そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

八重の桜#49「再び戦を学ばず」

http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/
脚本:山本むつみ 演出:一木正恵
 
あああ、とうとうあんつぁま、そして久しぶりの殿様まで‥‥ (ノ△・。) みんないなくなっちゃうよ‥‥
しかし相変わらず「八重の話」ではないので、それならそれでもっと全体を描いていたほうが良かったんじゃないかなあと思うことしきり。なんで今、たった30年前に日本最大規模の内乱が収まって時代がガラッと変わって何もかもが新しいシステムと生活になったというのに外国と戦争をやらなきゃいけないのか(しかも日本にあんま関係ないよね?)さっぱりわかりません。せめて八重さん目線で説明して欲しかったですよ。このドラマの前半みたいに。オレたちゃ立場的には八重さんなんだからさ。(でもこのドラマの八重さんって結局傍観者ポジションだから、あながちその視点って間違ってなかったと思うよ?)
いやなんで戦争が起こったのかっていう理由は劇中の説明だけでも分かるよ、要は朝鮮を日本と中国(清)で取り合ってるだけなんでしょ。あとロシア情勢とかも絡んでるというか。てか、え、日清戦争勝ったんだ?ああそうなのねー(歴史に疎くて‥‥)そりゃその後、なんかいろいろ勘違いするんじゃね?日本は。鎖国明けにいきなり眠れる獅子と戦争して勝っちゃったら勘違いするよね〜。
それはともかく、だからこそ戦争の只中にいた普通の女性である八重さんの目線で語って欲しかったというか。この時代の流れをさ。
徳富蘇峰先生たちはまったくもってキリスト教の教えを受けたとは思えない勢いで浮ついてるけど、襄さんが生きてたら悲しむと思うよ?結局ジャーナリストたちは平和だと飯の種がないから戦争戦争と浮かれてるんじゃないのかとしか思えない。まずは報道ありきで、それが「何か」ってのは関係ないんだよな。伝えることがなけりゃ報道は成り立たないと思ってんだろうけどそれ間違ってるよ。

で、尚之助さんの会津戦記を浩が書くにあたって覚馬のところに健次郎が京都時代の話を聞きに来たと。
ちょうど会津戦争に至る時期にはずっと幽閉されてた覚馬とその只中にいた八重や健次郎とは思うところが違うのは仕方ないにしても、言ってることは覚馬のことが正しいよね。それがどういう理由でどこに向かってたにしても、薩摩も長州も同じように勤王の志で新しい日本の理想を作ろうと本気で考えてたのは確かなんだから。(それがそれぞれ理想のマイ国家なのが問題なんだよね)
問題は30年経っても、八重さんも健次郎もそれなり学問を修めてるのに覚馬さんがいうところの知をもって〜みたいな話がまったく身にしみてないってことだよね?
覚馬さんがその話した途端に会津籠城の話で割って入る八重さんと、大君の義のせいで会津が間違った判断をしてしまったといった途端に食って掛かる健次郎って、あんたは「何があったのか」の真実を聞きに来たんじゃないのかよ‥‥と。おまけに八重さんはそれを諌めるって、もう八重さんがよくわからないよ‥‥あんた今さっきあんつぁまにくってかかったやんか (´△`)
まあこのへんはその後の容保公の御宸翰のとこに繋げるためなんだろうからいいんだけど。今回の話のキモはそこだよね。
日清戦争云々ってのは一応最終回への布石だけど、このドラマの本当にいうべきことは、会津の戦いの真実と逆賊と言われた会津の汚名を濯ぐってことだよね。
容保公が御宸翰をずっと公開しなかったのは、覚馬の言うとおりそれこそあの時は薩摩も長州、会津のそれぞれに志は正しかったからこそ、会津天皇からの直接のお願いがあったということを公開しても意味が無い、むしろ朝敵ってことで討伐されてるんだから見つかったら証拠自体もなくなってたってこともありえるわけで。
それと引き換えにしたのが侍の誇りと会津藩士の命と汚名だったってのはあまりにも大きすぎる代償だけど、その罪自体を容保が引き受けたってこと、その重責から解かれたのが死ぬ間際ってのが泣ける (´;ω;`)
それこそもうさすがに山川兄弟の及びもつかない覚悟でその秘密を30年間ずっと隠し持ってたんだなあと思うと‥‥まあむしろ、維新直後にそんなことわかったら会津じゃ暴動が起きてた気がするけどさ。山川兄弟や八重さんのリアクション見てるだけでも。
本当にもう絶対どこかで止められたはずだと述懐する覚馬さんと、どこで道を間違えたのかわかってても侍として覚悟を賭した容保公の二人がこの回で逝くってのはある意味会津の戦の締めとしては象徴的かなあ。
ああこれでとうとう最終回。後半どう考えても失敗してるよなあ、この大河‥‥ (´△`)
改めて公式サイトのイントロダクションを見ても、後半こういうつもりだったのかなあと疑問を感じてしょうがありませんよ。どこが「ならぬことはならぬのです」だったのか。→http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/about/introduction.html
 
公式YouTubeに上がっていたのですが、相当とんでもないメイキング。オレはどちらかというとやっぱりロケ撮影の方が好きなんだけど、やっぱりスケジュールを考えるとしょうがないのかねえ。
ただこれ見る限り、ほとんどセット撮影だってのはともかくこのレベルでCG映像が作れるってのがスゴい。どんだけ予算使ってるんだ!?
ただまあ後半は前半ほどの画面の美しさを感じられなかったのが残念。