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平清盛#42「鹿ヶ谷の陰謀」

http://www9.nhk.or.jp/kiyomori/
脚本:藤本有紀 演出:渡辺一貴
 
今週の演出は渡辺さんだ、期待!と思ってたけど、予想以上に面白かった!大満足。清盛は毎回これくらいのテンションならいいのになあ!
最初から最後まで緊張感を保ちつつ、後白河と清盛の双六的駆け引きゲームを見せ、クライマックスは清盛の西光への暴行wと頼朝がやっとヤル気を見せるとこで対比させる、そして頼朝の明日、つまり源氏の再興への道が開けたところでタルカスで締めという完璧な流れだった!
遮那王義経まで見せるかと思ったけど義経は次回か。
ホント、渡辺さんの演出だと同じ脚本のはずなのにいつも一本筋が通っててわかりやすいなあと思うんだよねー。気のせいじゃないよねー。(龍馬伝の時からそんなのわかってるw)
 
前回清盛が仕掛けて後白河が乗ったゲームを、今回一気に上がりにしようとゴッシーが企てたのが平家打倒だよね。
それを打ち明けられてあっさり「酒の席での貴族の思いつき」と一周する源頼政さん、カッケー!って話。多田行綱はうっかり後白河たちの話に乗らなくてよかったと思うよ。だってまだ何の根回しも調査もしてない、本当に思いつきじゃん。というか、平氏打倒と源氏再興はまだ繋がってないよね。お貴族様的にはどちらにしろ武士なんかに任せられないって話だろうけど、だからこそ机上の空論的陰謀っつか。
後白河のやり方がいつもと違うってのは、清盛はどういうつもりで先を読んでたのかまったくわかんないんだけど、まさか打倒平家だとは思ってなかったってことだよね、だって普通に財力の問題があるわけだし。それ考えるとやっぱりお貴族様たちの考えが思いつきすぎるってことだし、単に戦のやり方がわかってないって話で、その点さすがに頼政は機を見るに敏なだけあるよね。そして多田行綱が密告w
鹿ケ谷の陰謀自体はwiki見ても流れはともかく実態がよーわからんので、むしろ明雲や山門のくだりは出来事としての一因ではあるけどなんとなくスルーして、陰謀の流れを追ってるからわかりやすいと思ったって感じかなあ。
そして当然発覚した陰謀をしらしめる、これみよがしに白旗をを焼いてるところを成親に見せるシーンとかね。効いてるよねw
成親は今の関係性としてどうとかより、もう今までずっと清盛に対しての態度があれだから身内だけどまあ仕方ないよねって感じ。経子が可哀想ー。
西光はもうどう見たってお前のほうが私怨で恨みだろとしか言い様がないんだけど、この人、清盛よりも信西のことを理解してたかというと全然してなかったと思うし、とにかく感情的に許せないが前提だからお前の言ってることは的外れだよという認識。オレ的に。
それが清盛の前に引き出され、罵詈雑言って、最初はわりと余裕で聞いてた清盛の顔色が変わって来たのは何の逆鱗に触れたんだとは思ったんだよな。その場の流れはわかるけど、西光の言ってう内容がまったくピンとこないのはオレの頭が悪いからか?
でまあ、激高したかと思うとダッシュで庭に飛び出しいきなりケンカキック決める清盛がカッコよすぎて‥‥! (*゚∀゚)=3 ムッハー
しかも西光の話聞いてる時の顔がおっさんすぎる。どう見ても50すぎのおっさんがマズいこと言われていきなり切れて、癇癪起こした感じ。松ケン上手すぎる (*゚∀゚)=3 ムッハー
しかしブチ切れて延々と踏みつけ踏みつけ、ストンピング、さらにストンピングの嵐はどうなのか。その態度だけでちょっとやばそうな領域に入ってるって気はする。まさに暴君。
たださ、信西の理想と今の清盛のやってることがどれだけかけ離れてるのか、それは清盛憎しの西光が見るから間違ってるように見えるのか、それとも世間の求めとまったく違ってるのがマズいのか、そこら辺がこれまでの流れでわからないのがちょっと残念。オレが今回うーんと思ったのは前回に引き続きそこくらいかなあ。
西光が言ったことがどういう意味で清盛を激昂させたのかわからないのに、ナレーションで清盛は明日を見失いかけてたって言われたら、もうそういう話で納得するしかないよね。西光が言ってることが正しいってことになっちゃうんじゃないかなあ。正しくないまでも、清盛の態度としてマズいし。つまり清盛は道を間違えかけてんだってね。
(追記、コメントレスしてて)清盛が西光の暴言に怒りを顕にしたのは、本当の意味で信西の理想をわかってない西光ごときにそこまで言わしておけない‥‥ということかなと思ったよ。それって信西の理想をも貶めることになるし。ただそのあと算木を折るのは、その信西の理想との決別か、もしくはわかっていてもあえて非道な道を進まねばならないことに対しての「んなことはわかってんだよ!」という西光と自分への怒りの意思表明なのか、それがちょっとわかりづらかったかなあ。
ただそこで”明日を見失いかけてる”のはナレーションがそう言ってるんだから(「頼朝」視点のナレでなければ)そういうことなんだろうなと。(追記ここまで)
そこがよくわからなくても、今週の重要ポイント、頼朝復活と対の話になってるから、明日を見つけた頼朝と明日を見失いかけてる清盛にしなきゃいけない‥‥って構成だと言われたらそう思うしかっていうね。
 
