そこがミソ。-ドラマや特撮感想などを気ままに

ブログ、感想は見た日の分にアップしたいので過去ログがいきなり埋まってることもあるってよ。

ゼロ・グラビティ(IMAX3D・字幕版)

http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/
監督:アルフォンソ・キュアロン 脚本:アルフォンソ・キュアロン、ホナス・キュアロン

 
宇宙怖いし宇宙服とか着て作業とか超無理だし、主人公諦め早すぎと思ってイラっとしてたらジョージ・クルーニーで和んで、でも最終的には拳握りしめてヤキモキしながら涙してああヨカッタ〜と思う映画だった。1行で言ったらそんな感じ。
でも脚本も映像もいろんなことが素晴らしかったです。
原題は「Gravity(重力)」だけど邦題は「ゼロ・グラビティ無重力)」になってて、相方は意味が逆になるしダサいって言ってたけど、やっぱり映画の内容を考えると原題のほうが正しい気はするなあ。
「ゼロ〜」って付けたほうが日本語の音として収まりはいい気はするけど、この作品が言いたいこと自体は「宇宙空間を漂う話」ではなく、「生還して、再び地球の重力を感じる」という話だから「Gravity」だよなー、やっぱ。日本的に売りが宇宙空間のほうってのは、まあわからんでもないけど。
ネタバレも何もない話だとは思うけど、以下気になる人はご注意。
 
 
オレ、海ですら足つかないと無理なんだけど、もう絶対宇宙無理だね。それだけで死ぬ。マジで冒頭から数分、事故が起こる前にもう息苦しくなってた。事故った時点でもうドキドキして、早く、早く回転を止めてあげて〜〜!とハラハラしちゃったよ。怖い (>_<)
その辺はどうも13分のワンカット撮影のせいかも。サンドラ・ブロックのライアン博士の顔に寄っていったカメラがそのままヘルメットの中に入っていって、視界が博士が見てる景色になるあたりで気がついたけど、これ冒頭からずっとカット割ってないんだよね。
おまけにロシアが衛星を爆破処理したことで予想外のデブリ群になって、衛星軌道上で作業してたシャトルの乗員たちが大惨事に遭うんだけど、そのデブリが地球を一周して再び回ってくるのが90分後。それまでにそのエリアから脱出して地球に帰れるかどうかという話で、そういや映画も90分ちょいなんだよね。すべてが実時間で展開する映画らしい。(もちろん手順とかでフィクションの部分はあるみたいだけど)
ただ最後のパラシュートを外すとこはそれ7分じゃ無理だろ…と見てる時ですら思わんでもなかったけど、まあいいかな(^_^;)
 
上手いこと彼女の視点と全体の視点を混ぜてるから、宇宙服を着たままでの作業がどれだけ困難か実感できて、見ながら思わず手を握りしめて力入りまくりでした(苦笑)
映画として見てるとパニック起こす彼女見て、おいおい落ち着け、余計に酸素がなくなるよーって思うけど、そりゃ無理だよなあ(^_^;)
ベテラン宇宙飛行士のマット(ジョージ・クルーニー)と違ってライアンは単なる博士なんだし…と思ってそこは我慢したり、諦めが早過ぎると思ってイラッとしたのはそういうとこなんだけど、その死ぬかもしれないという恐怖状態を同時に体験して、生還するからこその生きてる実感がメッセージなのかな。話としては心がヒッキー状態のライアンが死を感じることで生きることに目覚めるというか。
酸素不足の状態でやっとISSに辿り着いたライアン博士が宇宙服を脱ぎ捨てて胎児のように丸まるシーンがあるけど、そこよりもむしろそのシーンが布石となった最後のポッドから脱出するところ。
湖に着水して早く外に、早く宇宙服を脱いで…!という水中のシーンで、その最初の宇宙服を脱ぐシーンを思い出したんだけど(だからすぐ脱げるのはわかってる)、その宇宙服を脱いで水中から出てきてやっと岸辺にたどり着き、土を握りしめてふらふらと立ち上がるのがまるで生まれたての馬とか鹿とかみたいな感じで。でもあの土を握りしめるとこなんかもすごく実感的だったけど、まさに90分間、ライアン博士の視点で宇宙で生き残るために戦ってた感じというか。ホントに助かったとこでホッとしたよ。
まああんまりいうと面白くなくなるから言わないけど、見終わってライアン博士が助かって、でも彼女があれだけパニックになるような状況で静かにガンジス川の流れを見ながら死んでいったマット飛行士のことを考えると、それも結構泣いたね。ガンジス川ってのがまた死と再生というか。まあだからこそあの酸素低下状態でライアン博士が見た幻が意外すぎて一瞬「えええっ!?ヽ(゚д゚≡゚д゚)ノ」ってなったんだけど(笑)
いやあそこはその後の怒涛のクライマックスに向けていいシーンだった。あそこで立ち直るライアン博士にもう泣けたよ。まさに彼女の意思は諦めてたけど彼女自身は助かる道を探してあれを見せたんだよね。ううう…(`;ω;´)
クライマックスはもうそりゃ大気圏突入なんだけど、ホントにああいうシークエンスは燃えるし(いや実際燃えてるけどw)、展開としても映像としても最高に盛り上がる完璧なラストシーンだったよ。
(しかしついついそこで実は…的なバッドエンドを考えてしまうのは変なエンタメ映画を見過ぎてるせいだと思うw)
 
