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小説 仮面ライダーブレイド

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小説 仮面ライダーブレイド (講談社キャラクター文庫)

小説 仮面ライダーブレイド (講談社キャラクター文庫)

読み終わったー!もう、もう、300年経ってやっと、やっとオレたちの望みが叶ったよ‥‥!「未来、悲しみ終わる場所」は300年後だったんだね! ヽ(´∀`)ノ
ありがとう講談社、ありがとう宮下さん!オレしばらくこの小説だけで生きていけるよ‥‥ (´Д⊂ヽ
てかこれすでに「仮面ライダー」の話じゃないよね。謎のゾンビアンデッド相手に戦う300年後のパラレルワールドディストピア未来SFだとしか‥‥(苦笑)
しかし思った以上に面白かった! (*´∀`)=3 これ「公式」でいいんだよね?よね?
小説としてはディテールがちょっと甘かったり、ビジュアル描写不足で若干よくわかんないシーンがあったりするし、モブキャラの登場人物が多すぎて把握しづらかったりするけど何とか補完。あと文章は問題なし、普通の小説レベル。オレはこれくらいのほうが好き。
これ正当な後日談なので、ブレイドファンなら読んだほうがいいとオススメしとく。いや読むべき。あ、でも基本的にSFが苦手な人はこの世界観はダメかも?(どうもそういう感想がチラ見えしてる)
橘さんと睦月は出ない(生まれ変わり?)けど、ケンザキとハジメは間違いなくオリジナルだし。
ネタバレになるから(この話はネタバレ知らないほうがいいと思う)あまり核心部分は言わないけど、それでも読んだ人前提の感想なので気になる人は以下スルーしてくださいな。
 
 
タイトルからして「仮面ライダー剣」でなく「ブレイド」なのは、ブレイド自身を指すんではなくディケイドの世界的なパラレルワールド扱いってことでもいいや。名前表記はディケイド世界と同じくカタカナだし。まあそこはあんまり本編との関連は拘らないかな。とにかくオリジナルのあの最終回後の世界ってことで。
剣崎‥‥てかケンザキか、の最終回後の身の振り方に関しては大体のところは想像してた通りだったけど、それ以上に過酷だったよ‥‥(´;ω;`)
覚悟の上で不死の存在になったとはいえ、ハジメと違ってメンタリティは人間のままだから300年も生きりゃ結構壊れるかなとある程度想像はしてたけど、その予想以上。たぶんああして危険な人助けして生きてたと思うし、それで助けられなければ傷つくんだろうし。そしてそれゆえ記憶をなくすケンザキに涙‥‥
でもある意味ここまで描写してくれてオレは満足。あそこの記憶が戻るとこの文章描写も好みだった。胸が詰まる‥‥ううう
まあでもこの話で一番おいしいのは始ちゃん、もといハジメだよ。しかもその成長っぷりに胸が熱いよ‥‥300年でよくもそこまで‥‥ (´Д⊂ヽ
ケンザキと違ってずっと静かに生きてるだろうと思ってたけど、さすがに老人介護施設ってのは思いつかなかった。天音ちゃんのこととかもちゃんとそれなり描写されてるし(たぶん拒絶されたってのは超全集小説の内容のことだろうし)、その上でのこれってのは納得。
そして記憶を失ったケンザキに呼びかけるハジメの必死さや願いや想いがあの最終回の後だと思うといろいろ感慨深い。それが聞きたかったのよ‥‥!というセリフのオンパレードすぎる。というかハジメが300年経ってそういう気持ちになったことを付け入られたんならそうなんでしょう。そりゃそうでしょうよ。
だからあの怒涛のクライマックスも納得。最初目次見て「炎の黙示録」ってまた大層な章タイトルだなあと思ってたけどそんなことなかったw 燃えも萌えもありすぎる。そういう意味でもオレの心にドンピシャすぎるw
 