頼朝が政子に言われて改めて気がついた、清盛が言いたかったのは「武士の心をなくすな」ということであって、ただ生きながら死んでいく事じゃない‥‥ってのは、政子の好意的解釈にしても、たぶん過去のあの時の清盛は正しかったんだよな。
まさか今、この世の春の平家に対して蜂起せよってことじゃなかったろうし、最大限好意的に解釈して、髭切の意味するところを考えるとライバル義朝との関係はお互いに切磋琢磨し合い、間違ってることは糾しあい、双方が納得できる武士の世を作ろうということだったと思うんだよね。その魂を受け継げっていうつもりだったと思うんだ。あの時の清盛はたぶん本気でそう思ってたと思うのよ。
ただ清盛は権力を握って変わったし(と思うしかこの場合納得できんけど)、むしろ頼朝は平家の横暴に耐えかねて立ち上がる‥‥じゃないといけない思うんだけど、当の東国の人たちは清盛の恐ろしさは語るけど実際虐げられてるわけじゃないよねえ?
だからまあ、ぶっちゃけ言ったら、今この現状で源氏が蜂起する理由がイマイチよくわからんといってしまえばそれまでなんだよなあ。今のとこ大義は源氏にも特にないと思うんだけど。都に残ってる頼政だって多田行綱だってそれなり平家に温情かけてもらってると思うし。(だからこそ、頼政が打倒平家に立ったらヤバいとは思う)
でもまあそういうとこすっ飛ばしても、いつもの対比表現をいつも以上に説得力あるシーンとして見せた演出が素晴らしかった。
西光に暴行する清盛とかつて清盛に怒鳴られた頼朝を画的にダブらせ、清盛が言ったセリフを政子が解釈して頼朝に投げかけるという、それが強引でも、この強引さが納得できればいいかっていう。
そして10歳も年下のおなごに『連れて行ってくれ、私を明日へ、連れて行ってくれ‥‥』という情けない30歳を『連れて行けとは、女々しいお方じゃ(ニヤリ)。共に参ろうぞ、まだ見ぬ明日へ!』と激励する政子、カッコよすぎる、王子感溢れすぎる!(笑)むしろ年下の小娘に対して連れてってくれって、頼朝さんが何なのアンタ(^_^;)
どうでもいいけど花嫁行列の途中で抜けだした政子をみんな追いかけて来なかったのか?
まあその状況を、私は明日を見つけたけど清盛は見失いかけてるといっちゃうナレーションの頼朝さん、随分棚に上がってんなあw
それにしてもお互いの関係者が次々と相手に処分されて行く事を簡単に「駒」という乙前コワス。世の中も政治も人生もゲームすぎるだろ。