そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

安堂ロイド〜A.I. knows LOVE?〜#7〜10(終)

http://www.tbs.co.jp/ANDO-LLOYD/
脚本:泉澤陽子 演出:坪井敏雄、木村ひさし、波多野貴文
 
一応最後まで見たよ。結局脚本としては西荻弓枝は殆ど書いてなくて泉澤さんが最後までやったけど、うーんこれ、どうなんだろ?
最後に小田和正の歌が流れてスロー映像って、まんまじゃあないけどなんとなく印象としてはやっぱり「SPEC」というか。小田和正佐野元春かってくらいの違い(苦笑)
話はオレですらわかんない。本当に最初にぶちあげた大風呂敷は肩透かしどころか自爆に近いよね。木村柴咲目当ての一般女性客以外にオタクを釣ろうとして壮大に自爆。
まあちゃんと見てなかったってのもあるけど、そんなに適当に見てたってわけでもないけどやっぱりわかんないよ。脚本的な問題でいうと、たぶんSF的な用語とかそういうことよりもそれが何を表すのかという言い換えが上手くなかったんだと思う。そこら辺「SPEC」はまだわかりやすかったから用語に惑わされずストーリーに集中できたと思うんだよね。その加減も上手かったし。
まあとにかく何が悪いって、何もかも安堂麻陽のキャラが悪いとしか言いようがないんだけど、あと白い女・ラストクイーンが適役としてあまり魅力的じゃなかったんだと思う。木村拓哉は最初演技がどうこう言われてたけど全体としてはそんなに悪くなかったんだよね。悪いのはむしろ柴咲コウ桐谷美玲かなあ。
やってることはわりと「SPEC」の焼き直しみたいなことやってるにしても、当麻とラストクイーンの口調かぶり過ぎな上に、当麻のあれは口は悪いけど心は絶対的に人類側で、モチベーションとして「人の思い」で動いてるという前提があって生きるキャラだよね。ラストクイーンはあれ、吉良@ジョジョのパクリキャラじゃん。(だから「QUEEN」だってのもあると思うけどw)というかあの口調単にはジョジョの悪キャラだよな。
「人の思いはアンドロイドの性能を超える」とか「時間を超える」みたいなこと言ってたけど、そもそもなんで沫嶋零士がそういうことに巻き込まれて、安堂麻陽を未来からきたそっくりさんアンドロイドが守らなきゃ行けなくなったのかってこと自体がまったくわかりません。あれ、自業自得‥‥に近くなかった?それすらも因果関係がよくわかんなかったんだけど。
どっちにしても麻陽が、視聴者が見て守るに値しないキャラにしか思えなくて、おまけに実際うざいしうるさいし頭悪い役に立たないバカ女で、見ててイライラしかしないキャラだったってのがマズかったとしか。
あとオレ一番納得いかなかったのは、彼女が沫嶋黎士と結婚間近だという設定なのに彼に似たアンドロイドが守ってくれてるってだけでそっちになびいてるというその事実がとても気持ち悪くて腹が立つんだよな。彼女が不実にしか見えないってのもあるけど、ドラマとしてそれ何がやりたいの?っていうね。

オレとしては彼女が愛してるのはあくまでも人間の「沫嶋黎士」で、どんなに似ててもアンドロイドはアンドロイドとして自分を守ってくれてるということは信用してても人間性としては信じてない、彼女が思ってるのは本物の沫嶋黎士だってことを貫いて欲しかったです。その上でロイドのことは最後近くまで胡散臭い「物体」として扱って欲しかったよ。
ロイドに対して可哀想だという意味での気持ちはあってもそれ以上ではないっていう、その線を守って欲しかったなあ。そうすればロイドがそんな麻陽を守って消滅することで視聴者はロイドに同情できるわけだし、最後の最後で気持ちが通じればまさに「思いはいろんなものを超える」って話になるんじゃないかなあ。
というかまさにそういうキャラが角城だったんだけど。あれは平岡祐太が良かったおかげですげー可哀想でよかったよ。というかロイドをこそああいうキャラにして欲しかったんだよ!
見た目は同じでも中身が違う中身こそが重要だっていうことで、不安定な状態のままありえないことが起こって何が何だかわからないけど、それでも麻陽と黎士の愛情が変わらないことを確かめるって話になるなら納得できたのに。
あとその麻陽を守るってことがもっとダイレクトに自業自得でおかしなことに巻き込まれた(もしくは七瀬のせいで)黎士を助けるって話な方が、きっとキムタク目当てで見てる人たちにもわかりやすかったんでないかなあー。そうすれがもっと無理なくみんな麻陽に自分を重ねられたんじゃないかなあ。
あと七瀬ちゃんのくだりはイマイチどこに向いた話なのかも良くわかんなかったしな。彼女はまあ、最後はみんなと仲良くなれてよかったね‥‥っていう、ATフィールドを解除するならもっと早めに自分を知っとけみたいな話でしょ。やっぱりほぼマッチポンプで余計な混乱させてたんだしさ。
そんな「オレ(の見たかった)安堂ロイド」みたいなこと言ったけど、木村拓哉柴咲コウの恋愛ものを見せたいならそれはまったく否定しないけど、絶対こうじゃなかったと思う。どこの世界に結婚間近でラブラブだったフィアンセが死んだかどうかわからない状態で、似てるけど人間じゃない物体(アンドロイド)が現れたからといってそれといい感じになる話が見たい女子がいるんだというね。守ってくれるから好きになるなら独身ヒロインにしてください。「ターミネーター」みたく。
このドラマで描くなら、そこは生死不明のフィアンセを生きてると信じる女性の強さと脆さを描くべきでしょ。ピントずれすぎ。
結論としてはつまらなかったです。いろいろもったいないなあと思うところはあるからこんだけ文句が出てくるんだと思うけど、なんというか、大筋的にも各話の脚本的にもいろいろ突っ込むのもしんどい感じだったなあ‥‥もったいないというよりいろいろ無駄遣いだね。