そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

中学生丸山

http://maruyama-movie.jp/
監督・脚本:宮藤官九郎

 
いいクドカン映画だった(笑)
まあ当然だけど、あまちゃん系のクドカンドラマよりはうぬぼれとか木更津みたいなやつか、こういうくだらない話が好きです。
ネタバレっていうほどの話でもないけど一応ネタバレ配慮で。(と思ったけどあんまり配慮してないかも)
 
ネタがネタだけに女子が見るのはアレな映画って風に思われてるのか?あんまりそんな感じでもなかったけど。これに比べたら「HK 変態仮面」のほうがよほどヤバいHENTAIムービーだよ!(苦笑)
映画自体はメッセージ性があるんだかないんだか、世の中に対して何が言いたいのかはよくわからない内容だった。でもだからといって「考えない大人になるくらいなら死ぬまで中学生でいるべきだ!」ってのもどうかと思うけどさ(苦笑)
展開はカオス、終始カオス!妄想が現実にはみ出る話なのかと思ってたら別にそういうわけでもなく、その割に最後が‥‥というか、後半クライマックス、下井(草なぎ剛)がどういう人間なのかがわかってからの展開は、妄想じゃないとしたらかなりグダグダ。どこまで本気に受け取っていいのかちょっとリアリティレベルを図りかねる感じ。オレは見てないけど日本的な団地もの邦画に「デスペラード」と「フロム・ダスク・ティル・ドーン」を足して、韓流ドラマも混ぜたみたいな感じ?(笑)
普通なら、これファンタジー映画ってわけでもないしなあ‥‥とボンヤリするとこだけど、そこは主人公の自分でナニを舐めたい多面い日や秘密の自主トレをする円山克也くん(平岡拓真)の”届いた”奇跡からの変身?で畳み掛けるという展開は、まあそれはそれでいいと思う。ただまあいつもどおりグダグダ。
クドカンって脚本単体や映像の画面センス自体はいいのに、まるっと1本やると全体の展開はなんかグダグダで何が言いたいのかよくわからない映画になるんだよなあ。まあそれはそれで小ネタ含めて面白いんだけど。かなり声だして笑ったw みんな笑ってたから問題なしw(ただ真後ろの席で自宅のように喋りながら食いながら見る女たちがいてそれはカンベンとは思った)
しかしこれ、ハッピーエンドではないよな。結構ひどい話だよな。
 
そして下井@草なぎの違和感といったらスゴいね!
あれは彼のことだからたぶん演技で加減できるんだろうけど、アタマのおかしい人という怖さの度合いがまったく測れないところがコワイ。相変わらず演技すごい。
下井は団地のご近所さんの評判的には「いい人」なんだけど(まさに草なぎのあれw)、引越しのジャムや挨拶、克也とのやり取りなんかでどこまでが本気でどこまでが確信犯なのかわからないのが、予想できない不快感、不気味さになってるんだよね。
しかしこの映画って、映画だけ見てる限りではその下井の信念の「僕は正しくありたいだけなんだ」をどう容認するのか込みで判断しづらいんだよ。つまりクドカンがどういうつもりでこの下井というキャラを設定してるのかオレは殆ど読めなかったというか。この映画がどういう意図なのかよくわかんないのもまあクドカンの監督作品はこんなもんかというか。
下井は最初から最後までワケが分からない頭のおかしい人で、その行動は見てて人を不安にさせるんだけど、そうなった原因自体はとても悲しく、でもだからそういう人になったと言われてもなんとなくそこは繋らないから、ああ単に壊れた人なのかなと思うんだけど、時々まともそうなこと言うからコワイんだ。
彼の正義や「なぜ人を殺してはいけないのか」の問いかけ、ああいう行動をすることの正しさと間違ってる度合いがとても違和感あって、団地という予定調和な閉鎖空間に投下された異分子なんだよね。
そういう感じの下井の行動とその原因、克也の妄想に対する面白がり方や突き放し方、部屋の様子がちょっと異常で、反面克也のお母さんの行動や団地の人々の反応はとてもよくありがちなステレオタイプの人々の日常を描いてる部分(たぶんこの辺はクドカン自身の原風景なんだろうけど)はとても普通だということが、最終的に結局何を言いたいんだ?になってるのがカオス。
克也=「中学生」の妄想のくだらなさを描きたかったというのは、その奇跡の瞬間の構成要素含めて大変バカバカしいし感動的でもあるんだけど(笑)
イレギュラーなのは井上さんとこの徘徊老人のおじいちゃん(遠藤賢司)くらいかなあ。克也の妹の彼氏?で元歌手?でボケてるのかボケてないのかわからないけど、役の扱い方としてもかなりトリックスター的な感じだし。
克也の平岡拓真くんは目力強くて思った以上に良かった。ああいうバカバカしいことをやるにはちょっとかカッコよすぎる感もあるけど、あの「中学生、円山!」っていう掛け声は思った以上にインパクトあり(笑)お尻丸出しっぷりも潔かった!(笑)お尻はキレイだったよ!w
あと「俺のMYノート」ワロタwやりがちやりがちw

パンフまだ読んでないからわかんないけど、この映画は評論家的には深読みされたりするんだろうか?なんか深いものがあるようなないような、たぶん切り取る所でいろいろ語れるくらいには詰め込んでるんだよね。
最終的に日常に戻るんだけど、克也が洗脳に近いことされてるのもちょっと怖いというか。彼はこれからどうするんだろう?
でもそういうことを考えなくても、ネタ的には果てしなくくだらなくて面白かった(笑)あんなくだらないことや妄想にひたすら真剣になれるのが中学生だよな!(笑)