣心と抜刀斎の違いとか見せ方はとても良かっただけに、その根本になるところの監督なりの「今の」剣心というキャラの捉え方が伝わって来なかったのは残念かと。
あ、他のキャラもそうだけどビジュアル的なことはまったく文句無いです。原作知らないからかもしれないけど。というか他のキャラはあんまりそこら辺のもうちょっとなあ〜という残念感はないんだよな。原作通りにしてもそうでないにしても。
 
あとまあよくわかんないんだけど、戊辰戦争で剣心というか抜刀斎が残した剣を拾った鵜堂がなんで取り憑かれちゃったのかとか。あれ取り憑かれたんじゃないの?しかもそっから10年くらい経ってるんだよね?
武田観柳がやってるアヘン作りもまあテンプレだけど、あの人、何したかったのかなー‥‥とかね。映画としてまったく説明ないんだよね(^_^;)だから剣心が誓いを破ってまで「何を止めたいのか」「何を成したかったのか」もわかんない。
あと気になったけど、一応途中でうっすら思い出したけど江口洋介が今は偽名を名乗ってる斎藤一だってまったく説明ないよね。なんで?というかそれをいったら抜刀斎と新選組の関係もまったく説明ないんだけど。(だからなぜ近藤でも土方でもなく斎藤一なのかがわからないよ←いや近藤も土方も死んじゃうけどw)
一応史実にないパラレル幕末モノなんだから、多少の説明くらい欲しいなあ。
これって維新後にそれぞれ生きる道を見つけた武士たちが、侍だった自分とどう折り合いをつけて生きているのか‥‥という話なんだろうけど(というかそういう話だと思ってた)脚本下手すぎる。原作はさておいてこの映画の、って話ね。
あとてっきり不殺の誓いを持つ剣心が、神谷道場の人を活かすという活心流で何か気づきがあるのかと思ってたけどそれもなかったなあ。そういや薫のキャラもそういうキャラだからってだけで、神谷活心流を継いでるという現状説明以外、これといったエクスキューズもなかったか。いや、なんで剣心に惹かれてるのかってのはちゃんと描いてくれないと‥‥ってことだけど。
まあそういうとこでお話はいろいろ残念。
というか神谷道場の一帯を潰して荷揚げ用の港にするっていうのがそもそも武田観柳の嫌がらせの発端だよね?なんで導入部、そっちがメインじゃなかったんだ?「今」の話はそっから始まるべきじゃね?フツーは。
ただ話はともかく映像的にはスゴかった!ストイック‥‥まではいかないけどトーンが統一されてて画面の構図が決まってるから、やっぱり画面だけなら好みかな。日本のリドリー・スコットって言ってもいいよw
 
あとはとにかくアクションすげー!超すげーて感じ。
クライマックス、恵を助けに観柳の屋敷に殴りこむとこで、ああこれはよくある塔バトルの展開かと気がついたけど、そういや冒頭の森の中のアクションといい、これってものすごくお金のかかった「マスターオブサンダー」じゃね?と思ってしまったというか(笑)てかそこでやっとアクション監督が谷垣監督だと気がついたよw
でもやっぱ、こういう展開は定番だけど、谷垣さんのアクションの内容は相当洗練されてるし、スピードめっちゃ速いし、その点ではすごく面白くて見応えはあった!左之助と戌亥番神の台所の戦いも面白かったし(笑)
単なる方法としてのワイヤーアクションって派手でスゴいけど続けてみると飽きちゃうんだよね(フォーゼ夏映画とか)その点、この手のアクションはオーソドックスだけど「その場所を上手く使う」ってことにしても、アイデアが効いてて面白いよ。
あと剣戟アクションはメチャスゴいよなあ。すごく複雑なことやっててなんとか目が追いつくくらいだけど、動きの流れがきれいで理路整然としてて見てて爽快。このレベルでやるとホントスゴイ。あれをこなすタケるんもだけど、綾野剛も吉川も身体能力高すぎるw
そいや今回の大友監督的な演出でよくわからない謎演出、なんで大勢の斬り合いの時に金をバラまくか?!(笑)むしろ観柳さんイミフメイ、ワケワカンネーw あれみんな拾い始めたらどうなってたんだ?戦場を高杉晋作龍馬伝 が三味線弾きながら歩いて行くレベルw

まあキャスティングがキモなこの映画で、漫画原作としては結構ぎりぎり成り立つくらいのキャスティングってのもあって、そういう見所はたっぷりあった。香川さんは相変わらずきもい成金がすごくキモくてイイし!(笑)
タケるんの剣心は、そもそも原作読んだこと無いからあれでいいのかどうか、ネットでは口癖の「おろ」とか「ござる」が話題になってたんでかろうじて知ってたけど、違和感あるかないかでいえば、微妙?でも今回のタケるんは多少漫画キャラとしてのキャラ付け弱いなあとは思うけど、すごく安定してるというか見てて自信ある感じというか、安心感あってよかった!タケるんはスゲーよ、ホント。
というか左之助青木崇高にしても吉川晃司の鵜堂刃衛にしても、ちゃんと漫画キャラ+αで成り立っちゃってるからなあ(笑)
あと最後の最後でやっと気がついたけど、るろ剣ガンビットってコイツだったんだね!まんまじゃん!(笑)(当時るろ剣は知らなかったけどアメコミにハマってたんでX-MENガンビットみたいなキャラがいるってのは知ってた。原作者がアメコミ好きなんだっけ?)
綾野剛の外印とか武田観柳の香川さんなんかもあれはもうずるいとしか言いようないキャスティングだしw
武井咲も薫でいいような気はするけど(元のキャラは知らない)、ただずっとあれ見てたら後半は一生懸命過ぎてうざくなってきたんですがどうなんでしょ?結構見てて辛いくらいには。
なので吉川さんも良かったけど一番良かったのは蒼井優の恵かなあ。蒼井優はやっぱいいね!カワイイ (*´Д`)ハァハァ
あと道場の子供、弥彦が見たことあるけど誰だっけかなーとずっと考えてたんだけど、13歳のハローワークの13歳の松岡やってた子ね!スッキリw
ライダー組多すぎなのはもうツッコむとこじゃないだろうからいいや(苦笑)ライダーばかりの時代劇、キライじゃない、キライじゃないわ!(須藤元気のお約束w)