そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

夢と狂気の王国

http://yumetokyoki.com/
監督・脚本:砂田麻美

 
これ1時間半くらいだと思ってたけどがっつり2時間もあって、でも退屈しないしこれはこれで面白かった。
宮崎監督がいかに面倒くさい人なのかよくわかりすぎるよ(^_^;)
内容的にもNHKとかの上から紹介目線のドキュメンタリーとはまた違った私的ドキュメンタリーで、なかなか興味深いしわりと面白かった。
主に宮崎駿に密着で、彼とジブリの人たちとの人間関係や日常、あとはあのステキな仕事場とアトリエが見られるってことか。
宮崎監督、毎日規則正しくスタジオに出勤してるみたいだけど、帰りはその近くにあるアトリエに帰ってるっぽいからアトリエに住んでるってことなのかなあ?そういうプライベートなとこには特に踏み込んでなくて、とにかくスタジオで監督がどう思われてるかとか鈴木プロデューサーとのやりとり、あと日テレPの奥田さんとの関係や、なぜ日テレだけがジブリの作品を放映することが出来るのかということを新入社員の前でレクチャーするとか(理由は友情w)、へ〜と思うことも多かった。
当然高畑監督との関係と、宮崎さんが高畑さんのことをどう思ってるか、二人はどういう付き合いをしてきたのか、なぜジブリはこういうスタジオになったのかという起ち上げのことも昔の映像を使って構成されてて、NHKの仕事密着系ドキュメンタリーでは見られないことが多かった。
全体があくまでも砂田監督目線のジブリという王国の様子が描かれてる。
撮影が2012年秋からだからちょうど声優決定とか記者会見とかのもようもあるんだけど、脚本がなく絵コンテで作業を進める宮崎さんのやり方を追っかけてて、春になっても声優が決まっても、すごいぎりぎりになっても作画どころか絵コンテが終わってなないってのは見ててハラハラしました(笑)
あとポスターには「2013年夏公開」って書かれてたかぐや姫がどう考えても間に合わない、どうするみたいなとこはちょっとドキドキ(苦笑)「奇跡が起きれば間に合うかも知れないけど、そんな奇跡は起きないから」って…(^_^;)
声優絡みで庵野さんも結構映ってるけど、あの師弟関係はそれもそれでなんか奇跡みたいなもんだよなあw
あと高畑さんはまさにジブリのラスボスだった(笑)ちょびっとしか出てこないけどなんか重みが違うw そして吾朗さんがあまりに辛辣というか、いろいろ心中お察しします…って感じw
確かに宮崎監督はいろいろ面倒くさいかもw
鈴木さんたちがいう「宮さんは自分が一番可愛いから無理はしない」っていうのはあれだけ仕事してる人だからこそというか、スタッフのいう「自分の世界を守るからこそ他人を傷つけてしまう、それでもいい、何かを得たいという人しかここにはいられない」っていうのも、つまりは宮崎さんの「自分がいなくなったら後は知らない、滅びるでしょう」と同じ線状にある言葉なのかなあ。そりゃジブリで仕事するには覚悟がいるよなあw
まあドキュメンタリーとしては、すべてを映すことは出来ないだろうにしてもちょっと説明不足のところも多くて、監督の目線がちょっと定まってないのかなと思うところもあった。もっとテーマとして絞り込んだほうが良かったとは思うけど、パンフのこの作品を撮ることになった取っ掛かりのとこだけ読んだらそもそもどの範囲まで取材できるかもわからず、おまけに本人にインタビューは出来ないという縛りがあったみたいだし、仕方ないのかな。
パンフは文章多いから読んで何かあればあとで追記するかも。
ちょこちょこと箸休め的に猫のうしこ先輩が出てきたり(カワイイ)、菅直人の選挙演説があったり、ホントはもっと日常から炙りだされる宮紾駿みたいな感じをやりたかったのかな。でも最後の引退会見の直前に砂田監督を呼んで屋根を走るアニメの話をするとか、くだらない雑談も入ってるのが面白かった。微笑ましいw

あとまあ個人的には、30年近く昔に知り合った人が出てて、おおっと思ったり。(向こうはもう覚えてないかもしれないけど、なんとなく顔は覚えてたんであれっと思った) ずっとジブリ作品に名前が出てるのは知ってたけど、それだけ難しい面倒くさい監督の下でずっとやってるのもすごいなあーとw
 
あと何気に「夢と狂気の王国」のユーザーレビューを見たんだけど、タイトルからしてはあっ?と思うようなレビューばかりで…オレもアンチ喫煙派だけど監督の歩きタバコをそこまで避難するのもどうなのかなあ?
http://info.movies.yahoo.co.jp/userreview/tymv/id346436/s0/p6/or1/ds2
どこであってもすぐ横で煙草吸われてたら勘弁しろよと思うけど画面の中で吸ってる分には受動喫煙もクソもないんでまったく気にならないけど。なんでみんなそんなにも「世界の巨匠」が煙草吸うことに批判的なんだろ?しかも個人の仕事場だしな。そんなことで作品評価が下がる、というか内容についてもつまみ読みしてもちゃんと見てないような人が多くて、それ以前に一般人にはこういうドキュメンタリーもこういう内容も求められてはなかったってことなのかなあ。
NHK的な世界の巨匠・宮紾駿の仕事っぷりが見たかったのかしら?そんなのしょっちゅうNHKでやってるやん。
 
こないだ行った時にあったバルト9の王国の宣伝ディスプレイ。なんかすごかったよw