そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

dinner #11(終)

http://www.fujitv.co.jp/dinner/
脚本:黒岩勉 演出:星護
 
テレーザからの好待遇での引き抜きの打診、普通なら江崎がその話を受けてロッカビアンカは今井さんに任せる、そのためにカーザ・トリーノの格付け評価の料理を作る、もしくは今井さんに作らせてきれいに退場する‥‥のかな、と予告の時点では思ってたんだけど、テレーザの話を断って格付け用の料理も作ってさらにロッカビアンカに居残るという選択は軽くビックリしたよ(笑)
しかもその理由、そもそも江崎が料理人になったのはロッカビアンカの辰巳さんの料理に感動したからだったっていうのが、ああーなるほど〜というかなんというか、それならそりゃ店が軌道に乗るかどうかというよりは、辰巳さんが戻ってくるかどうかだよな、とものすごく納得。そういう意味での江崎なりの恩返し的な側面があったのかと。
初っ端、今井さんの料理の腕に内心驚いてたけど、明らかに美味しかったのにものすごくベタ褒めもしてないってのがいつもの江崎と違うなあとちょっと引っかかってたんだけど、格付け料理での突発的な江崎と今井さんの対決の結果で今井さんが勝ってたってのに対するリアクションも、微妙にいつもの江崎とは違うような。いや相当悔しがるとは思ってたけど、もっとストレートに悔しがるかと思ってたんだよな、数馬の子供の時の話みたいに。
そこら辺が、あの負けず嫌いの料理オタクの最大譲歩だと思うと、それはそれで江崎もしょうがないなあ〜(苦笑)って感じではあるんだけど、自分が勝てると本気で思ってたんならドラマとしてはそこで店を出て行く理由にはならないし、今井さんが勝ったからそこで潔く辞めるってのもある意味負け逃げって感じで江崎らしくないなあと思わんでもないというか。しかもそこで本当は行く気のないテレーザの引き抜きを理由にしたって言うのもね。
ちょい気になったのは、今井さんはそれなりの料理の腕を持ってたみたいだけど、どの程度なのかってのが今までの話ではそんなに描写されてはなかったと思うんで、ぶっちゃけカーザ・トリーノの審査員の二人が感動するほどの料理が作れたってのはよくわかんない‥‥けどまあいいや。だって今井さんはイタリアに修行に行ってたわけでもないんだよね。なんで江崎より美味くて本場の人をうならせる味付けが出来たんだ?そこは辰巳さんの仕込みがよかったってことなんだろか。この3ヶ月、江崎のもとで仕事してて、本当にあとは自信だけってレベルまできてたんだろか。でも自分で辰巳さん亡きあと(死んでない)ひと月で常連を逃したって言ってたわけだしなあ。そこら辺の細かい事情も拾ってるってのは話としては面白いんだけど。
まあそこで審査員の二人のプロファイルが出来る瀬川といい、調査員の二人が喋ってるイタリア語を厨房スタッフがみんな理解してたっぽいってとこからして、あそこのスタッフのレベルがやっぱり高いのか?厨房スタッフたちも今までは今ひとつ料理に対して精密さや精度に欠けてた、もしくは辰巳さんがいなくて気が緩んでしまったってことなんだろか。
そういうとこがどうしても若干気にはなるんだよなあ、全体の話の出来がいいだけに。いやそういうとこ気にしすぎだってのはわかってるけどw
まあ面白かったからそこはそれ〜でもいいんだけどね。うん、このドラマは十分に面白かったよ。
 
最後に辰巳さんも意識が戻って、(都合4ヶ月近く意識不明だったわけか)、月末まではいるって言ってた江崎はあっさりまかないだけ作って去ったと。
あの時テレーザのオファーを受けたって言ってたから、てっきり今井さんとの勝負に負けたあと速攻向こうの担当者と連絡取ったのかと思ったけど、結局断ったままだったんだよな?そしてまたそこら辺の普通のリストランテで雇われシェフをやってるってことだよね?
そこら辺含めて、市場でたまたま辰巳さんと出会ったとこがなんとも江崎らしくてよかった。あそこで辰巳さんと会った本気の驚きの表情と、何とも言えない尊敬の念が感じられたのがよかった。その前にロッカビアンカでの「面識のない俺が行っても仕方ないだろ」ってのがあるだけに。
江崎のキャラって、つくづくいいよなあー。あのオタクさと懐の広さととにかく料理大好きという普通の料理人にはありえないほどの情熱に、それ以外のことは多くを語らないのが逆に面倒くさいというか、それでいて偏屈とは違うしユーモアのセンスもあるという、こういういろいろ含みのある役を江口洋介がやるってのが何となく不思議な感じというか。てか、江口って熱血な役やってもなんとなく役を突き放してる感じがたまにパターン化して見えるんだよなあと思ってたんだけど、この役は逆に突き放してる感じなのが上手くハマってたからかなあ。正論を言ってるはずなのにつかみどころがないというか、ドラマの中でも主役なのに一歩引いてる感じな立ち位置なのがよかったというか。
最終回は調査員が来店したって話自体はオオゴトだったけど、いつものこのドラマの展開としてわりとあっさりミスもなく終わって、辰巳さんの意識も戻ってめでたしめでたしで、その辰巳さんはそうとは知らず江崎に出会い、ロッカビアンカがカーザ・トリーノで星2つをもらったというニュースを聞いて江崎がどっかのリストランテの厨房で一人喜びに拳を振り上げるというラストはとてもこのドラマらしく江崎らしくて最後までいい雰囲気で終わったなあ。見終わって満足したーって感じだった。
登場人物全員も一人ひとりきっちりとキャラ立ちしてたし、時々微妙な回はあったけど全体にすごく真面目に作られたドラマって印象。この枠は無くなっちゃうみたいだけど、こういうドラマはまたやって欲しいなあ。
そういや江崎のウールトレンチの襟に付いてたツバメのブローチ?カワイイなあ(*´∀`*)あれどこのコートだろ。
 
最高の離婚に続いてこのドラマも終わっちゃって寂しいよ (>_<) 今期は面白いドラマいっぱいあったし、あとはラスホだなー。