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- 作者: 岡村直宏,井上敏樹,石ノ森章太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/01/30
- メディア: 文庫
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足りない描写はなんとなく感じるけど、思った以上にすっきりとまとまってた。
最初がTV版と被ってただけにどの程度まで描くんだろうと思っていたけど、これぐらいなら単発の小説だと思える範囲かな。
ただ基本的にTVシリーズの設定を知ってるせいか、勝手に脳内補完してる感は否めない感じ。TVシリーズと違って翔一が記憶を取り戻すこと”だけ”と、彼と真魚の話でまとまってはいるんで、それをどう思うかというのは好みの問題なのかもしれないかな。
一番大きな改変、あかつき号→あかつき村の改変も、山村の超能力者の隠れ里設定の方がしっくりくるし、これで良かったと思う。
個人的にトレース小説としては悪くないし、内容としては翔一と真魚の話としてまとまってるんで、それゆえ最後の翔一のレストランに「MANA」とつけたことは、とても妥当だと思う。
ただやっぱりギルスのファンとしては、最後まで彼が酷い目に合ってるというのは気の毒すぎるとしか‥‥彼はあれで救われてるし幸せだと思ってるからいいのかもしれないけど、それゆえTV版より可哀想だと思う。せめてもう少し翔一・氷川・葦原涼の交流を持たせてくれれば、読者としてはこれでも救われたかもしれない。
あともう少し「アギト」というも存在について掘り下げてくれてば、ああいうふうに生きざるを得ない、望んでないのにアギトになってしまった男・ギルスとして納得できたのかも。
葦原さんは本当にもう気の毒すぎて目も当てられねえ。あんなさいごはあんまりだ (>_<)
翔一くんの彼女も相当ひどいと思うけど、あれはきっと事件報道のニュースで気がつくよなあ…と脳内補完。
ただ単発の小説だと考えると、アギトの存在、アンノウンの存在についてはTV版程度の結論は書いといて欲しかった気がする。ある意味問いかけだけして総括のない状態になってると思うんで。
まあ小説で描いてる分だけだと誰がアンノウンの存在について把握してるんだって話なので、それなら最初から「神の視点」(劇中的な意味でなくメタ的な意味で)を入れとくべきだったんじゃないかなあと。