ネタバレっぽいけど一応考察というか。(ネタバレ注意!)
小説では最後のクライマックスだしあまり細かく説明してないから補完してみるけど、つまり統制者が人類をあそこに移したのは数年レベルの割と最近ってことでいいんだよね。統制者がやったことを考えると。(主にコジロウが物語を描く前後くらい?)
記憶いじってるなら月の数に違和感を感じなくても不思議じゃないし(「モノガタリ」の中の月は1つだし)、アンデッド発生時期考えると最近でいいと思うし、南極と海の上だけ再現すればとりあえずの違和感はないだろうから、月の数ってのもそういうことで。コジロウたちはちゃんと最後は「地球の月は1つ」だっていう認識は持ってるし。
それまではアンデッドがあらわれることはなかったっぽいから、襲ってきたアンデッドはその星固有のアンデッド(だから外見描写がない?)だという辻褄も合う。たぶん統制者はそういうことを地球を含むあちこちの星でやってたってことよね。最後の暗闇の神殿はそもそもそのどこでもない、むしろ次元すら定かではないと思われるし。まさにもう神。
そして石版には黒い「統制者」と真紅の「破壊者」がいて、さらに純白のものもあると。そこら辺の顛末はさすがに言わないけど大変にスッキリしたw 説明がまったくないからそれでいいのかどうかはともかくとして。
というかこの設定自体はものすごくSFだし、ぶっちゃけ宇宙の理にも触れるような統制者の力にマジでおののくよ。そこまでですか‥‥! ((;゚Д゚)ガクガクブルブル 石版の役割的なことがちょっと説明不足かと思わんでもないけど、まあある意味「神」だしなw
途中から、これってもしかするとこのタイミングで似た人間が存在すること自体が統制者の仕込みって可能性もあるのかなあと思い始めたんだけど、それもなくはないような。1万年ごとにバトルファイトやってるくらいだから、300年くらいあっという間だろうし。
まあ設定的には本気で相当にSFだから、最初に言ったとおりいい意味でももう仮面ライダーじゃないというか‥‥何か変な意味で話が広がりすぎててコワイ(^_^;)(セイザーXが最終的に宇宙叙事詩になったのと似て非なる様な気はするけど)
それとも名前がカタカナ表記だし破壊者出てくるし、これもディケイドの世界的なパラレルワールドと捉えたほうがいいんだろか?(笑)まあそっちの方がなんとなくしっくりくるような気もするけど。おのれディケイド‥‥!w
 
オリキャラの子どもたちがいるのは後日談的には好みの問題かもしれないけど、まあギリギリ。
橘さんもといタチハラさんは小夜子さんの代わりのサエコさんのこととかあるからシリアスモードだったけど、クワガタに守られるとか正義の海賊とかやけに食事に拘るとか胸に入れた刺青とか、一瞬ネタかと思ったくらいw まあ今度は騙されてはなかったけどw
睦月もといサツキ(最初名前で女の子かと思った)も取り込まれてるって意味では似てるかな。でも二人とも、元キャラがイメージ出来ない程度には他人で良かった。そのほうがいいよ。タチハラさんは橘さんよりヤサグレキャラだよな。むしろ矢車さんくらいのイメージだな。
虎太郎もといコジロウもルックスも年齢も何の描写もないんだけど、かろうじて虎太郎w ちゃんと語り部として機能してるし。
しかしところどころ、本当にちょっとしたところにだけどサツキと提督やレンとタクホみたいなホモネタや近親ネタが潜んでる宮下さんがオソロシイ‥‥さすがベテランすぎるw そういやハジメは解剖されかかったしな‥‥ってそっち方面もかw
あと微妙に「書いてないところ」があったり行間読ませすぎなのもサービスなんだろか?(笑)
細かいとこはあまり突っ込まないことにしとく。それは読んでのお楽しみってことに。
 
あと宮下さんが微妙に會川テイストを取り入れた話にしてくれてるのもポイント高かった。
剣自体のテーマにはないけど、「ここではないどこかへ」とか「モノガタリ」がキーワードだったりっていうとやっぱり會川昇テイストだよな。(そもそもディケイドも會川昇だし)
それがちゃんと最後には「ここではないどこかへ」じゃなく「この地球で」「運命と戦う」に繋げてるってのも上手い。それがちゃんとこの小説世界のネタバレとマッチしてたってのもよかった! (*´∀`)=3
アンデッドの血が「青」ってのはちょっと引っかかったけど、異星のアンデッドならそれもありかなと思ったら、ケンザキやハジメの血も青って書いてたのがちょっと気になるといえば気になる。ここまで書いといて最終回後パラレルですってことはないよなあ?
何にせよ、キャラにしろ世界観にしろ宮下さん自身が楽しんで書いてくれてるのがわかるような盛り込みようだったのが一番嬉しかった。シリーズの他のを全部読んでるわけじゃないけど、この作品でこういう後日談を公式で読めるとは思わなかったよ。
とにかくなんか大満足した。ありがとう、ありがとうブレイド小説‥‥(泣きながら)
そして最後のページが神!もう神すぎる!これがオレたちの希望!望み!最後のケンザキの笑顔にほんとうに癒されるよ‥‥。・゚・(ノД`)・゚・。
なにげにプロローグとエピローグの最初の一文の表現が対比になってるけど、ケンザキの内面を表してるのかなーと思った。 
とりあえずもう一回読んどくw