そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

泣くな、はらちゃん#9

http://www.ntv.co.jp/harachan/
脚本:岡田惠和 演出:狩山俊輔
 
きっとこういう世界が好きな人もいるんだろうけど、どうにもダメです。
今週は途中辺りからたぶん越前さんが漫画の中に入っちゃうんだろうなあと思ってはいたし、そもそもわりと最初から越前さんは自分を漫画の中に描けばいいんだよと言ってたんだけど、逃避しちゃイカンだろよ。本当に越前さんはダメダメだなあ。
というか、自分を漫画に描いてノートを閉じたら現実から存在が消えるって、とんだ世にも奇妙な話だよな。どんなデスノートだ。
こういう逃避の話自体はよくある話だし別に中2的なティーンだけの専売特許でもないんだけど、いろいろあって生活に疲れたオッサンが巻き込まれた世にも奇妙な世界ってわけでもなく、自分を変えることすら思いつかない何もしたくないアラサー女の緩やかな死のような逃避っていうとこがとても今的なんだろうなって気はする。勝ち組負け組って言葉は好きじゃないけど、越前さんって自分が負け組だってことすら自覚してないっぽいんだもん。
確かに現実に適応できてない人にとってこの現実で生きるのは辛いことには違いないし、別に逃避すること自体はいいんだけど(越前さんが漫画を描いて発散してたようなね)、本当にあっちの世界に行ったら「この世界に生きる人間としては」マズイだろよと。
まあなんだかんだいって来週の最終回にはどんなに辛くても笑顔で戻ってこなきゃってことになるんだろうけど、やっぱり多感な十代でなく何の努力もしてないアラサー女がってとこはとても引っかかるよ。「これから」を考えるに遅いことはないけど、それでもあなたは今まで何をしていたの?っていうもやもやが‥‥そこはちゃんと若い時に通りすぎておこうよというか。
というかあの越前さんの家族、すごくコワイよ。あれ、ある意味フリークスだよね、おバカな弟にしてもやたら化粧の濃いお母さんにしても。この世の人間じゃない気がするよ。ノートの漫画に描かれた娘を見て「いい笑顔だわ」っていう越前さんのお母さんちょー怖い。
百合子さんが町を出るって話してた時、半ば本気でこの町は百合子さんが作ったのかもって思ったんだけど、どうなんだろ。百合子さんが町を出た途端に後ろのほうで消えてしまいそうな気がするもんなー。そうすっとマジ世にも奇妙な物語

まあ今回の話がものすごく微妙に見えた理由は、漫画から出てきたはらちゃんたちがこの世界の人間と関われば係るほど、いわゆる頭の弱い人たちにしか見えないってのもある。そういうピュアな人たちがこの世界でも生きていけるっていうのはある意味理想かもしれないけど、やっぱりそれも違う気がするしなあ。
そういう人たちとも仲良くやれる世界が好きって、今回の描写だけで言えば争いのない世界だよな。暴力だけでなく越前さんの苦手なスポーツ的な意味でも競い合うことがない世界というか。
まあそんなピュアなはらちゃんですら、仲間が殴られたらその仲間を守るためにでも相手を殴ってしまうというのが哀しいというか。いいけど長瀬って、ピュアなだけでなくこういう時にちゃんと暴力的に見えるからすごいんだけど。
あとどうでもいいけど、百合子さんが描いてた漫画ってどんな漫画だったの?なんかものすごく哲学的な漫画だったの?だったらそんな漫画が好きだった越前さんってのもまたちょっと見え方変わるんだけどなあ。
まあ確かにこの世の中はゆるいくらいでちょうどいいんだけど、スランプでリタイヤした百合子さんに言われてもというか、いやどう見てもいい大人たちが僕ら漫画のキャラですって言ってそれが大した疑問もなく受け入れられるんだから、このドラマの現実世界はそうとうゆるいとは思うけど(苦笑)
予告では珍しく弟くんが頑張ってたけど、まっとうな理由ならいいなあ。ちゃんと戻ってこいよ、越前さんは。
やっぱりどんなに辛くても苦しくてもこの現実で生きていかなきゃいけないと思うんだよ、オレたちは。はらちゃんは何をどうしても漫画の中の住民でしかないんだからさ‥‥