できればIMAX3Dで‥‥と言いたいところだけど2Dで見るなら前のほうの席が臨場感あっていいかもね。
ただ実際IMAX3Dにしてもそこまで3D効果感じないなあと思ってたら、どうやらかなりの部分が2D→3D変換らしい。そんな違和感ほぼなかったくらいのクオリティだったけど。あとまあデブリが飛んでくるところはかなり怖かったかなあ。デブリ怖い(>_<) 
それにしてもCGっつかVFXが凄すぎてもう逆にどうでもよくなったね。マジで宇宙ドキュメンタリーを撮影してんのかと思うレベルで違和感なさすぎ。宇宙行ったことないけど。
この映像を作るのにどんだけ手間隙かかってるのか考えるとおそろしいけど、そういうことを感じないくらいのクオリティになって初めて映画そのものの描きたいことが実感出来るのかもね。とにかくよく考えるとスゴい。技術の進歩とクリエイターのアイデアはスゴい。
 
キャストはほぼサンドラ・ブロックジョージ・クルーニーしか出てないんだけど、サンドラ・ブロックが思ったより上手かった。今までなんだと思ってたんだといわれたらゴメンナサイとしか言いようがないけどw 撮影がほぼ一人きりでCGだと考えるとホント大変だったと思う。
実はジョージ・クルーニーはこういう地味目の映画には意外だなあと思ってたんけど、あの役どころは彼でちょうどよかったね。(彼が色んな意味でいい兄貴なのは知ってるw)ああいうタイプだからこその骨太さが‥‥(´;ω;`) 毛むくじゃらの男の話の続きを聞きたかったよ…
それと管制官の声がエド・ハリスだってのはあとで知りました。そうだったのかw
それにしても冒頭からしてロシアめ…!って感じだった。ろくなことしやしねえ
あと中国、宇宙船の表示は英語で書こうよ…!宇宙開発においてそこは共通仕様にしとこうよーと思わんでもなかったw
 
公式のスピンオフらしいけど、まさにアニンガさん側からの話。映画見てると、ああーそうか、だから「アニンガ」か…!と思った。でも彼、中国人じゃないよ、イヌイットじゃんw

このやりとりのあとあの幻を見て‥‥と考えると、泣きはしないけど本気で「ああ〜(;´Д`)」っと思うね。

あとせっかくなのでググって拾った映像面での技術的なことの記事など。 

5年くらい前から擬似3Dものをそれなり見てきたけど、こうやって地道にその技術を追求することでちょっとずつ進んでるんだなあ… というかあの辺からもう5年かー長いようで短いのか。
「キャプテンハーロック」にも言及してるけど、3Dカメラを使っていないなら完全にPCの中だけでレンダリングしないと「立体」には見えないから、そういう意味ではこの作品は向いてるんだと思う。まさにハーロックを見た時に、この中に実物の俳優を置いた作品を見てみたいって思ったんだけど、まさにそれw
ただこの映画は全体には違和感なくリアルに見えるって意味での3Dではあるけど、奥行き感があって立体的に見えるという3Dではなかったんで(視差調整とかはしてるっぽいけど)、3Dで見るべきかどうかといったら微妙じゃないかなあ。個人的感想だけど。
ただまあ見るならスクリーンがデカイIMAXのほうが断然いいと思う。(当然だけどIMAX=3Dじゃないよ)

出来上がった映像のマッチングレベルがスゴいです。
あとやっぱりサンドラ・ブロックは映像箱に入ってたのか。あの照り返しがやたらリアルなんでそうだと思ってた。オブリビオンも360度スクリーン投影で撮影やってたし、そういうのは今後も使いようだろうな。